白石杏
ーーーー♪!!

小豆沢こはね
Ready Steady……

白石杏
……以上、Vivid BAD SQUADでしたー!

小豆沢こはね
ありがとうございましたー!

客A
今日もVivid BAD SQUADって人達凄かったなー!

客B
マジでそれ!またライブ来ようぜ!

小豆沢こはね
(あ……お客さん達、喜んでくれてる…良かった……)

東雲彰人
ふぅ……今日もライブが成功して良かったな。

白石杏
みんなーっ!また頑張ろうねーっ!

小豆沢こはね
そうだね、杏ちゃん!

白石杏
私、今日は父さんに早く帰ってこいって言われたからもう帰るね!

小豆沢こはね
そっか……じゃあまたね、杏ちゃん!

白石杏
バイバイこはねぇ!アンタらもまた!

東雲彰人
アンタら言うな、腐っても仲間だぞ

東雲彰人
で、オレも杏に同じくもう帰るわ。

青柳冬弥
そうか……彰人(人参ヘアー)、またな。

東雲彰人
ん。また練習の時な。

小豆沢こはね
……(二人が帰るのを見送る)

小豆沢こはね
二人とも、もう帰っちゃったね……。

青柳冬弥
ああ……あ、俺は楽屋に忘れ物をしたから取ってくる。

小豆沢こはね
分かった、行ってらっしゃーい!

小豆沢こはね
……ふぅ、今日のライブは疲れたな……

こはねのファン?
……あの、お姉さん……!

小豆沢こはね
………?私のことですか?

こはねのファン?
はい!えっと、今日の歌も見てましたよ!最高でした!

小豆沢こはね
あ、ありがとうございます……!

小豆沢こはね
(何だか照れるな……。)

こはねのファン?
昔からずっと見てましたけど、どんどん歌が上手くなって
いってますね〜。”こはねたん”

小豆沢こはね
(……こはね、たん……?……)

こはねのファン?
こはねたんは本当に可愛いし……もう、たまらないですよ。

小豆沢こはね
……は、はは……

小豆沢こはね
(何だか悪寒がする……?気のせいだよね…)

こはねのファン?
時間があれば二人で話しませんか?あ、連絡先も交換しません!?

小豆沢こはね
……え?

こはねのファン?
自分、めっちゃこはねたんの古参なんですよ!!

小豆沢こはね
え、えっと、その……

小豆沢こはね
ごめんなさい、今ちょっと急いでいるのd……

こはねのファン?
いや〜にしても生のこはねたんほんと可愛い。食べちゃいたいわ〜。

こはねのファン?
……♡(こはねの腕を掴む)

小豆沢こはね
ひっ!!や、やめてくださっ……!!

こはねのファン?
こはねたんはかわいいなぁ〜ほんとに♡

こはねのファン?
このまま持ち帰っちゃおっかな?w

小豆沢こはね
やっ、やだ……誰か……助けてっ……!

小豆沢こはね
……………!!

こはねのファン?
……は?

青柳冬弥
──彼女に、何か用ですか。

小豆沢こはね
あ、青柳くんっ……!?

こはねのファン?
お前はっ……!!今日の、こはねたんと一緒に歌ってた青髪…!!

青柳冬弥
こはねたん?そんな気色の悪い言い方で彼女のことを呼ばないで下さい。

こはねのファン?
き、気色の悪いって……!!

こはねのファン?
ていうかお前!!何様なんだよ!!まさか、
こはねたんの彼氏じゃないだろうな……!!

青柳冬弥
俺は小豆沢の彼氏ではないです。

小豆沢こはね
…………。

青柳冬弥
でも……

青柳冬弥
俺にとって小豆沢は、”大切な人”です

小豆沢こはね
………………!!

こはねのファン?
…………………。

青柳冬弥
分かったらさっさと退いて下さい。二度と小豆沢を怖がらせる
ようなことをしたら……その時も、俺が黙っていません

こはねのファン?
………………チッ

その迫力に気圧されたのか、男性は「チッ」と舌打ちして去っていった。
青柳冬弥
……小豆沢、大丈夫か…!?

小豆沢こはね
青柳くん!ありがとう!

小豆沢こはね
私、断るの下手だから……青柳くんが来てくれて助かったよ!

青柳冬弥
小豆沢……少し声が震えているぞ?本当に大丈夫か?

小豆沢こはね
あ……

小豆沢こはね
あの……さっきの”大事な人”って……

青柳冬弥
あ………。

小豆沢こはね
(き、聞いちゃった。どうしても気になっちゃって……)

青柳冬弥
……そ、それは、だな……

青柳冬弥
…………そのまんまの意味だ

小豆沢こはね
…………へ?

青柳冬弥
俺にとって、小豆沢は”特別”だから……

青柳冬弥
…………っ////忘れてくれ////

小豆沢こはね
……………////そっ、そっか……////

小豆沢こはね
……………////

たった一言だけのその言葉は、
あったかくて、くすぐったくて、でもなんだか泣きそうで。
小豆沢こはね
…………青柳くん

青柳冬弥
何だ…?//

小豆沢こはね
………私も…同じ気持ち、だと思う。

青柳冬弥
……!

だけど──それよりももっと深い関係で繋がれたような気がした。