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結局抜けることは許されず、 半ば強制的に連れてこられた
蒼井
なんでそこまでして僕を引き止めるんだ
女子3人で飲んだ方がよっぽど楽しいだろうに
4人中3人が女子、男子はたったの1人だけ
圧倒的な女子の比率 こんなメンバーで話すことなど容易に想像できる
ほらきた
絶対聞かれると思った
蒼井
もう苦笑いしかできない
なんだこの地獄の飲み会
てか初っ端にそれ聞く時点でもうおかしい
まだ酔いも回ってない状態で聞かれると気まずくて しょうがない
蒼井
2人の視線が隣の席に向けられる
横目でちらっと見ると少し顔が赤くなっている
決して自意識過剰とかではないが、僕もそこまで鈍い方ではないし、空気感でもうわかってしまう
今日無理矢理連れてこられたのも、 隣にこの人が座ったのも、たぶん同じ理由
おそらく前の2人が押したんだろうけど...
うわもうまって、これどうやって抜け出そう
これなら彼女いるって言った方がマシだった
好きな食べ物、趣味、好きな映画、学生時代の思い出、 その他諸々ほぼ合コンみたいなことしか話してない
盗聴器とかついてないよな？
会長にバレたらほんとに殺される
ふと時計を見ると、もう21時前だった
この時間ならもう十分だろう
蒼井
蒼井
僕からしたら長すぎたけどな
前の2人が目配せをし、隣の女性に目線で 何かを訴える
なに、まだなんかあんの...？
...まってほんとにどうしよう
申し訳ないけど断ることには変わりない
でも断り方がなぁ...
同じ部署だから、あからさまな態度して 仕事に支障をきたすようなことはしたくない
かと言ってやんわり断ってもあんまり意味ない 気がするんだよな...
蒼井
あぁもう考えるのもめんどくさい
そもそも酔いがまわってる頭でまともな判断 なんか出来るわけない
今まで必死に隠してきたのが急に どうでもよくなってきた
もういっか
うん、もういいや
蒼井
彼女はいないけど、恋人はいる 嘘はついてない
あ、やばい若干キレてる
蒼井
蒼井
これだから女子は怖い
たしかに僕も悪いけど完全にそっち側に つかれたらさすがに怖い
蒼井
蒼井
苦し紛れの言い訳も通用しない
もう嫌だ泣きたい
渋々スマホを取り出し、写真を探す
これもう男の会長見せた方が楽なんだろうか
いや、この状況ならそっちの方がやばいな
最悪軽蔑される
蒼井
蒼井
ひったくるようにスマホを奪い取られ、 3人が囲むようにしてスマホを見る
数秒の沈黙が訪れる
...え、写真間違えた？
なんにも反応ないと怖いんだけど
蒼井
死ぬほど気まずい
許されるなら今すぐこの場から逃げたい
蒼井
さっきの怒りはどこへいったのか 止まらない質問攻めにあった
画面に映る美少女はどこの誰なのか、 名前は何と言うのか、どうやって知り合ったのか
もはや3人とも僕のことなどどうでもよく、 この美少女と連絡先を交換したいとまで言い出した
蒼井
蒼井
スマホを取り返し、代金をテーブルに叩きつけ、 走ってその場から逃げ出した
なんかもう変に疲れた
駅まで迎えに来てもらお...
さっきは色々言ったけど、何ひとつ嘘はついてない
彼女はいないけど恋人はいる 一人暮らしかと聞かれても肯定はしてない
写真を見せた時も一言も彼女だとは言ってないし、 （性別は変わっていたが...）
見せたのは間違いなく会長の写真だ
自分は何も悪くないと言い聞かせつつ、 少し罪悪感が滲み出てくる
明日もう一度謝っとこう...
輝
蒼井
丁度仕事終わりだったらしく、 メッセージを送るとすぐに駅まで来てくれた
それは良かったのだが...
まぁ予想通りと言うか、会長はかなり機嫌が悪かった
先程の惨劇を説明したら余計に拗ねた
輝
輝
輝
蒼井
蒼井
あんなもの絶対に見せるつもりなかったのに...
他の人から見たらあれはただの 容姿端麗な女子高生なのだ
高校の時のとは言ったものの、 変な噂でも流されたりしたら終わる
社会的に抹消される
蒼井
輝
輝
輝
蒼井
輝
不敵な笑みを浮かべた会長の顔が近づいてくる
蒼井
吐息がかかるほどの距離で耳元で囁かれる
輝
その一言でとうに色あせていた記憶が蘇る
途端に顔が熱くなったのが自分でもわかった
輝
蒼井
あぁそうだ思い出した
その時会長はシャツの下に肌着しか来ていなかった
普段なら全く支障はないが、女子になると 色々問題があるのだ
正面を向かれた時それに気づき、 馬鹿みたいに赤くなって思わず突き飛ばした
とりあえずこれ着とけって無理矢理 自分のベストを押し付けたんだ
輝
輝
蒼井
もう今日は色々と最悪だ
明日からどんな顔して会社行けばいいんだよ
蒼井
輝
輝
蒼井
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