狂愛【はじめしゃちょーの畑】

一人で歩く竹下通りは意外と勇気がいる

完全プライベートで行きたかった為､美奈は先に新宿

知名度の低い私でも一人でも知ってる人が呟けば視線は向けられる

お陰で周りにはスマホをかざす人達が増えていく

別に嫌ではない

堂々とTwitterで言ってたのだから､迷惑と思うなら言わなければいい

でも困るのがお店に入れない

今日は平日だからそんなに居ないと思っていたが予想以上に人が多い

お店に体を向けても前にも人が

声を出して大勢の足音でかき消され､行きたかったお店を通り過ぎる

こんなんなるなら呟かなければ良かったかなあ……

混雑に紛れて一人の女の子の声が耳に通る

格好は女子高生､顔は小顔で身長も低い

仮装かな？と感じたけどハロウィンでも無いし､平日だから高校生と判断

可愛らしい声ではっきりと伝えてくれたお陰で彼女の存在に気づけた

彼女の声をした方に近づく

周りの人達は金魚のフンのように後ろに着く

小さな手を優しく握る

その瞬間､彼女は嬉しそうに何度もお辞儀をしてきた

その表情は凄く可愛かった

彼女との握手を見た人達は何かを得ようと必死にしがみついてくる

何とか全員と交わし､気づいた時には周りには人は少なくなっていた

時間も迫っていて急いで新宿へと向かった

新宿にあるお店に集合する為､竹下通りからは徒歩

空を見ると暗くなり､仕事帰りのサラリーマンが横断歩道を歩いて行く

目の前には高層ビル､この中にある居酒屋で打ち上げを行う

はじめしゃちょーさんとなんて､もう無いも当然だから色々と聞いちゃお