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コメント
3件

続きが楽しみです。 ところでいつ書かれたもの何ですか?
面白かったです!! 次も待ってます!
あれから、身長から体重、人種の特定に至るあらゆる検査を受けた後、俺は適当な服を渡され、それまでの病室のような場所から別の部屋へ通された。
部屋の中には、椅子とテーブル、ベッドに、テレビとそれを載せる台があった。
部屋は変わったが、 無機質さは相変わらずだ。
テーブルの上には世界地図や新聞と、そして何故か【我が闘争】があった。
読め、ということだろうか。
嫌すぎる。
俺はそれをスルーして 世界地図を手に取った。
だが、それは俺の知っているものとは違うと、一目でわかる代物だった。
まず、ドイツと日本の領土が広すぎる。ドイツはソ連があった場所を完全に支配しているし、日本も日本で、ロシア東部からオーストラリアに至るまでを併合・統治していた。
イタリアはそれに比べると比較的小さめで、アフリカを斜めに割譲されたらしかった。
そして、アメリカ、というか北米は、ドイツの説明通り、日本、ロッキー山脈、ドイツと綺麗に三分割されていた。
正確には、日本太平洋合衆国、ロッキー山脈連邦、大ナチス帝国領アメリカといった具合で、日本は傀儡国家を置いたようだが、東部はドイツに併合されたらしかった。
傀儡国家なら、百歩譲って理解できるが、ドイツの一部とは...。 本当に、なんで生きているのかわからない。
意気消沈して、地図を眺めながらベッドに座ると、テレビが目に入った。
地図を脇に置いてダイヤルを回すと、電源が点いた。
座ったまま白黒の画面をぼうっと眺める。
たまにテレビから突きつけられるクソみたいなプロパガンダが、まだどこか半信半疑だった俺を引き込んでいく。
アメリカは負けた。
フランスも、イギリスも、 ソ連も、中国も。
それらは枢軸国によって傀儡にされ、占領、支配、併合され、主権を奪われた。
きっと、俺以外の連合国の〈代表者〉は生きていない。俺だけが、どうしようもない戦後を生きていて、そして今度は、ナチスの手先に仕立てあげられそうになっている。
あぁ、どうして。
あそこで俺も死ねば良かったじゃないか。
神よ、なぜ、おれを。
憂鬱な気分で、ダイヤルを捻って電源を落とす。地図をテーブルの上に放って、ベッドの上で寝転がった。
そのまま、俺は逃げるように夢の世界へ落ちていった。
#日本受け