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みなみ
私屋上で靴を脱ぎかけた時に
みなみ
三つ編みの先客に声をかけてしまった
みなみ
「ねぇ、やめなよ」
みなみ
口をついて出ただけ
みなみ
本当はどうでもよかった
みなみ
先を越されるのが何となく癪だった
みなみ
三つ編みの子は語る
みなみ
どっかで聞いたようなこと
みなみ
「運命の人だった」
みなみ
「どうしても愛されたかった」
みなみ
ふざけんな！
みなみ
そんなことくらいで！
みなみ
私の先を越そうだなんて、！
みなみ
欲しいものが手に入らないなんて
みなみ
奪われた事すらないくせに、
みなみ
「話したら楽になった」って
みなみ
三つ編みの子は消えてった
みなみ
さぁ、今日こそはと靴を脱ぎかけたらそこに
みなみ
背の低い女の子
みなみ
また声をかけてしまった
みなみ
背の低い子は語る
みなみ
クラスでの孤独を
みなみ
「無視されて奪われて居場所がないんだ」って
みなみ
ふざけんな！
みなみ
そんなことくらいで
みなみ
私の先を越そうだなんて！
みなみ
それでも、家では愛されて
みなみ
温かいご飯もあるんでしょ、？
みなみ
「お腹がすいた、泣」と泣いて
みなみ
背の低い子は消えてった
みなみ
そうやって何人かに
みなみ
声をかけて
みなみ
追い返して
みなみ
私自身の、痛みは誰にも言えないまま、
みなみ
初めて見つけたんだ
みなみ
似たよな悩みの子
みなみ
何人目かにあったんだ
みなみ
黄色いカーディガンの子
みなみ
「うちに帰る度に増え続けるアザを」
みなみ
「消え去ってしまう為ここに来たの」と言った
みなみ
口をついて出ただけ本当はどうでもよかった
みなみ
思ってもいないことでも声をかけてしまった
みなみ
「ねぇ、やめてよ、」
みなみ
嗚呼どうしよう
みなみ
この子は止められない
みなみ
私には止める資格が無い
みなみ
それでもここからは消えてよ、？
みなみ
君を見ていると苦しいんだ、
みなみ
「じゃあ今日は辞めておくよ」って
みなみ
目を伏せたまま消えてった
みなみ
今日こそは誰もいない
みなみ
私一人だけ
みなみ
誰にも邪魔されない
みなみ
邪魔してはくれない
みなみ
カーディガンは脱いで
みなみ
三つ編みをほどいて
みなみ
背の低い私は
みなみ
今から飛びます
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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