クリスマス・イブの最後

12月24日

11時半

11時50分

『す、好きです！付き合ってください！』

『俺が幸せにする！絶対！』

｢ねぇ、私の事好き？｣ 『おう！好きだぜ』

｢私も〜｣

何となくわかってた、

最近帰りも遅いし

帰ってこない日もあった

帰ってきたと思えば女物の香水の匂い

酒くささ、

シャツには薄く擦れたようなピンクのリップ

気づいてないのか首には何ヶ所かキスマークがあった

今思えばうちは見て見ぬふりをしてきた

春千夜を信じて気づいても気付かないふり

鈍感なふり、

でも、もういいよね？

自分に素直になっていいよね？

辛い思いしたくないの

もう、これ以上自分を傷つけなくていいよね？

今ここで終わらせよう

うちの恋愛を

｢ねぇ、誰？｣

｢え？｣ ｢彼女いたの？｣

｢私ははるちゃんと付き合ってる…｣

ビックリした、春千夜から言われるなんて思ってなかった

なんか、少しだけ粘ってみたくなった、

ただ、ただ、理由を聞きたかった

どん底に落とされた気分になった

春千夜がそんな風に思ってたんだって思い知らされた

うちはどこで間違えたのかな？

イタイ イタイ イタイ

春千夜に似合う人になりたくて

強い女を偽装って、

かっこいい女になろうとして

女にはなるまいと誓ってきたけど

春千夜の前では泣かないようにして

頑張って頑張って、春千夜の隣にいても恥ずかしくないように

してきたのに……

今のアタシはどうやら晴れて

そっか、うち｢あの子｣みたいに可愛くないから…

なってるかな

永い 永い 永い

｢………｣

話を会ったらまたしてしまうでしょう

｢あ、これ……｣

(皆様、いよいよツリーの星に光がつきます)

5

4

3

｢……………………｣

『………………り』

2

『……じゅり』

『じゅりぃぃぃぃ！！！！』

1

Merry Christmas