幸せが壊れるときはいつも
血の匂いがする
あの時どうしてみんな、俺を信じてくれなかったんだ? 煉獄さんも、宇髄さんも、義勇さんも、善逸も... 誰も信じてはくれなかった。 あの人の言い分しか聞かず、俺の言うことは『言い分だ』と言って聞く耳も持たなかった。 何故だろう...。あんなにも親しくしてくれた人達とああも簡単に絆の糸が切れてしまうなんて...。
もしかしたら、みんなで俺を騙そうとしていたのか...? やっぱり俺は信用されていなかったみたいだ...。
あの時炭治朗の中でなにかが切れた.....。
炭治朗の中でなにかが切れてもう一週間程がたっていた。炭治朗の眼には光が点っておらず、前のような 美しく、愛らしい笑顔は消え、 表情はひとつも動くことはなかった。 こんなことになったのは、ざっと数えて三週間程前のことだった。
ある日炭治朗、善逸、伊之助のいるクラスに転校生が来た。 名は浮酢藻不子。 炭治朗は変わった名前だな、 と思いながらも自己紹介を聞いていた。浮酢の喋り方は独特で、
浮酢藻不子
語尾を伸ばし、うしろにハートマークをついているかのような喋り方だった。 善逸と伊之助は苦手なタイプらしく、眉間にシワを寄せ、伊之助はわざとらしく舌を出し、
嘴平伊之助
とわざと浮酢のところまで聞こえる声で言った。 すると浮酢は涙目になったて
浮酢藻不子
と伊之助に向かって言った。すると伊之助は
嘴平伊之助
と吐き捨て、
嘴平伊之助
と、馬鹿デカい声で叫ぶもんだから、善逸と炭治朗は慌てて止める。
???
と声がした。すると善逸が
我妻善逸
とこれもまたでかい声で叫ぶもんだから声の主も呆れている。
竈門炭治朗
と炭治朗が言うと
不死川実弥
と不死川先生と呼ばれた男が炭治朗の頭にぽんと手を置く。軽く優しく愛らしいものを愛でるかのように。 すると炭治朗は『へへへ//』と少し照れ笑いをし、
竈門炭治朗
と最後にフワッととどめの愛くるしい笑顔を見せると我妻と不死川は『ヴッ//』と小さく声を出し、 嘴平は『ホワホワさせんじゃねぇ//』と照れを隠しながら小声で言う。
そんな情景を見てクラスのものは、『またやってるなぁ』と思いながらも炭治朗の笑顔に癒されていた。 しかし、一人だけ不満げに眺めているものが一人いた。先程の転校生だ。 顔に傷があって醜い(そう思ってるのはこいつだけ)炭治朗にイケメンがとられてしまうと思っていたのだ。
私よりも顔だって綺麗じゃないし、(お前の方が綺麗じゃない)笑顔だってそんなでもないし、(目腐ってんのか?眼科行ってこい💢)だいたい、なにもできないんでしょうが(運動も料理も論にできんくせに💢勉強だって前の学校で下から数えた方がはやかったくせに💢)
浮酢藻不子
と小さく呟いた。すると前の列に座っていたモブ男が
山下モブ男
と少し近くの席に座っている人達に聞こえる声で言った。すると
一樹モブ美
宮野モブ江
その他のモブ
とそれを聞いたクラスの数人がザワザワし始めた。 次の瞬間
浮酢藻不子
と浮酢が気持ちの悪い声で泣き出した。クラスのみんなは嘘泣きだとわかっていたから声をかけなかった。 すると炭治朗が浮酢のところへやって来て
竈門炭治朗
と優しく、浮酢にもクラスメイト達にも語りかけた。その姿はまさに女神様であり聖母でもあった。 しかし、浮酢は『ありがとう』とだけ言った。それだけだった。
その日から炭治朗の平和な日常は狂っていった。
それは3日後の話だ。
炭治朗がいつものように、登校し、教室に入り、みんなに挨拶をして自分の席について教科書を机のなかに入れようとしたとき
竈門炭治朗
指になにかが刺さった感覚があった。 恐る恐るもう一度今度は机の底に手を這わせて探ると、指になにかがあたった。手を横にずらすとさっきあたったものと同じ感触のものがたくさん散りばめられていた。 そのうちのひとつを取り出すと
竈門炭治朗
まだなにか入っている。
竈門炭治朗
どうしてこんなものが...?俺は誰かに恨まれるようなことをしたのか...?
我妻善逸
嘴平伊之助
二人が来てしまった!どうしよう?これを隠さなければ!!
グシャッ
我妻善逸
竈門炭治朗
善逸達に迷惑をかけたくない...。
そう思った炭治朗は誰にも相談しなかった。しかし、それが地獄への第一歩だった。
次の日学校に行くと炭治朗の机に
死ね!消えろ!!クソビッチ!!
作者
一番最後のに関しては余計にわからない...。なんだ?クソビッチって...?
嘴平伊之助
我妻善逸
嘴平伊之助
我妻善逸
嘴平伊之助
我妻善逸
竈門炭治朗
嘴平伊之助
竈門炭治朗
どうしよう...見つかってしまった...。どうすれば.....。
嘴平伊之助
竈門炭治朗
不死川実弥
不死川の顔に血管が浮き出る。
どうしよう...不死川先生にもばれてしまった...どうしよう... 頑張って誤魔化そう...迷惑をかけたくない...
竈門炭治朗
我妻善逸
竈門炭治朗
我妻善逸
炭治朗は涙目になりながら
竈門炭治朗
と答えた...。でも炭治朗はこの後あったことを誰にも告げることはなかった。
そんなある日炭治朗は浮酢から二階の空き教室に来てほしい、と言われた。何かあったときのために録音機を念のため持っていった。 炭治朗は嫌な予感がしていた。案の定、その予感は的中してしまった.....
カチッ
浮酢は言った.....
浮酢藻不子
浮酢は血走った眼で炭治朗に言った。でも炭治朗には理解できなかった。
どうして俺がターゲットなんだ? 確かに俺は美人でも、可愛くいいわけでも、モテるわけでもない... なのにどうしてそれ前提で話を進めているんだ?確かに俺の周りは美男美女ばっかりだけど、浮酢さんがみんなと仲良くできない理由は、俺じゃなくて、自分自身にあるんじゃないのか...?
竈門炭治朗
すると浮酢は
浮酢藻不子
まさか自分の存在を否定されるなんて!と炭治朗が驚いていると 浮酢はカッターを取り出して言った。
浮酢藻不子
そう言って自分の手首を傷つけようとした! 炭治朗はそれを止めようと腕を伸ばした。すると
浮酢藻不子
と浮酢がカッターを持った右腕を振った。 するとカッターの刃は炭治朗の頬に傷をつけた。
竈門炭治朗
浮酢藻不子
そう言って浮酢は手首を切り、服をビリビリに破いて←ゴリラ
浮酢藻不子
とくそ五月蝿い悲鳴をあげた。
手首からはたくさんの血がながれている。 これでは出血多量になってしまうと考えた炭治朗は自分の制服を破いて止血しようとした。すると
浮酢藻不子
と浮酢に突き飛ばされ←ゴリラ 教室にあった机に頭を強くぶつけた。さすがの炭治朗もひどい頭痛がしていた。そこに、悲鳴を聞きつけた我妻、不死川、胡蝶、栗花落の五人が駆けつけた。浮酢が我妻達に
浮酢藻不子
栗花落カナヲ
胡蝶しのぶ
と栗花落と胡蝶が言い浮酢を保健室に連れていった。
作者
あらあら~その顔は元々なんですね~
作者
作者
不死川実弥
我妻善逸
嘴平伊之助
不死川実弥
我妻善逸
嘴平伊之助
我妻善逸
不死川実弥
炭治朗は目をつむったまま呼んでも返事がない...。浮酢が喋っている間に意識を失ったようだ。
我妻善逸
不死川実弥
炭治朗が救急搬送されたことは元鬼のもの達の耳にも入っていた。
病院での診断は軽い脳震盪だそうだ。大事に至らなくて何よりだ。と頭がの人より強いのが幸いだった。と担当された医師から言われたらしい。でも、大事をとって一週間程休むように。とまだ入院しているように。と言われたそうだ。
入院して一週間後、退院の日にあの男がと部下二人がやって来た。男は
???
竈門炭治朗
すると部下の一人が
???
もう一人が
???
竈門炭治朗
作者
???
童摩
竈門炭治朗
どうして鬼がいるんだ?鬼は俺達で殺したんじゃ...?
竈門炭治朗
鬼舞辻無惨
竈門炭治朗
鬼舞辻無惨
阿窩座
童摩
竈門炭治朗
童摩
鬼舞辻無惨
阿窩座
童摩
竈門炭治朗
鬼舞辻無惨
竈門炭治朗
少し首をかしげ『こてん』と効果音が付きそうな程可愛らしい反応をする炭次郎に血を吐きながら無惨は
鬼舞辻無惨
と聞いた。
竈門炭治朗
と問うと
鬼舞辻無惨
竈門炭治朗
と問うと
鬼舞辻無惨
童摩
阿窩座
と三人で声をあわせて答えた。
竈門炭治朗
と優しく愛らしい笑顔でお礼を言うと三人はまた同時にぶっ倒れ、それを見てあわあわしている炭治朗がいるとても和む空間になっていた。
しかし学校では、炭治朗のありもしない嘘の過去をばらまいているものがいた.....
月曜日はまだ平和に過ごせた方だった。しかし
本当の悪夢はこれからだった
火曜日になり、炭治朗がいつもどうり登校すると、うちばきがなくなっていた。
炭治朗は一番最初に焼却炉に向かった。いじめの典型的なものから潰していこうと考えたのだ。
しかし、焼却炉にはなかった。次に向かったのは、小さな池のようなところ(かっちゃんがデクのノート捨てたやつ)を見に行った。
しかし、そこにもなかった。
竈門炭治朗
結局うちばきは見つからず、放課後に探そうとも思ったけれど、先生達に迷惑をかけるわけにもいかず、そのまま帰ることにした。
玄関から出た瞬間、上から水が降ってきた。誰かがバケツからわざと炭治朗に当たるように水を捨てたのだ。
炭治朗は持っていたハンカチで拭けるところを拭き、後は家で乾かすことにした。
しかし、家の鍵は電気がついているのに開いておらず、炭治朗はチャイムを鳴らした。 すると、ドアが開き、中から弟の竹雄が
竈門竹雄
と顔を出した。
炭治朗は
竈門炭治朗
すると竹雄が
竈門竹雄
と言うので炭治朗は
竈門炭治朗
と聞くと
竈門竹雄
と答えた。 すると奥から
竈門葵枝
作者
と聞きなれた母の声がした。 炭治朗は
竈門炭治朗
と呼ぶと、その人は
竈門葵枝
と言う。
炭治朗は
こないだまで俺のことを心配してくれていた母が俺を忘れるはずがあるか?
と疑問に思い
竈門炭治朗
と問いかけた。
すると
その人は、炭治朗のまだ傷の塞がりきっていない頬の方を思いきり叩いた。
炭治朗はあまりの痛さに涙目になりながらも
俺は長男だから 俺は長男だから!
と心の中で唱え、痛みを我慢して
竈門炭治朗
と聞くと
竈門葵枝
竈門炭治朗
炭治朗はそんなことはしていない。 だが、嘘の情報が自分の家にまでとどいていたのだ。
炭治朗は
竈門炭治朗
そう聞きながらも、炭治朗の中では予想がついていた。 だが一応聞くと、その人は
竈門葵枝
そう言ってその人はドアをバンッと閉めた。
傷の手当てが出来ないので仕方なく病院へ行き、その日は顔見知りの家に泊めてもらった。
次の日は、家の人にお礼を言って、嫌々ながら学校に行った。
その足取りは重く、途中で竹雄達と出会ったが、お互いに挨拶を交わさず、違う道を通って学校へ行った。
その日炭治朗は先生達に空き教室に呼び出された。
昨日はあんなに笑顔たったのに...どうしたんだろう...。
そう思いながら先生達を見つめていると
宇髄天元
と急に宇髄が口を開く。
竈門炭治朗
なんの事だ...?
俺は何かしたのか?
...あ...浮酢さんか...俺のありもしない過去をばらまいて、先生方はそれを信じたんだ.....。
不死川実弥
不死川先生は俺のこと...信じてくれると思ってたのに.....。
昔と変わらない。俺のことを誰も信じてくれない...でも、俺はしてないって言わなくちゃ!
竈門炭治朗
胡蝶しのぶ
竈門炭治朗
煉獄杏寿朗
竈門炭治朗
どうして信じてくれないんだ?みんな俺のこと嫌いなのか...?
そうか.....
本当は嫌いだけど生徒だから、仕方なく接してたんだ...
そっか...また仲良くなれたと思ってたのは俺だけだったんだ.....。
そんなことを炭治郎が考えていると急に腕が伸びてきて、炭治朗の顔に貼ってあるものを無理矢理剥がした。
竈門炭治朗
あまりの痛さに声が出てしまった。
すると鱗滝が
鱗滝錆兎
作者
と炭治朗を怒鳴る。
炭治朗は
竈門炭治朗
鱗滝錆兎
竈門炭治朗
鱗滝錆兎
竈門炭治朗
炭治朗には言いたいことが山ほどあるのに言葉にできず、ただただ、その綺麗な瞳から大粒の涙を流すことしかできなかった。
一方錆兎は炭治朗の言っていることの意味がわからず、ずっと眉間にシワを寄せていた。
するとそこに
???
と低い声で、相手を威嚇するように喋りながら空き教室に入ってきた男がいた。
そしてその男は泣いている炭治朗を抱き上げると言った。
???
と不気味な笑みを浮かべながら、教室を出ていった。
柱達は、何が起きたのかわからずにただ突っ立っているだけだった。
そんな事があってから数日が経って、炭治朗は赤い高級車で学校に通うようになった。
それから炭治朗は笑うことを忘れ、学校から帰り、元鬼のものたちといるときだけに光の点ってはいない美しい笑顔を見せるのだった。
作者
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