シュガーにブランデー，それからマロン

今回は少し特殊なケーキバースをメインにお話を作りました！

フォーク，ケーキ，その他の3つの人種がある世界線です

ケーキとは先天的に生まれる｢美味しい｣人間のことです

彼らの血肉はもちろん，唾液や涙なども甘く，まるでケーキのようだとか…

対してフォークは殆どが後天性で，味覚がないことが多いです

ケーキの全てがフォークにとって甘い誘惑であり，｢食べたい｣と思わせる効果があります

ここまで解説を読んで不快感を覚えた方がいらっしゃいましたらここから先は読まないことをおすすめします！

白(ケーキ)×黒(フォーク)の白黒ペアで書かせて頂きました！

相も変わらずドロドロバトエンものなので苦手な方はご注意ください

・ご本人様とは一切関係ございません ・ケーキバース，カニバリズムの描写があります (R18，G18のシーンが多々あります) ・白×黒が苦手な方はご注意ください ・なんでも許せる方のみ進んでください

行ってらっしゃい

昔から甘いものが好きだった

店員が困惑した表情で俺の前に甘くて胸焼けしそうな品を置く

高く積まれたホイップクリームに容赦なくメープルシロップをかける

近くのJKの｢あの人やば…｣という声が聞こえるが気にせずパンケーキを1口サイズに切り分ける

小声でそう呟いて，フォークで刺されたパンケーキを口に運ぶ

1噛み

…2噛み

……3噛み

甘いものが…好きだったんや

疲れた体を癒してくれる，精神安定剤のようなものやった

いつからだろうか

俺から味覚が消えたのは

世の中にはフォークという人種がいるらしい

ある日突然味覚を失い， ケーキという人種の体を“美味しい”と感じてしまうのだとか

ケーキを襲うフォークもいるため世間でフォークとバレれば“犯罪者予備軍”として扱われてしまうらしい

大好きな甘いものも美味しいと思えず，世間からは犯罪者として差別されるとか最悪でしかない

何としてでもまた前の…甘いものを美味しいと思える体に戻りたい…

そう思って何か情報を得ることができないかと“フォークが集う会”に参加してみることにした

スマホに表示されたマップを頼りに何とかここまでたどり着いた

心優しいメンバーの一人が俺をフォークがこっそり集まっている場所に連れてってくれるみたいやけど…

突然，フードを深く被った男がそう話しかけてきた

戸惑いながらもそう答えると，男は俺の手を掴んだ

そう呟かれたかと思うとグンッと腕を引っ張られた

かれこれ20分くらい走らされた…

やっとたどり着いた場所には10人ほどの人が楽しげに談笑していた

確かに…政府にフォークが集まってるなんて知られたら犯罪の計画を立ててるのかと思われそうやな…

改めて初兎を観察すると，イカついネックレスとピアスを何個もつけている

おまけに少しキツめの香水の香りが少し離れていても鼻に残った

なんか…チャラい人やな…

俺なんて2ヶ月で結構しんどいのに

ずっとなんて考えられんな…

知らなかった…同意の上ならケーキを食べても捕まらないんや…

そう言ってケタケタと笑う初兎を少し睨む

……話せば話すほどチャラい…

あんまりチャラい奴好かんのやけどなぁ…

そう思いながらも初兎のペースに乗せられてSNSを交換してしまった…

そう言ってヘラりと笑う初兎に少し言い過ぎたかと反省する

チャラい奴は嫌いやった

でも初兎のことは嫌いになれんかった

初兎と初めて出会ってから１ヶ月

俺たちは結構頻繁に遊びに行く仲になっていた

初兎が少し寂しそうにパンケーキを頬張る

俺もいつものようにメープルシロップのたっぷりかかったパンケーキを口に入れる

……やっぱり，なんの味もしない

それに思わずため息をつくと初兎がニヤリと笑って俺にパンケーキを差し出す

これ以上騒がれても面倒やし…一口だけ貰うか…

どーせ，いつもみたいに何にも感じないで……

あまい

ほんの少しだけれど甘さを感じて思わず口を抑える

嬉しい嬉しい嬉しい…！

俺に…味覚が戻って……！

ちょっと待て

なんで，急に，甘さを感じた？

初兎がニタリと，嫌な笑みを浮かべる

嫌な汗がつぅと背中を伝う

必死に首を振っても初兎はべろりとフォークを舐め，それを俺の口元に近づける

嫌だ…嫌だ……！

そう思うのとは裏腹に，俺の体は甘い匂いにくらくらと酔う

差し出されたフォークの力は恐ろしい程に強くて

抗えなかった

初兎がグイッと俺の顎を引く

甘い甘い誘惑が俺をとろけさせる

勢いよく頷くと初兎がにんまり笑う

だらりと俺の口からよだれがこぼれた

キスし慣れてないであろう彼にゆっくり丁寧に口付けする

焦点の合わない瞳が甘さでさらに溶かされていく

ズボンを脱いだ下半身を悠くんの口元へ持っていく

さすがに抵抗があったのか驚いて固まる彼が愛おしい

きっと悠くんの頭は甘い甘い蜜のせいでとろとろなんだろう

もう理性なんて残ってないはずだ

かぱりと空いた口に俺のものがすっぽり収まる

必死に甘い蜜を求める悠くんが酷く愛おしい

フォークがケーキを襲う理由が分かる気がする

俺の蜜がたっぷりと悠くんの口に吐き出される

もはや俺より悠くんの方が気持ちよくなってるみたいだ

そう言いながら俺を勢いよく押し倒す悠くん

正気を失った悠くんの顔を見上げながらそう言う

強引に悠くんの口の中に俺の唾液を流し込む

ね，悠くん

俺さ，ずっと地獄みたいな人生やったんや

俺は普通のケーキよりも香りが強いみたいで

強い香水でもつけてなきゃフォークに襲われる

幼い頃から虐げられて，家畜みたいに扱われて

１回，死にかけたこともあった

でもさ，悠くんに会った時この人ならって思ったんや

フォークのくせにケーキを下に見ることも無く，謙虚で，優しくて

決して他人のせいにしない悠くんに惹かれた

フォークになりすましてあの集会に参加した甲斐があった

ああ，本当にピュアで何にも知らないんやなぁ…♡

確かに同意があればフォークはケーキを食べることはできるけど

ケーキを殺すほど食べてしまうのは犯罪やって知らんのよなぁ♡

きっと人を騙した俺は地獄に落ちるんだろう

でもそれは俺を殺した悠くんも同じ

一緒に地獄に落ちような，悠くん♡

ね，悠くん

俺，美味しい？

俺の涙も精液も血も唾液も

骨も肉も内蔵も

余すことなく

愛してね

ケーキバース…いいですね… (新しい扉が開く音)

バトエン厨的には最高でしたけどね！

では少しだけこぼれ話を……

皆様お察しの通り，🐰さんはフォークのふりをしたケーキでした

恐らくフォークに襲われないようにするためと，自分を愛してくれるフォークを探すためにフォークのふりをしたのでしょう

犯罪者になることを恐れ，殺してしまう寸前で食べるのを辞める責任のないフォークとは違い

🦁さんは最後まで🐰さんを愛し，余すことなく食べました

世間では🦁さんは人殺しの犯罪者になってしまいますが，🐰さんにとっては最愛の恩人となるのでしょう

ちなみにタイトルの意味に気づいた方はいらっしゃいますでしょうか？

ぜひ皆様の考察をコメントで教えてくださいね♪