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冨岡義勇
当主の子は、義勇、と名付けられた。
その義勇は、生まれつき病弱で、よく、熱を出した。
父も、母も、姉も、使用人もみんな、病気がちな義勇を心配している。
今日も、あまり体調が良くなく、広い部屋で1人、止まらない咳と闘っていた。
冨岡義勇
だが、咳はどんどん酷くなる。
息が出来なくなってきて、身体をベッドの上で丸め、胸を強く押さえる。
冨岡義勇
キィ
不意に、ドアが軋む音がしたが、苦しくてそっちは気にしていられない。
不死川実弥
入ってきたのは、父の執事の子の実弥だ。
いる、ということは知っていたが、直接会ったことはなかったので、少し、緊張した。
冨岡義勇
胸の痛みが強くなって、息が出来なくなる。
冨岡義勇
慌てて息を吸ったが、上手く吸えない。
おまけに、喘鳴もし出して、頭がクラクラする。
ふと、背中に何か温かいものが触れた。
不死川実弥
実弥の手だ。
実弥は、ゆっくり義勇の背中をさする。
冨岡義勇
言われたとおりに、ゆっくり息を吐くが、それでもどんどん苦しくなって、思わず、息を吸った。
不死川実弥
不死川実弥
冨岡義勇
しばらく、それを繰り返していると、驚くことに、あんなに苦しかった呼吸が元に戻っていった。
まだ、時々、咳が出るけれど、先程よりは遥に楽になった。
冨岡義勇
不死川実弥
使用人
ちょうど、その時、使用人1人が突如いなくなった実弥を探しに来た。
不死川実弥
そう言って、実弥は、部屋から出ていった。
これは、まだ、2人が幼く、自分が転生者だと知らないときの話だ。