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恋樺
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ユイ
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如月 久柚⌛🍊
397
ー科捜研ー
高橋はモニターを見つめていた。
頭蓋骨損傷部位の3Dモデル。 変形状況。衝撃解析。 何度もシミュレーションを繰り返す。
岩。樹木。コンクリート。鉄パイプ。
可能性のあるものを一つずつ当てはめる。 そして。
高橋の手が止まった。
高橋
高橋は資料を持って立ち上がった。
高橋
松田深緒
高橋
ーーーーー
数十分後 ー会議室ー
佐藤と高木も呼んだ。
高橋が資料を前へ出す。
高橋
全員が顔を上げる。
高橋
高木刑事
佐藤刑事
高橋が頷く。
高橋
資料をめくる。
頭蓋骨の損傷部位や変形、圧痕。
高橋
先輩が腕を組む。
先輩
高橋は次の画像を出した。
高橋
沈黙。 高橋が説明を続ける。
高橋
佐藤刑事
高橋
事故じゃない。 つまり
“殺人”
高木が資料を見る。
高木刑事
佐藤刑事
高橋
深緒は黙って聞いていた。
ーーーーー
捜査はすぐに再開された。
十年前の資料。 当時の聞き込み。 現場周辺。 全て洗い直し。
そして三日後。 答えは意外なほど呆気なく見つかった。
ーーーーー
ー警視庁取調室ー
佐藤と高木。 向かいには六十代の男が座っていた。
手は震えている。目も合わせない。
男は十年前、現場近くで生活していた元ホームレスだった。
佐藤刑事
男は俯く。
高木刑事
沈黙。
やがて。男は小さく頷いた。
男
高木刑事
男は唇を噛んだ。
男
佐藤刑事
男
静かな声だった。
男
ーーーーー
真相は酷く単純だった。
百合は帰宅途中、声をかけられた。 ホームレスの男に金を要求されたのだ。 それを断った百合は男と揉み合いになり、男は近くにあった鉄パイプを振った。 百合は強く頭を打ち、死んだ。
男は通報せずホームレス仲間を呼び遺体を埋め、
そのまま10年がすぎた。
ー取調室ー
男は泣いていた。
男
男
高木は目を閉じた。 刑事になってから、何度も聞いた言葉だった。
”そんなつもりはなかった”
たったそれだけで、1人の命が奪われるのだ。
ーーーーー
数日後に、事件は正式に解決した。
今日は婚約者である黒沢に、百合の骨を引き渡す日。
コメント
3件
リゼさんと同意見だけど「”56すつもりはなかった”は犯人がよく言う言葉」っていう名言(?)を持ってきたのが流石って思った! 次の回で深緒の過去と黒沢さんを重ねる描写とか出るんかな… 楽しみに待ってるね✨

今回の事件の犯人ホームレスだったのか…♡♡♡つもりはなかった…ほんとによく犯人が言う言葉だよなぁ😢深緒の感が当たったさすが深緒👍 投稿ありがとうございます🙏今回も面白かったです😌続きも楽しみに待ってます☺️
うわあ……第61話、ここで完を迎えたんですね。読了お疲れさまでした。 「転落じゃない」――高橋さんのあの確信に満ちた台詞、すごくゾッとしましたね。人工物、しかも鉄パイプ。あの衝撃解析のシミュレーションシーン、頭の中で映像が流れるみたいで、本当に科学捜査のリアルを感じさせてくれました。そして、たった一つの「♡♡♡つもりはなかった」という言葉で、百合さんの人生が、そしてその後の10年が、ぐっと重く変わる。高木刑事が目を閉じる場面、心に刺さりました。結末が「呆気なく」と表現されたのも、逆にその残酷さが際立っていて、とても印象的です。 本当に、お疲れさまでした。