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桃橙集③

第32話 - 俺の大事な薬指の飾り

958

2025年07月08日

#BL

#桃橙

#ほのぼの

#🔞

#SB

#恋愛

琴音

橙

桃

俺の大事な薬指の飾り

橙

桃ちゃんっ、、、？

桃

.....、、、、

橙

...桃ちゃん、、、、...

桃ちゃんのお母さんから 1件のメッセージが届いた。

「息子の様態が悪化しました」と

桃ちゃんは病気を持っている。

小さな頃からずっと癌を患っていたらしい。

その病気が進行したのだろう

今は眠っているが前より悪化しているのが顔色でわかる。

橙

ごめん、桃ちゃん...、、、

桃

...ｯ、、ん、、"...、、

橙

...、、、！

橙

桃ちゃん、、？

桃

...ﾊﾟﾁｯ､､､

重い瞼を開けて俺の顔をじっくりと見る

桃

...なんだ、、橙か、、、笑

橙

なんだ、って、、お見舞いっ、！

桃

...ん、...ありがとっ、、ﾆｺｯ

橙

...大丈夫、、？

桃

おう、、...

桃

とりあえず...な、笑

橙

...桃ちゃ、っ、、...

桃

...あ、、、

橙

...、？

桃

...、、その、、笑

桃

...癌、移動しちゃった、笑

橙

...、、へ、、、、？

桃

...頭に、移動しちゃった、笑

橙

...え、、？

桃ちゃんの病気はお腹。しかも大きめの病気。

桃

...ねぇ、落ち着いて聞いてね、

橙

.....へ、いや、っ、、、...ｳﾙｳﾙ

桃

んふ、大丈夫、、、...笑

橙

なに、っ、、ｳﾙｳﾙ

桃

...俺ね、、？

桃

...耳、聞こえなくなっちゃうんだって、笑

橙

...へ、、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

頭に移動してきたから聴覚に影響するらしい

桃

勿論言葉にも。

橙

...いや、...いややっ、、！ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

嫌でしょ、？だから約束して欲しいの

橙

、、？ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

...、、、、

桃

俺と...別れてください、ﾆｺｯ

橙

..は、、っ、、、？ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

...もう、彼氏としての体は持てない。

桃

...甘えることしか出来ない。

桃

記憶が全部なくなって橙を忘れる。

桃

そんな彼氏いやでしょ、、？笑

橙

...、、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

橙

...やだよ、、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

...、、そっ、か、、、笑

桃

じゃあ話は速いじゃん、...、笑

橙

...違うの、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

ん、、、？

橙

別れるのが...やだ、離れたくない、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

...、、、

桃

...でも、ね、、？

橙

わかってる、、辛いのは...ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

橙

けど、離れへんって約束したやん、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

...そうだよな、、、笑

桃

ごめん。

橙

...ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

...橙、、、

橙

...、、？ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

...来ないで。

橙

...え、、、？ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

橙

なんでっ、、、！ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

...弱ってるの見られたくないんだよ、笑

橙

...ええやんかっ、、！！ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

記憶は残るかもしれない。

桃

けど、動けなくなるのは絶対。

桃

俺の体は...二度と戻らない、ｳﾙｳﾙ

桃

そんな体でお前のこと幸せにできないよ、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

橙

...、、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

もう、諦めてくれ、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

...大好きだから、もう、帰って、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

橙

...やだ、桃ちゃん、、！ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

笑、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

ほら、振り向いちゃダメ、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

橙

...いややっ、、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

はやく、、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

橙

桃ちゃんっ、、！！ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

...ﾆｺｯ、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

橙

...、、、

橙

桃ちゃん、、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

...、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

あれから2週間経った

勿論橙は来ない。

そして、、、、、

お母さん

...、、（書

「食べたいのある？」

桃

...、、ふる、ふる、、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

ほとんど耳も聞こえなくなった。そして喋れなくなった。

日に日に体も重くなり息苦しくなっている。

もう橙との思い出も覚えていない。

人の心を失いかけていた。

お母さん

...、、！！（書

桃

...、、、、？

ある日母が焦った顔をして紙になにかを書いた。

桃

...、な、、、、に、、、、、？

「彼女さん来てる」

桃

...、、、ぇ、、、

なんで、、なんで、、、、

俺もう死ぬよ、、、？

なんで弱ってるのに来るんだよ、、、

橙

...〜〜、、〜、、！

桃

...、、、、、、、

桃

...、、（書

「耳元で優しく喋るか紙に書いてくれる？」

橙

...、、！ｳﾙｳﾙ

桃

笑、、、

泣くなと口パクで伝えると耳元に近づいてきた。

橙

...桃ちゃ、だ、、じょ、ぶ、、？

桃

...ん、、、...

かすかに聞こえる愛おしい声

可愛らしい愛くるしい声、

...懐かしい、、

橙

...、、、泣かな、で...、、、

桃

...、、？

え、、？俺...泣いてる、？

桃

.....笑、、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

あーあ、、、情けない...、、笑

最期くらい笑顔で居たいのに、笑

橙

...、、、、

橙

...ｷﾞｭｩｯ､､

桃

...、、、！ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

橙

...だ、い、す、き、、ﾆｺｯ

桃

...、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛﾎﾟﾛｯ

桃

ｯぅ、"...、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛﾎﾟﾛｯ

抱き締め返したいのに、できない、

桃

...ｯ"〜、、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

手を上げようとしても上がらない

橙

.....（手掴

桃

...、、、？ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

橙

ぎゅ、、...し、よ、、ﾆｺｯ

桃

...こく、、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

なんで、なんで、泣かないんだ...、

もう幸せになったのか、、？

それだといいけど、、

橙

...、、ｷﾞｭｩｩｯ､､､

桃

...、、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

自分の精一杯で握る。

握れていないけど全力で。

橙

...、、、、、、！

桃

...、、！ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

少し指先に力が入った。

桃

...ｯ"...、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

橙

.....、、、

桃

...、、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

見て分かる。下を向いて震えて、頬を赤くして。

泣いてる。俺に見えないように。

桃

...、、、、

桃

...じ、、ぇ、...るっ、、、...

掠れた声で愛くるしい君の名前を呼ぶ

橙

...、、、！！！ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

...、、、笑

俺の声に気づいてくれた。顔を上げて今まで見た事ない泣き顔でこっちを見ている。

桃

...ご、めんな、...、、笑

橙

...、、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ（書

「無理して喋らんとって」「謝らんとって」

桃

...、、さい、ご、...だから、、笑

桃

...こっち、、...来て、、？

橙

...ふるふるっ、！！ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

橙

いややっ、、！！ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

...橙、、ｳﾙｳﾙ

桃

おね、がい、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

も、う、、...聞こえにくく、なっ、てる、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

橙

...、、、、！ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

喋れなく、なるから、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

橙

...こく、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

...、ご、めん、、な、、...ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

...、し、あ、せ、になっ、て、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

橙

ふるふる、、！！ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

橙

...ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ（書

「俺もう死にたい」

桃

...、、、、、は、、、...ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

橙

...ｯ"、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

...だめ、...いき、て、、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

橙

...ふる、ふる、、、、！！ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

.....、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

橙

〜〜、、！ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

...、、、、、ぁ、、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

聞こえなくなっちゃった...、、

桃

...、、、、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

橙

..〜、！！〜ー！！

桃

笑...、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

ふる、ふる、、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ（書

「聞こえないや」

橙

...、、！？ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

橙

〜〜、！！ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

...、、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

いややとか、言ってんだろうな、、笑

けどまだ、、声を出す感覚が残ってる

桃

...じ、ぇ、、ぅ、、...ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

橙

...、、、、！！ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ（ｷﾞｭｩｯ､､

桃

だ、、い、、、す、、き、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

あ、い、し、て、、る、、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

..ちゃんと喋れたかな、笑

橙

...ｯ"〜、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

橙

俺も"っ、愛してる"、ｯｯ、！！！ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

...、、、、ぁ、、、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

しっかり聞こえた、、笑「俺も、愛してる」だって、、笑

桃

...、、笑、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ（書

「聞こえたよ」「ありがとう」

橙

...、、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

「よかった」「だいすき」「桃ちゃん」「大好き」

桃

...笑、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

ｸﾞｯｯ､､...ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ（抱寄

橙

、、、！？ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

...ﾁｭｯ､､...、、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

橙

ｯ"、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

橙

うわあぁぁあ、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

笑...ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

やだな、泣き声聞こえちゃった、笑

なにしてんだ、俺、笑

橙

〜ー、！！！ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

橙

〜〜〜！！ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

...、、、、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

叫びすぎだろ、むせてるし、笑

桃

...、、、（書

「思いはちゃんと伝わるよ。」「けど叫んだら、しんどくなる。」

桃

...、、、

どんどん薄くなる文字

読めないくらい汚いひらがな。

けど俺は絶対に綺麗に書いた文字があった。

「橙」

橙

...、、、、！ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

「ありがとう桃ちゃん」

「めっちゃ綺麗」

橙

笑、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃

...笑、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

笑った、、、、！

桃

...ﾎﾟﾛﾎﾟﾛﾎﾟﾛｯ、、

「ずっと笑ってて。」

「橙の笑顔大好き」

「全部だいすき」

「橙、あいして」

桃

...、、、ｶﾞｸﾝｯ､､､

...あ、、...力...、、、無くなった、、

橙

...ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ（ｷﾞｭｩｯ､､（手掴

桃

...？

「る」

桃

...ん、、、ふ、、、...ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

橙

...ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ（ｷﾞｭｩｩｯ､､､

橙

...、、、

1年後。

桃ちゃんは俺の誕生日の次の日に亡くなった。

最後の最後まで笑顔で居てくれた

涙をあれから1度も見なかった。

ケーキも一緒に食べて

ろうそくも消して

写真も撮った。

その写真を左にスライドすると

最後に出かけた遊園地でのツーショット。

そしてもう一度戻すと

やせ細ってるけど頑張った証拠がしっかり映る病院のベットでのツーショット

桃ちゃんはその写真で笑ってる

俺の寝顔を愛くるしそうに見つめながら

桃ちゃん俺を選んでくれてありがとう

幸せにしてくれてありがとう。

沢山笑ってくれてありがとう

甘えさせてくれてありがとう

大好きでいてくれてありがとう。

橙

...ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桃ちゃんから貰った指輪は

左の薬指に。

桃ちゃんの指輪も

薬指で輝いてるよ

ちょっと大きいけどね、

まだこの指輪には温もりが残ってる気がする。

なぜなら指輪の中には桃ちゃんがいる

桃ちゃんのお母さんにお願いして遺骨を少しだけ分けてもらった。

桃ちゃんの左薬指の骨を。

END （タップお疲れ様です）（わかりにくい部分もあると思いますがお互いの気持ちが皆さんに伝わっていると嬉しいです🥰）

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心臓が痛いいい😭😭😭

感動しちゃった… 好きです💛

わー😭 感動です😭😭泣ける😭😭😭😭😭😭 お互いだいすきだって伝わる😭😭😭

琴音

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