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あの後の夜、あたしは左之助に言われた「好きだからだよ」って言葉にずっと引っかかっていた。
薫
薫
暖かい敷布団の中で腕を組む。頭の中は昼の左之助でいっぱいだ。
薫
薫
龍三郎
左之助
あの時の左之助の口調、怒ってた……わよね?
明らかに声質が、怒っているそれだった。
そういえばあの時も……
薫
薫
剣心
左之助
左之助はいつもあたしが剣心に絡んだら興奮するけど、
なぁんかいつもよりも興奮してた気が……?
薫
左之助
薫
左之助
最近の左之助……あたしが男と話す度に偶然って言って姿を現してる気が……
それに……最近視線も、感じるし…もしかしてその視線は……………
左之助の視線……だったりして……
その考えに至った瞬間、背中にゾクッとした恐怖が走った。
薫
あたしには剣心がいるし……それに、あたしが剣心にしか気持ちがないのを、左之助は誰よりも理解してるはずよ。
もし、もし………本当に、あの「好き」って言葉が真実だったとしても。事実だったとしても。
左之助ならきっと、自分の気持ちを隠してあたし達を応援してくれるはず。
薫
薫
でも……
それなら、あの視線の正体は何?左之助が毎回「偶然」と言って姿を現す意図は??
薫
薫
薫
薫
薫
薫
薫
左之助
薫
左之助
左之助
薫
左之助
薫
左之助
薫
そこで、漸くあたしは気づく。
左之助と手を繋いでいることを。
そして、その左手の薬指にサファイアの指輪がはめられていることを。
薫
薫
左之助
薫
なら、なら。
剣心は??
薫
左之助
薫
薫
左之助
薫
左之助
薫
左之助
薫
左之助
薫
左之助
そう言って左之助は一歩、一歩近づいてあたしの体を押し倒す。
薫
左之助
薫
薫
薫
外はまだ暗い。夢から目覚めた後でも心臓はバクバクいってる。
薫
剣心
薫
薫
薫
薫
薫
背中に、冷たいものがはしる。
いつもならこんな冷や汗かかないはずなのに。
最近の左之助の言動がおかしいって気づいた今は、なぜか彼に会いたくない。
身体中の細胞が拒絶反応を起こす。あたしもいっそのこと……いや、ダメよ。この道場はあたしがしっかり見守ってなきゃ。
左之助
薫
薫
左之助
薫
左之助
薫
左之助
薫
ポンポンと頭を撫でていた手が、そのまま頭の形をなぞるように頬に手を滑らせ顔を上に向かせた。
薫
左之助
薫
脳が、全身が、警鐘を鳴らしている。
今すぐこの男から離れないと危険だ、と。
いくら気が強くてもこれとあれとは別の恐怖だった。「何をされるか分からない」という恐怖。
左之助
薫
左之助
左之助
薫
そっか。そういう事だったんだ。
先程までの警戒心が一気に和らいでいくのを感じる。
左之助はあたしを心配してくれてたんだわ。だからわざわざあたしの後をつけてまで……
剣心が見ていない分を彼は守ってくれている。何を警戒していたのだろうか。敬う気持ちと、申し訳なさが葛藤する。
薫
そこでふと、明日の用事について思い出す。
明日は剣心とふたりで出かける日だ。つまり、剣心と一日中一緒にいられる日
左之助はまたついてくるだろうか。
薫
そう言って、縁側に座り目を閉じている左之助を見て微笑んでみせる。
あたしは今ひとりじゃない。仲間がいる。
昔のあたしとは違う。
もう怖いものは、何もない……