俺が雨の日に拾ったのは……

……そんな顔でこっちを見ないで

潤んだ目で見つめないで

俺には…ゆあんくんといる資格がないんだ……

ゆあんくんに背を向けて走り出す

今にも泣きそうなゆあんくんの声

ごめんゆあんくん

ごめん…

遠く離れた自然公園のベンチに腰掛ける

幸せが崩れてしまいそうだからとか言って 必死に記憶の箱の蓋を押さえたのに

結局開いてしまった

自分から幸せを崩してしまった…

これでよかったんだ

こっちのほうがゆあんくんが最終的に 幸せになれるんだ

ゆあんくんはまだ昔のこと思い出してないし

俺と再会したのはつい昨日

たっつんとのあさんといれば 俺のことなんてすぐ忘れる

泣くしかなかった

じゃぱぱ…なんで急に……

さっきのやつ

降りてきたんだ

光るものが大きくなって姿を変える

……のあ…

さっきじゃぱぱが言ってた……

のあさんと暮らしな

この人と…？

十数年前

その日はじゃぱぱさん、たっつんさん、私の 三人で海に遊びに来ていて

ちょっと私達が目を離した隙に じゃぱぱさんが海に落ちて溺れました

少し離れた所にじゃぱぱさんと小さい子が びしょ濡れで座っていたんです

もう、私が見たときには二人共仲良く なってました

そう言ってゆあんくんの額に手を当てる

まだ小さかった私はゆあんくんが 目の前で倒れてパニックになってしまった

現在

そうだ…俺は……

数カ月後

あれから肺炎も治って今はじゃぱぱと 遊んでる

治るまでずいぶんかかっちゃって

咳が止まらなくて眠れない日とかも あって

その度にじゃぱぱが謝ってきたけど

今はもう大丈夫

でも、このあと……

最悪なことが起こったんだ