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桃 。
次の日の朝、桃は昇降口で俺を待っていた。
白いシャツに桃色のリボン、風に揺れる髪。
少し照れくさそうに笑うその姿は、まるで本物の恋人みたいだった。
赤 。
桃 。
冗談っぽく返す桃の言葉に、少し胸がチクリとした。
期限付きの恋。
期限があるから、きっと彼女は軽やかなんだ。
でも俺は、軽やかになんてなれなかった。
日常がすべて変わっていく。
昼休みには、桃が俺の席までお弁当を持ってきて、隣に座った。
周囲の視線が集中しているのがわかる。
桃 。
赤 。
桃 。
桃 。
くすくす笑う桃に、俺は完全に振り回されていた。
でも、悪い気はしない。むしろ、心地いい。
こんな時間がずっと続けばいいのにって_
そう思った瞬間、また"期限"という言葉が頭に浮かんだ。
放課後、桃は俺を屋上に誘った。
夕焼けの空の下、彼女はフェンスにもたれて空を見上げる。
桃 。
桃 。
桃 。
赤 。
桃 。
赤 。
ふいに桃がこちらを見た。
その目が、一瞬だけ寂しげに揺れて_
桃 。
桃 。
その言葉の裏にある想いに、俺はまだ気づけなかった。
ただ、目の前の"彼女"が消えてしまいそうな気がして、言葉を失っただけだった。