「　ファンサしてよ！　」

沢山の歓声

眩い光の中に彼は立っている

その姿はまるで‥

隠すために掛けていたサングラスを外す

その瞬間目が‥あった

彼は俺のうちわに書かれていた通りに‥

投げキッスのちゅｯ‥というイヤらしい音と

俺の目を見てそっと愛らしいものをみるかのような目

そんな彼が俺の目を見て笑いかける

その瞬間、周りの歓声も、何もかもが聞こえなくなった

「　恋‥しちゃったかも‥　」

そんな呟きの声も周りの歓声によって掻き消された

歌と歌の合間に周りのお客さんを見て軽いファンサをする

周りを見ているときにふと、金髪の男性をみつけた

初めて見る綺麗な黄色の目に髪

綺麗な黄色の目に俺が映る

初めて感じる莫大な幸福感に包まれる

うちわにそっと目を落とし

とびっきりの投げキッスと精一杯の思いを込めた言葉

また‥来てほしいな‥

そんな思いを心の隅に抱きながら

「うおおおおおおおお！！」

精一杯腹から声を出して言うと負けじと大声で返ってくる

再び会場に熱気が集まる

思い切り楽しんで！