主人公 莉瑚(りこ) 小学5年生 奨(しょう) 小学5年生 保育園からの幼なじみ
放課後 その日は 綺麗な夕焼け空だった
莉瑚
……よしっ。
莉瑚
今日こそ渡すんだ。
莉瑚
がんばれ私。
莉瑚
スーハー
莉瑚
スーハー
タタタタ
莉瑚
奨ちゃん!!
奨が振り向く
奨
なに?
莉瑚
あ、あのね…
莉瑚
えっと、その…
莉瑚
(がんばれ私!!)
莉瑚
あの!これ!!
奨
なんだよ、こ…
莉瑚
じ、じゃあね奨ちゃん!!
莉瑚
バイバイ!!
タタタタ
奨
あ、おい莉瑚!!
奨
なんだよあいつ…。
奨
これ、手紙?
奨
えっと…
奨
「りこは出会ったときから
今日まで
しょうちゃんのことが
大好きです」
今日まで
しょうちゃんのことが
大好きです」
奨
……。
奨
……あいつ。
それから数日 数週間 数ヶ月経っても 奨ちゃんからの返事は なかった。
あれから数年後
私たちは高校2年生になった
奨
莉瑚
奨
お前このままだと赤点だぞ
莉瑚
うっ…
莉瑚
だから私の家で
莉瑚
テスト勉強してるんじゃん!!
私たちは今でも 仲良くしている
ただ あの日のことは お互い触れずにいる
莉瑚
……ふぅ
莉瑚
とりあえずこれでなんとか
莉瑚
赤点回避できるかな
莉瑚
奨ちゃんありがとうね
奨
あぁ
奨
じゃあ俺そろそろ帰るわ
奨が立ち上がろうとしたとき 机の上のテキストが落ちた
バサバサ
二人
「「あっ」」
床に落ちたテキストを 拾おうとして 二人の顔が近づく
莉瑚
!!
奨
!
莉瑚
あ、ありがとう
莉瑚
拾ってくれて
奨
…あぁ
奨
じゃあ帰るわ
奨
テスト頑張ろうな
莉瑚
う、うん
莉瑚
ありがと、バイバイ
バタン
莉瑚
……
莉瑚
はぁあぁあぁ
莉瑚
びっくりしたあ
莉瑚
顔が熱い…
莉瑚
……
莉瑚
この気持ち
莉瑚
奨ちゃんに
バレないようにしなきゃ
バレないようにしなきゃ
その日の夜
奨
あのさ
莉瑚
どうしたのー?
奨
テスト終わったら
奨
ちょっと話したいんだけど
莉瑚
話?
莉瑚
テスト終わりじゃなくても
いつでも聞くよ〜😀
いつでも聞くよ〜😀
奨
今はテストに集中しとけ
莉瑚
はーい
奨
テスト最終日
奨
校門で待ち合わせな
莉瑚
分かったー!!
…話ってなんだろう。
もしかして 私の気持ちがバレて いい加減諦めろとか 言われちゃうのかな…
あの日振られてるのに やっぱり嫌だよね。
話 聞きたくないなあ。
テスト最終日 放課後
莉瑚
や〜なんとか乗り切った〜
奨
おつかれ
莉瑚
お疲れさま!
莉瑚
奨ちゃんが
勉強見てくれた
おかげだよ〜
勉強見てくれた
おかげだよ〜
莉瑚
ありがとうね!!
奨
次のテストの時は
奨
もう少し基礎知識上げとけよな
莉瑚
はーい♬︎
ひぐらしが鳴いている
どうか 私の胸の鼓動を かき消して
奨
…あのさ
莉瑚
……
莉瑚
うん
莉瑚
話ってなに…?
奨
……
奨
お前、覚えてるか?
莉瑚
えっ?
奨
小学生の頃
俺に渡した手紙のこと
俺に渡した手紙のこと
莉瑚
……!!
莉瑚
……
莉瑚
…うん
莉瑚
忘れるわけない
奨
俺、あの頃は自分の事ばっかで
奨
周りに冷やかされるのが嫌で
奨
返事できなかった
奨
ごめん
奨
ほんとは嬉しかったのに…
莉瑚
えっ…
莉瑚
嬉し…かった?
奨
すげー嬉しかったんだ
奨
だからすげー後悔してる
奨
なんであの時
奨
ちゃんと返事しなかったんだって
莉瑚
奨ちゃん…
奨
だから
奨
今更って思うかもしんねえけど
奨
あの時の返事をさせてほしい
ドクンッドクンッ
私の胸の鼓動が早くなる
奨
俺
奨
莉瑚が好きだ
奨
出会ったときから
奨
今日まで
莉瑚
……
莉瑚
お、遅いよぅ…
莉瑚
わ、私…ずっと
莉瑚
奨ちゃんに
莉瑚
振られたと…思って
莉瑚
グスッ
視界がぼやける
奨
ごめん
奨
ずっと莉瑚のこと傷つけて
奨
俺最低だけど
奨
もう自分に嘘はつかない
莉瑚
奨ちゃん…
奨
莉瑚
奨
好きです
奨
俺と
奨
付き合って下さい
莉瑚
うぅっ…グスッ
莉瑚
わ、私も
莉瑚
奨ちゃんが好きです
莉瑚
よろしくお願いします
莉瑚
大好きだよ
この日も 綺麗な夕焼け空だった
伸びていた二つの影は そっと静かに重なった







