復縁を求めて

復縁を求めて

#／４

授業中、 昨日から気になっていたことが どうしても引っかかって 幼馴染にそのことを聞いてみる。

数学の時間。 ゆあんに分からないところを 教えてもらっている時に そう聞いた。

おれの勘違いかもしれないけど ゆあんは昨日から怒っている。 昼前まではそんなこと なかったのに。

冷たく返事をされ、 諦めて昼の時間に 聞くことにした。

昼休みになる。 真っ先にゆあんに声を 掛けようとした時、 じゃぱぱの声が近づいてきた。

ゆあんの話を先に聞くことにし、 ゆあんの顔を見た。

そのときおれが見たのは

声を我慢して涙を流している おれが見た事のない顔だった。

ただの幼馴染。

その言葉がおれの心に 突き刺さった。

止めても戻ってこないのに。 いくら呼んでも 振り向いてくれないのに。 そんなことは分かってる。

けど... 無意識にあいつの名前を 呼んでいる。

おれがゆあんのことを 好きな訳ではない。

でもおれにとってゆあんは 大切な人。特別だから。

気が付くとおれの目からは 涙が溢れていた。

おれが泣いちゃだめなのに。

好きじゃないのに...

急にドアが開き、その前には じゃぱぱ。 おれのことが好きな人は おれが好きな人に おれを譲った。

逆らうことはできず、 じゃぱぱについて行くことにした。

いつもの空き教室。

残り20分の昼休み。

外からは賑やかな声が聞こえる。

今のおれには最悪な質問。

この学校にきて まだ2日しか経ってないやつでも 分かるくらいに おれのこと好きでいてくれたのに...

気づいてあげられなかった。

その一言でおれの顔は 彼の髪と同じ赤色に染まった。

その夜、だれもいない家に1人。 ずっと考えていたことがある。

昼休み... ゆあんは最後、 何を言おうとしてたのだろうか。

考えても考えても 答えはでない。

「好きだよ」

またこの夢？ 月が綺麗な夜に誰かの声が響く。

#／４ 答え