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2006/12/01 Re:Re:二次元の世界へ
だからそう。
るなが教室に現れたときは
ついに神様が願いを叶えてくれたのか と錯覚した。
だってその現実離れした美しさは
ほとんど二次元から飛び出してきた ようだったから。
そしてあの日
あろうことか生物部へとやってきたるなに
(青天の霹靂とはこのことだと思った)
うちは緊張しながら訊ねた
ニコニコという擬態語がぴったり 当てはまる顔で
るなは答えた。
受験さえすれば合格すると噂の
この落ちこぼれ高校では
少しでも内申書をよくするためか
部活動か委員会に在籍しなければいけない 決まりがある。
在籍してさえすれば
行くも行かないも自由だ。
この生物部は面倒なイメージから 人気がなく。
自然とはみ出し物が集まる 部活となっている。
つまり自分たちのような
底辺の人間が集まる場所だった。
実際のところ
先輩達から受け継いだアロワナの 飼育をする以外は
正直やることはない。
部室に集まって漫画を読んだり
ゲームをしたり
小説を書いたり
それぞれのオタク活動を 楽しんでるだけだ。
だから
こんなにも美しいるなが
息のできる環境だとは思えなかった。
るなだって
どこからどう見ても底辺たちが 集まったこのメンバーを見て
自分がいるべき場所ではないと 感じるはずだ。
でもるなは
当然みたいに全員が眼鏡をかけているこのオタク集団を見ても
引いた様子はまるでなかった。
それどころか
無邪気にはしゃぎながら部室の奥に 置かれた水槽へと駆け寄っていき
様々な角度からアロワナを 覗き込んでいた。
これまで底辺の人間ばかり眺めていた アロワナは
美しい生命体に動揺しているようにも 見えた。
磨かれた爪先で水槽をトントンと小突き
るなは楽しそうに言った。
本当に生物が好きなのだろう。
しかしアロワナを育ててる以外
生物部としての活動がないことを
さらにオタク部となっていることを
誰もるなに説明する勇気はなかった。
だけど知らせるまでもなく
るなは知っていた。
どうしよう。
『千と千尋の神隠し』に登場するカオナシのような声しか出ない。
視線を配ると大川も狼狽えていた。
あの頃
自分たちのアイデンティティはきっと
オタクであることのみだった。
内心ではオタクであることに誇りすら持っていたのかも知れない。
なのにこうして面と向かってオタクである事実を突きつけられると胸が苦しくなってしまう。
人と関わることを諦め
現実から逃げてることを
咎められているような 気持ちになるからだ。
察して
るなは否定した。
聞きなれたその言葉の意味が
一瞬わからなくなった
可愛いオタクという人種が存在することは知っている。
イベントの類には行ったことないが
ネットのまとめサイトで取り上げられるくらい人気のコスプレイヤーさんは
超がつくほどに美形だし
旬のアニメキャラの衣装を作るくらい気合いの入ったオタクであることも 間違いない。
でもるなの圧倒的な透明感を前にすれば
オタクを宣言されても呑み込めなかった。
美しい容姿はさることながら
喋り方や
どの仕草からもオタク集は微塵も漂ってなかったし
るなは絶対に
自分たちとは違う世界の住人だと感じた。
だけど
うちも大川も
シンクロするように即座に首を横に振っていた
たまたまオタクが集まってしまっただけ手
ここは本来
生物部だ。
今年度は新人入部員もいなかったことだし
入りたい問生徒を拒む理由もなかった。
それにうちは
るながオタクであろうがなかろうが
どちらでもよかったのだと思う。
ついに二次元の世界への入り口を見つけたみたいに
新しい物語が始まる予感で
異様なぐらいに胸がざわついていた。
コメント
3件
るなちゃん、めっちゃ可愛いすぎる!!😭💕 二次元から飛び出してきたみたいな美少女がまさかのオタク部入部!?しかも「私もオタクだから」って言ったときの衝撃、めっちゃわかる〜!!アロワナに無邪気にはしゃぐ姿とか、もう天使かと…! 「新しい物語が始まる予感」ってラスト、エモすぎて胸がざわついたよ!次話が待ち遠しい〜🌸
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