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月光 【irxs】【水青】

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月光 【irxs】【水青】

1 - 月光 【irxs】【水青】

♥

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2022年10月08日

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If

はあ…疲れた…

If

寒…っ

深夜の街道 そっと肩に触れた北風に体が震える。

月光が優しく俺を包み込んでいた

If

あれ…ここどこだっけ…

いつの間にか、知らない道に出ていた

電柱に貼ってある広告の住所は 俺の家より1kmも離れている。

If

まぁいいや…

軽くネクタイをほどき、家へと向かった

『あの……』

If

…え?

後ろから声がして、振り返ると そこには 派手なグラデーションの髪をした男が立っていた

If

…どうしたんですか?

‐hotoke‐

………

無言で立ち尽くし、なぜか月を見上げていた

If

あの…えっと…

状況を理解できず、戸惑っていると

‐hotoke‐

僕、月が好きなんです。

If

え……?

急な告白に言葉を失う

‐hotoke‐

月だけなんです…

If

……?

‐hotoke‐

僕を"愛してくれる"のは

If

…はい……?

愛してくれる?月が? 意味が分からない

でも何故だろう、

月を眺める彼の目から目が離せない まるで、吸い込まれていくような心地がした

‐hotoke‐

はぁ……綺麗

If

何か、あったんですか…?

‐hotoke‐

………僕は

‐hotoke‐

誰かに愛してもらった事がなくて、

‐hotoke‐

でも月は、僕を優しく包み込んでくれているような気がして

‐hotoke‐

まるで、愛されているような気がするんです。

If

……そうなんですね

確かに俺も、愛した事はあっても 愛された事は無い

そう考えると、彼の言っている事は間違ってはいない

If

誰にも…愛してもらえなかったんですか?

‐hotoke‐

………っ

表情が一気に暗くなる まずい事を聞いてしまった

If

あ…す、すみません

ギュッ

急に俺の袖を掴み、彼が口にしたのは

‐hotoke‐

お願い…僕を愛して……っ

If

…え……

思ってもいない言葉を耳にして、戸惑う だが、答えはすぐに決まった

If

……いいよ

‐hotoke‐

ほんと……?!

If

うん

頷くと、彼は俺の胸に飛び込んで来た

If

そういえば、名前は?

‐hotoke‐

ほとけ

‐hotoke‐

あなたは…?

If

俺はいふ。

‐hotoke‐

いふ君…か

名前を知れたのが嬉しかったのか 少し顔が赤くなるほとけ

If

…くしゅん…っ

‐hotoke‐

あ、寒い?これ着て

羽織っていたパーカーを俺にかぶせる 彼の温もりを感じているのもあって暖かい

‐hotoke‐

あったかい?

If

うん…っ

可愛らしい顔立ちなのに、男らしいところもある そのギャップに少し胸が締め付けられた

‐hotoke‐

ここが僕の家だよ

「家に来てほしい」そう言われ 付いて行くと豪邸の前に来た

If

え……

If

ここ……?!

‐hotoke‐

そう、入ろ?

If

え、あ、うん

中に入ると、大きな階段にシャンデリア、高い天井と あまりの驚きに開いた口が塞がらない

If

……っ!?!?

‐hotoke‐

ふふっびっくりした?

まさかこんな豪邸に住んでいるなんて 思ってもいなかった。 そう言おうとした瞬間、奥の方から声が聞こえた

あ!!また逃げ出してたんですね!?

‐hotoke‐

あ、やばっ……

‐hotoke‐

行こ…っ

If

え…?う、うん

いきなり手を掴まれ、階段を上り ほとけの部屋らしき所に来た

‐hotoke‐

はぁっ…はぁっ…

‐hotoke‐

…あ、そうだ…っ

ガチャ

If

……?

ガチャガチャガチャ

もーまったく……!

‐hotoke‐

…っふふ

If

あれ、大丈夫なん?

‐hotoke‐

いいの、いつもの事だから

If

あ、そうなんだ

‐hotoke‐

僕んちさ、何かと厳しくて

‐hotoke‐

もう立派な大人なのにいつまでも子供扱いしてくるし

If

そ、そっか

‐hotoke‐

僕の事なんてみんな嫌いなんだよ……

‐hotoke‐

家に居ても、結局僕は邪魔者だからさ

‐hotoke‐

だから、たまに外に抜け出して月を見てるんだ…っ

If

……っ

ほとけの声は少し、震えていた

If

ほとけ……っ

‐hotoke‐

…?

チュッ

ほとけの手を優しく握り、そっと唇を重ねた

‐hotoke‐

……っ!?//

If

大丈夫。俺は何があっても

If

ほとけの味方だから。

‐hotoke‐

…いふ君……っ

そう言ってほとけは俺の手を握り返し 少し開いた窓から吹き込む北風と優しい月光に包まれて 俺達はキスをした

‐hotoke‐

いふ君、好きだよ

If

俺も、好き

俺たちは出会ってまだ一日も経っていない

でもお互い、愛し合っていた

その日から俺は、毎晩ほとけの部屋に行き 月の光に包まれながら 彼に身を委ねた

『月が綺麗だね、いふ君』

月光

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