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If
If
深夜の街道 そっと肩に触れた北風に体が震える。
月光が優しく俺を包み込んでいた
If
いつの間にか、知らない道に出ていた
電柱に貼ってある広告の住所は 俺の家より1kmも離れている。
If
軽くネクタイをほどき、家へと向かった
『あの……』
If
後ろから声がして、振り返ると そこには 派手なグラデーションの髪をした男が立っていた
If
‐hotoke‐
無言で立ち尽くし、なぜか月を見上げていた
If
状況を理解できず、戸惑っていると
‐hotoke‐
If
急な告白に言葉を失う
‐hotoke‐
If
‐hotoke‐
If
愛してくれる?月が? 意味が分からない
でも何故だろう、
月を眺める彼の目から目が離せない まるで、吸い込まれていくような心地がした
‐hotoke‐
If
‐hotoke‐
‐hotoke‐
‐hotoke‐
‐hotoke‐
If
確かに俺も、愛した事はあっても 愛された事は無い
そう考えると、彼の言っている事は間違ってはいない
If
‐hotoke‐
表情が一気に暗くなる まずい事を聞いてしまった
If
ギュッ
急に俺の袖を掴み、彼が口にしたのは
‐hotoke‐
If
思ってもいない言葉を耳にして、戸惑う だが、答えはすぐに決まった
If
‐hotoke‐
If
頷くと、彼は俺の胸に飛び込んで来た
If
‐hotoke‐
‐hotoke‐
If
‐hotoke‐
名前を知れたのが嬉しかったのか 少し顔が赤くなるほとけ
If
‐hotoke‐
羽織っていたパーカーを俺にかぶせる 彼の温もりを感じているのもあって暖かい
‐hotoke‐
If
可愛らしい顔立ちなのに、男らしいところもある そのギャップに少し胸が締め付けられた
‐hotoke‐
「家に来てほしい」そう言われ 付いて行くと豪邸の前に来た
If
If
‐hotoke‐
If
中に入ると、大きな階段にシャンデリア、高い天井と あまりの驚きに開いた口が塞がらない
If
‐hotoke‐
まさかこんな豪邸に住んでいるなんて 思ってもいなかった。 そう言おうとした瞬間、奥の方から声が聞こえた
あ!!また逃げ出してたんですね!?
‐hotoke‐
‐hotoke‐
If
いきなり手を掴まれ、階段を上り ほとけの部屋らしき所に来た
‐hotoke‐
‐hotoke‐
ガチャ
If
ガチャガチャガチャ
もーまったく……!
‐hotoke‐
If
‐hotoke‐
If
‐hotoke‐
‐hotoke‐
If
‐hotoke‐
‐hotoke‐
‐hotoke‐
If
ほとけの声は少し、震えていた
If
‐hotoke‐
チュッ
ほとけの手を優しく握り、そっと唇を重ねた
‐hotoke‐
If
If
‐hotoke‐
そう言ってほとけは俺の手を握り返し 少し開いた窓から吹き込む北風と優しい月光に包まれて 俺達はキスをした
‐hotoke‐
If
俺たちは出会ってまだ一日も経っていない
でもお互い、愛し合っていた
その日から俺は、毎晩ほとけの部屋に行き 月の光に包まれながら 彼に身を委ねた
『月が綺麗だね、いふ君』
月光