レイト
そんな……
レイトさんの目から、涙がこぼれ落ちていった
レイト
オレだって、「ありがとう」とか「ごめん」とか、何も言えてないんだよ!!
レイト
ルナ……
レイト
ごめんな
レイト
今までありがとう……
そう悔しそうに言うと、レイトさんは俯いた
ミサ
レイトさん……
ミサ
私は何もできなかった……
ミサ
(これは前世、つまり過去のこと……)
ミサ
(私が今何をしても、どちらにせよ何もできなかったと思う)
ミサ
(でも、少しくらい、何かしたかった……)
しばらくしてレイトさんは顔を上げた
レイト
──オレ、仇をとるよ
ミサ
え?
ミサ
えっ!?
ミサ
レイトさん!?
レイト
確か、奴はまだ捕まってない……
レイト
絶対、復讐してやるんだ……!
ミサ
(レイトさんの目が冷たい……)
ミサ
(本気なんだ……)
そこで、めまいがした
ミサ
っ!
目を開けると、事件現場にいた
ミサ
夜になった……?
レイト
(犯人は戻ってくる……)
レイト
(あの人、怪しいな)
ミサ
あっ、あの人だ!
ミサ
通り魔!
ミサ
(──待って、夜、通り魔、1人の(ように見える)少年……)
ミサ
(結構まずいことになっちゃった!?)
通り魔に駆け寄る
月明かりに照らされ、ナイフがぎらりと光った
そのナイフに、うっすらと血痕が見えた
ミサ
(レイトさんが危ない!?)
通り魔
丁度いいな
ミサ
(ど、どうしよう……)
レイト
!