──火の海から逃れた直後、一同は寮の前に戻ってきていた
焦げた匂いが微かに衣服に染みついている
誰もが無言だったが、心臓の鼓動だけは まだ戦いの興奮を引きずっているように早かった
藍川真流
最初に口を開いたのは真流だった
口調こそ平静を装っていたが、その声はかすかに震えていた
藍川真流
藍川真流
その時だった。静かに佇んでいた翠が一歩前へ出た
白鳥 翠
如月 幸斗
幸斗が目を見開いた
その表情は少しだけ、安堵の色を含んでいるようにも見えたが、 やがて口を開いた
如月 幸斗
如月 幸斗
翠は一瞬だけ瞳を伏せ、そして小さく頷いた
白鳥 翠
白鳥 翠
如月 幸斗
幸斗が、あっさりと告げた
真流と不稲が驚いた顔を見せたが、すぐに黙り込む。 これ以上隠す必要もないと判断したようだった
翠はほんの少しだけ目を細め、静かに頷いた
白鳥 翠
如月 幸斗
白鳥 翠
そう笑う翠に、少しだけ場の空気が和らぐ
そのまま一同は軽く会話を交わしたのち、真流・不稲・幸斗の三人は漣夜の部屋へと移動した
状況の整理を行った。火災の発生、美弦の襲撃、翠との遭遇、そしてスパイであることが彼女に知られた件
如月 蓮夜
藍川真流
案の定、隊長の樹に携帯で報告を行うと、 返ってきたのは怒声だった
如月 樹
如月 樹
不稲 & 真流
真流と不稲がほぼ同時に土下座する勢いで頭を下げる
如月 樹
如月 樹
樹の怒りはしばらく収まらなかったが、ようやく落ち着いたのか、最後には溜息交じりにこう言った
如月 樹
如月 樹
如月 幸斗
──報告が終わる頃には、空が微かに白み始めていた
疲れた三人はそれぞれの部屋へと戻り、 倒れこむようにしてベッドに沈み込んだ
重たいまぶたの奥で、未だ赤く燃える火の残像がちらついていた
──そして、翌朝
幸斗は、寝ぼけたままベッドの上でゴロゴロと転がっていた。 髪はぼさぼさ、目は半開き
如月 幸斗
せっかくの潜入任務、自由な時間も少なかったのに……
などと心の中で愚痴をこぼしていると、枕元のスマホが振動した
如月 幸斗
少し警戒しながらも通話ボタンを押す
如月 幸斗
白鳥 翠
如月 幸斗
一気に眠気が吹き飛んだ
如月 幸斗
白鳥 翠
如月 幸斗
思わず呟いた
翠はそのまま淡々と要件を告げた
白鳥 翠
如月 幸斗
白鳥 翠
通話が切れる
如月 幸斗
頭を掻きながらスマホを開くと、 昨日作ったばかりのLINEグループが目に入った
グループ名はなぜか「第四部隊(+第六部隊)」、 アイコンは不稲が設定したたい焼きのスタンプ
《俺んとこ来い、話すことある》 とだけ打って、送信
数分もせずに、真流、不稲、そして漣夜までもが部屋に集まった
如月 蓮夜
如月 幸斗
藍川真流
如月 幸斗
幸斗は小さく呟くと、制服の襟を整えながら立ち上がった
如月 幸斗
コメント
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もうさぁ……笑 うちの子まだですか(は?)
そりゃあ公園火の海にしたら怒られますよ…(´-` ) というか樹さんがそんなにキレてるってことは…今まで何回同じようなことしてきたんだこの人達…。