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まずい。
非常に良くない。
強く照りつける陽の光は、それを遮るカーテンによって柔らかな暖かさを。
ただただ不快な夏の暑さは、教室内のクーラーによって快適な温度を。
訳の分からぬ文字列の羅列する黒板には、もはや私を眠らす呪文を記しているに違いない。
そう
つまり超眠いのだ。
もはや少しでも気を抜けば、意識は奈落の奥深くへと落ちてしまうだろう。
いつの間にやらノートに引いてしまった意味を成さない線だって、今は全く消す気にならない。消しゴムを摘む気力すらも眠気に吸い取られてしまっている。
ああもう、なんておぞましい。
午前11時15分、数学の授業。
そういえば、今日は夢を見たな。
あれが良い夢だったのかは良く分からないが、
少なくとも心地が悪い訳では無かった。
もはや聞かなくなった授業をひたすら右から左へ受け流し、昨日見た景色を記憶からノートに複写する。
決してそれが上手な訳では無いのだけれど、なんだか忘れたくなかったんだ。
あんな建物と、こんな空気と、
あと、
…あと、あれは
あの人は、誰?
あー…、いや。
そろそろ先生の視線が痛いので、真面目に問題を解かなくては。