…て
お…て
おきて
起きて
海軍
なんだ?
なぜ俺はここに、
確か、米帝に…
海軍
右目が使える
―ほぼ使い物にならないだろうが左腕も…
足は…動く、撃たれてない
まだ、折られてもいない…のか
時間が戻った?
いや、そんなこと…
…
なんでもいい
あれは夢だったんだ
…現実的すぎる夢
きっとそうだ
そして、嫌悪すべき事実…
俺が生きようが死のうが陸は死んでしまう
ならば、もう…
何も関係ない
…どこまで時間が戻ったんだ?
なにか手掛かりは
死ガ選択サ伶魔シ多
海軍
なら、もう考える必要はない
米帝
まだ船のどこかに居るはず
奴は弟のことを思うばかりに正しい判断をくだせない
呆れるほどの馬鹿だ
それを俺は知っている
米帝
…はずだった
海軍
海軍
海軍
海軍
海軍
海軍
生きては
会えないけれど
ザブン
暗い暗い海の中
陽の光が届かない
船体に隠れて海に飛び込んだ
…と
突然、胸元から眩い光が発せられた
それは、巾着に入れてあった陸の石
そして
その刹那、発光源の陸の石が砕けた
…途端に
海軍
海軍
大量の血が口から溢れ出た
傷口も開き出血が止まらない
身体から一気に温もりが消えてゆく
きっと陸が死んだことで俺の身体にもガタがきたのだろう
俺達は3人で1つだから
これが"死"か
最早他人事にしか捉えられない
苦しさも痛みも感じる
だが
それさえ、どうでもよかった
海中であるにも関わらず、己が涙を流しているのがわかった
やはり自分が死のうが死ぬまいが、陸は死ぬ
空も居ない
残された俺は
意識が朧気になっていく中
俺はやらなければならない事を思い出した
海軍
海軍
声になったかは知らない
知らないがこの言葉を口にしたのは初めてだった
そして
俺は耳飾りを海底へ沈めた
もうどうでもよかった
後世がどうなろうとも
守るべき存在を守れず一人最後まで生き残ってしまった俺は
きっと
ザブン
という音が、小さく遠くから聞こえた
だから、俺は海に飛び込んだ
米帝
目的は殺しきること
そして
あの耳飾りの回収
だから
海の中に落とされてしまっては手も足も出ない
あの小さな耳飾りをこの広大な海で探すのは無理だ
米帝
その瞬間
視界の隅に光るなにかを見つけた
米帝
そして、海軍が大量の血を流しながら沈んでいるのが見えた
海軍の元まで泳いだ
しかし
もう耳飾りはしていなかった
米帝
そう言った時
海軍は、俺を見てうっすらと笑みを浮かべた
米帝
バンッ
気持ち悪かった
海軍から出る大量の血が広がって
俺を包みこんだ
まるで
己と共に海底まで引きずり込もうとする様だった
だから…撃った
心臓は逸れたが致死量には十分な出血量だった
気持ち悪さのあまり吐きそうで
死体も、耳飾りも回収せずに浮上した
とにかく気持ち悪かった
視界が真っ黒で何も見えない
何も聞こえない
ここが死後の世界というものか
…
死後の世界というなら
死んだままの姿なのだろうか
そんなことないよ
っ…!
何年も聞いてきた声
大好きな
弟の
途端に辺りが眩く光り
美しい景色が現れた
空
幼い頃の空が笑いかけてくる
海軍
一気に涙が込み上げ溢れ出す
今まで抑えてきた感情や悪夢のような現実への絶望
それら全てが涙と共に流れていく
空
空
海軍
海軍
空
空
空
海軍
陸
空
陸
陸
海軍
海軍
海軍
海軍
海軍
海軍
海軍
陸
陸
陸
陸
空
空
海軍
陸
陸
陸
陸
途端に陸の目が輝いた
空
自らの手に視線を落とすとそこには
いつかの昔、二人に貰った貝の首飾りが握ってあった
空
空
海軍
海軍
陸
空
陸
陸
空
空
海
海
目の前には
まだ子供の頃の俺がいた
子供の俺は2人と談笑を続ける
なるほど
俺は2人といる時、こんなにも幸せそうな顔をしているのか
気が付かなかった
思っていた以上の幸せを
俺は元から手にしていたんだ
それなのに
目の前の3人は
俺に気を留めることもなく話し続ける
もう、いいんだ
大人になって、汚くなった俺は必要ない
空軍
陸軍
空軍
陸軍
海軍
海軍
あぁ
いいんだ
俺はもう、幸せだ
何にも縛られはしない
さようなら
俺と
俺の愛しい弟達
Happy end さようなら
※ No.10〜12にかけて登場する「アメリカ」は、「エイト」ではありません。 「エイト」の場合、何があっても海はエイトに殺されます。






