先生
今日はみんなに書いてきてもらった作品の中からいくつか抜粋してみんなに紹介しようと思います
先生
テーマはなんでもいいから詩を書いてくる、というのが課題だったな
先生
まだ出していないやつは、明日までに書いてくるように
先生
それではまず最初の作品
先生
ちなみに作者の名前は伏せるから、安心するように
先生
えー、最初の作品のタイトルは...「友」...
まゆか
まゆか
(みんなどうせちゃんとやってないんだろうなと思ってたけど)
まゆか
(結構いい作品ばっかりでびっくりだなあ)
まゆか
(ていうかみんなの前で読まれる可能性があるならテーマもっと無難なのにしたのに)
まゆか
(読まれたら匿名とはいえ恥ずかしすぎる...)
先生
先生
えー次の作品はタイトル「パーカー」
まゆか
...!
まゆか
(やばい)
まゆか
(こんなの公開処刑...)
まゆか
(だけどどうせ匿名だし、私だけ反応してたら変だよね)
まゆか
(聞き流してる振りをしなきゃ)
先生
別に寒くもないのになあ
なんて
1年生の頃は思っていました
なんて
1年生の頃は思っていました
先生
秋が来るとすぐに
君は白いパーカーを羽織って登校するよね
君は白いパーカーを羽織って登校するよね
先生
自転車が
夏よりも心做しか重そうに走ります
夏よりも心做しか重そうに走ります
先生
人気者の君の周りには
いつも仲間がいて
君のパーカーのフードを
ふざけて被せて遊んでいます
いつも仲間がいて
君のパーカーのフードを
ふざけて被せて遊んでいます
先生
私は1人
その様子を眺めています
その様子を眺めています
先生
あのうちの1人になれたら
私はあなたの自転車の後ろに乗れたかな
あなたのそのパーカーを
こっそり貸してもらったりできたのかな
私はあなたの自転車の後ろに乗れたかな
あなたのそのパーカーを
こっそり貸してもらったりできたのかな
先生
あの子が羨ましいな
私の方が君のことを想ってるのにな
私の方が君のことを想ってるのにな
先生
そんな気持ちがふと姿を現すけど
そのせいで白いパーカーが黒く汚れてしまいそうで
そのせいで白いパーカーが黒く汚れてしまいそうで
先生
私は今日も
あなたへの気持ちを隠します
あなたへの気持ちを隠します
先生
先生
はい
先生
この詩は今までのものとはまた違って
先生
秘密の恋心みたいなものを綴っているんですよね
先生
なんとも甘酸っぱくて...
まゆか
(恥ずかしい...)
まゆか
(このクラスで白いパーカーを着てるのなんてあの人だけだし)
まゆか
(もし私だってバレたら...きっとみんなにバカにされて...)
まゆか
(彼にも嫌われちゃうかな...)
放課後
まゆか
(今日は部活もないし)
まゆか
(赤本でも探してこようかな)
まゆか
(みんなは塾で会えないしなあ)
まゆか
まゆか
(あれ、K大学の赤本がない...困ったなあ...)
かいと
おい
かいと
お前が探してんのって
かいと
これ?
まゆか
...え?
かいと
K大学の赤本
かいと
探してたんじゃねーの
まゆか
あ、ああ
まゆか
うん...
かいと
俺もK大学目指しててさ
かいと
ちょっと借りてたわ
かいと
わりーな
かいと
コピーしたらやるよ
まゆか
あ、そうなんだ
まゆか
ありがとう
かいと
お前もコピーとかすんの?
かいと
それなら今一緒に行った方が効率いいだろ
まゆか
あ、うーん、
まゆか
そうだね
まゆか
いろいろ書き込みたいし、コピーすることにする
かいと
了解
かいと
自習室って2階の奥で合ってるよな
まゆか
うん
まゆか
まゆか
(大学同じなんてびっくり...)
まゆか
(今日も似合ってるなあ)
まゆか
(白いパーカー)
自習室にて
まゆか
かいとくんは
まゆか
K大学の何学部に行くの?
かいと
うーん、
かいと
教育かなあ
かいと
将来先生になりたくてさ
まゆか
そうなんだ
まゆか
かいとくん人気あるもんね
まゆか
先生とか似合う
かいと
そうかな
かいと
お前は?
かいと
どうすんの?
まゆか
うーん、
まゆか
文学部かな...
かいと
あー、納得
まゆか
...え?
かいと
いや、良かったじゃん
かいと
今日の詩
まゆか
え
まゆか
いや
まゆか
その...
かいと
お前じゃねーの?
かいと
「パーカー」
まゆか
...!
かいと
わかってんだよ
かいと
お前が俺の事気になってるのなんて
まゆか
え
かいと
当たり前だろ
かいと
俺だってお前のこと見てたんだから
まゆか
え...
まゆか
それは、どういう...
かいと
だから
かいと
お前が俺の事を好きになるより前に
かいと
俺はお前のこと
かいと
好きになってたんだってば
まゆか
かいと
元々頭悪いのにK大志望にしたのもお前が行くって知ったから
かいと
...学部までは合わせらんないけどな
まゆか
そう、だったんだ...
かいと
うん
かいと
だからさ
かいと
もし俺がK大学に受かったら
かいと
俺と付き合って欲しい
まゆか
...!
まゆか
わ、私で...いいなら...
かいと
笑笑
かいと
なに照れてんだよ
かいと
かわいいかよ
まゆか
かいと
笑
かいと
まあこれで
かいと
またやる気出たわ
かいと
ありがとな
まゆか
ううん...!
まゆか
私も、頑張る...
まゆか
かいとくんのことも
まゆか
応援してる...
まゆか
かいと
笑笑
かいと
おう
かいと
お前が落ちたら元も子もねーからな笑
かいと
ほら、コピー終わったぞ
まゆか
あ、うん...!
かいと
じゃあそのコピーが終わったら
かいと
そのままここで2人で勉強しよっか
まゆか
え
かいと
急展開すぎ?笑
まゆか
いや、全然...!大丈夫...!
かいと
じゃあ、決定
かいと
...好きだよ
まゆか
もー
まゆか
そんなの今言われたら合格まで待てなくなっちゃうからダメだよ
かいと
笑
かいと
了解