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ツララ・ヘイルストーンの初恋

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ツララ・ヘイルストーンの初恋

4 - ガラス越しの恋心(オーター視点)

♥

3

2025年03月20日

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ツララが私達の下へ来てからは

まだ職場に不慣れなツララが 少しでも早く慣れるよう私を含めた神覚者の面々が中心となり 彼女のサポートを行ないました。

ツララは飲み込みが早く あっという間に仕事をこなしてみせ

特に彼女の作る魔法薬は性能が高く 目を見張るものでした。

優秀な人材を見極める事に長けている カルドが連れて来ただけの事はある そう思いました。

人間関係も問題はなく 神覚者の中では 同性という事もあり私やソフィナとは 『まるで三姉妹みたいだな!』と そう、ライオに言われるほど打ち解けました。

私も、そしてどうやらソフィナも そう言われまんざらでもなさそうでしたが

それを聞いたツララ本人だけは 複雑そうな顔をしていた。

執務室

オーター

ふぅ。

オーター

(疲れました。)

いくらこなしても終わる事の無い仕事。

仕事、仕事、仕事。

オーター

(こう多忙な日が続きますと
流石の私もまいりますね。
・・・・・まあ、
理由はそれだけではありませんが。)

先日、名家ばかりが集まるパーティーが あったのだ。

※回想 パーティー会場

がやがや。

名家の女性

~~~~~

名家の男性

~~~~

父親

それでは挨拶に行ってくる。
分かっていると思うが、
くれぐれも

オーター

粗相のないように、ですよね。

父親

そうだ。
まあ、今更お前に念を押す
必要はないか。
お前の方も上手くやるんだぞ。

オーター

・・・はい。

すたすた(父親が挨拶に向かう。)

オーター

・・・・・。

似合う似合わないではない。 父が用意した 男を誘えとばかりの胸が強調されたドレス。 貴族達の貼り付けた笑顔。 あちらこちらから向けられる視線。 この視線は神覚者となった今でも変わらない。

この場に来れば父の顔に泥を塗らないよう お相手の方々に無礼のないよう 細心の注意を払わなければならない。

昔からこの表向きは煌びやかで 窮屈な場所が苦手だ。

正直、この場にいる貴族の連中とよりも 神覚者の面々といる方が気が楽で 本人達には言っていないが・・・楽しい。

ツララ

(笑顔)オーター。

オーター

(・・・・!)

何故

何故真っ先にツララの顔が?

ああでも

あの子の笑顔は胸が温かくなる。

オーター

(会いたい・・・ですね。)

名家の御曹司

オ・・・・ま。

オーター

(ツララ。)

名家の御曹司

オーター様!

オーター

・・・・!すみません。

名家の御曹司

大丈夫ですか?ご気分でも
悪いのですか?

オーター

いえ。大丈夫です。

名家の御曹司

良かった。あの

オーター

はい。

名家の御曹司

よければ僕と
少し話しませんか?

オーター

ええ。いいですよ。

名家の御曹司

そうですか!ではあちらに
行きましょう。

ぐい。

オーター

!?

オーター

(見た目に反して
強引な方ですね。)

オーター

(これは長くなりそうです。)

その後は予想通り

好きな異性のタイプはから始まり 質問攻めにあった。

執務室

オーター

(はあ。思い出したら余計に
疲れて来ました。)

チラリと時計に目をやると

午後4時を少し過ぎたところでした。

オーター

(ツララとの約束の時間まで
まだ余裕がありますね。)

オーター

(しかし今日はもう仕事を続けられそうにありません。)

オーター

・・・研究室までゆっくり
行くとしましょうか。

私は今日はもう仕事を続けるのは 無理だと判断し ツララの待つ研究室に向かう事にしました。

ツララの研究室

コンコン

ガチャ。

オーター

失礼します。
・・・ツララ?

ツララの研究室のドアを開けると

そこにいつもは居る筈の ツララの姿がありませんでした。

オーター

・・・・奥の部屋ですかね。

私はそのまま研究室の奥の部屋へと 向かいました。

ー研究室の奥の部屋

コンコン。

ツララ

はい。

ガチャ

オーター

失礼します。
こちらでしたか、ツララ。

ツララ

あ、オーター。
いらっしゃい。
丁度準備が出来たところだよ。

オーター

そうですか。
いつもありがとうございます。
早速使わせていただきます。

ツララ

うん。じゃあ、
私は研究室の方にいるね。

オーター

はい。

ガチャ、パタン。

ツララが部屋を去ったので、 私はベストに手をかけて一枚ずつ順番に 服を脱いでいく。

する

パサ

しゅる

パサ

ツララが古代の文献を元に作った 魔力と体力を同時に回復させる装置。 この装置は使用する時、 服を全て脱がなければならない。 それに抵抗を感じる者は多い。 まあそれが普通だろう。

が、

私はあまり抵抗を感じなかった。 誤解がないように言っておきますが、 露出狂、という訳ではない、決してない。

ただ不思議と、解放感を感じるのだ。

オーター

(さて。)

ポチッ。

ウィイイイン。

開いた空っぽのカプセルの中に入り、 横たわる。

ウィィィン。

ジャー。

横たわった私の体を 特殊な水が満たしていく。

コポコポ。

コポコポ。

オーター

(不思議だ。水の中なのに
少しも苦しくない。)

オーター

(人1人分の狭いカプセルの中だというのに。
狭さを感じない。)

オーター

(ひょっとして
母のお腹の中もこのような
心地良さだったのだろうか?)

ポウ。

ポウ。

オーター

(ああ。体が魔力で満たされていく・・・・・気持ちいい。)

オーター

・・・・・。

いつも通り私は

疲労と 己の体を満たしていく魔力の心地良さから そのまま眠りについた。

・・・・だから気づけなかった。

カプセルの中で眠る私を 部屋から去ったはずのツララが 熱のこもった瞳で見つめていた事に。

そして私に熱い口付けを落としていた事に。

彼女のその行いと私に抱いた秘めた思いを 知る事になるのはそれから数日後の事だった。

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