運命の青い糸

横目で時計を見ると針はテッペンを指している 乾いた目をギュッと瞑り冷めた珈琲に手を伸ばす

最終確認を済ませ退勤し会社を後にする まぁ、後数時間後には戻ってくるけどね

いつもの岩陰に行くと珍しく誰かが居た 金色の髪を揺らし煙草の煙を吐き出すその姿は 俺の薄れた記憶を復元させた

きょーさんは俺を抱えると 大きな白い翼を広げ飛び立った

指差された先には霧に囲まれた森があった その奥の方で大きな街が見える あの街はキラキラしていて宝石の様に見える

朝の光に照らされぞろぞろと様々な種族が 建物から出てくる、皆楽しそうに笑っていて キラキラと光り輝いている

建物の上を自由に駆け回る姿が見えた 列になっている所もあれば教え合っている所も 皆で競争している所もあった

嬉しそうにニカッと笑うきょーさんを見て つられて俺も笑みを零す

俺を降ろしたきょーさんはこの街の中心にある １番大きな館へと飛んでいった

案内された場所はさっき上から見た アスレチック場だった、機敏な動きで進んでいく 皆はとても楽しそうだった

陸用に擬態した場合は影から足が出てくるのだ 動かして見せると興味深そうに見てくる

バネのように足で地面を蹴ると屋根ぐらいまで 軽々と飛べた、案外体は鈍ってないらしい

壁や突起に足を引っ付けたり巻き付いたり 自由に街を移動できるのは楽しい バンッと地面に戻るとキラキラとした目が合う

あれから数時間後、素直に頼られる事が 嬉しい俺はずっと皆のタイムを図り続けた 自分が必要とされてるみたいでとても楽しい

皆に運営と間違われる 運営は多分らっだぁ達の事で仲間だと 勘違いする人が多いんだろうな

賑わっている人混みに１本の道が作られる それが当たり前のようにごく普通に

歩いてきたのは全く姿の変わっていない２人で 思わず抱きしめた、優しく返してくれる