テラーノベル

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テラーノベル(Teller Novel)

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午後。病院の静かな中庭で、サンセットはトワイライトと向き合っていた。彼女の顔にはまだ疲労の色が残っていたが、その瞳には、以前のような虚ろさはなかった。

Sunset Shimmer

トワイライト、教えて。私、本当に昔はそんなにひどい人間だったの?

サンセットの問いに、トワイライトは深く息を吸い込んだ。隠し続けることは、もうできないと悟っていた。

Twilight Sparkle

…ええ、そうだった。初めて出会った頃の君は、友情の魔法なんて信じない、傲慢で意地悪な人だったわ。私たちがポニーの世界から持ってきた冠を盗んで、みんなを操ろうとした。でも…

トワイライトは、サンセットの目をまっすぐ見て続けた。

Twilight Sparkle

…でも、君は変わった。ポニーの世界の魔法で、私たちは君の心を救うことができた。そして、君は私たちに、本当の友情の魔法を教えてくれた。その後の君は、誰よりも優しくて、誰よりも強かった。私たちは、昔の君を恨んでなんていない。むしろ、変わってくれた君に、心から感謝しているの。

トワイライトの言葉は、サンセットの心に深く刺さった。彼女の頭の中に、断片的な記憶が次々とフラッシュバックする。それは、昔の自分が、どれだけひどい行いをしていたかを示す、苦い記憶だった。

(フラッシュバック)

Old Sunset Shimmer

私に逆らう者は、誰であろうと許さない!

クラスメイトを傷つけ、支配しようとする自分の姿。 それを止めようとするトワイライトの必死な顔。 そして、その顔を、軽蔑した目で見ていた自分自身。

(フラッシュバック終わり)

サンセットは、両手で顔を覆った。

Sunset Shimmer

…こんなひどい人間だったなんて…私、どうしてみんなと友達になれたの…?

彼女は、あまりの衝撃に、身体が震えるのを感じていた。その時、トワイライトが優しくサンセットを抱きしめた。

Twilight Sparkle

思い出して。あの時、君は友情の魔法の力で、私たちに謝ってくれた。そして、君は自分の過ちを認め、やり直そうと決意したのよ。私たちは、その君の勇気を信じた。だから...

君は変われたの。私たちが君を信じたから。

その言葉に、サンセットは涙を流した。自分がどれだけひどい人間だったか、そして、それでもなお、自分を信じてくれた友人たちの存在を思い出したのだ。

Sunset Shimmer

…私…本当の私を…見つけたわ…。

サンセットは、過去の自分と現在の自分のギャップに苦しんでいた。しかし、トワイライトの言葉によって、その二つの自分が、「友情の魔法」によって繋がっていることを理解した。そして、その友情こそが、この事件を解決するための、最も強力な鍵であることを悟るのだった。

(警察庁サイバー犯罪対策室)

アオキ・ソラとナカムラ・タロウは、サンセットの病院から戻り、緊急の報告会を開いていた。部屋の中には、上層部の刑事たちが集まっていた。

ナカムラ・タロウ

…以上が、被害者のサンセット・シマーが体験したフラッシュバックと、我々が解析した犯人からのメッセージの関連性です。犯人は、単に交通システムを狙っているのではなく、彼女の記憶、そして友情の魔法を破壊することが真の目的だと考えられます。

一人のベテラン刑事が、信じられないといった表情で口を開いた。

ベテラン刑事

友情の魔法…?馬鹿な。そんな非科学的なものが、サイバーテロと何の関係があるというのだ?君たちは疲れている。妄想もいい加減にしろ。

その言葉に、アオキ・ソラは静かに反論した。

アオキ・ソラ

いいえ、これは妄想ではありません。犯人は、我々の捜査網を嘲笑うかのように、常にサンセットの記憶とリンクするヒントを送りつけてきます。そして、彼女のフラッシュバックは、政府が発表した**『スパーク』現象**と完全に一致しています。犯人は、サンセットの精神的な動揺を誘い、友情の魔法を無力化しようと企んでいる。我々が信じるかどうかにかかわらず、これが真実なのです。

タロウもそれに続いた。

ナカムラ・タロウ

さらに、サンセットの過去の調査を徹底的に行ったところ、彼女が過去に起こした事件も、すべて友情の魔法に関わるものだったことが判明しました。犯人は、その事実を熟知している。そして、彼女が最も深い罪悪感を抱く**『過去の傲慢な自分』**と向き合わせることで、友情の魔法の根幹を揺るがそうとしているのです。

部屋の空気が一変した。ベテラン刑事は言葉を失い、深く考え込む。彼らは、目の前の若手捜査官が語る、SFのような話の真実に、ようやく向き合わざるを得なくなった。

ベテラン刑事

…信じがたいが、君たちの言う通り、全ての情報がその一点に集約されている。よし…わかった。これより、我々は**『友情の魔法』**という未曾有の事態を、真剣に捜査する。全捜査員に告げる。サンセット・シマーの記憶のフラッシュバックを最優先事項として、あらゆる情報を収集しろ。彼女の記憶こそが、この事件の真犯人を特定する唯一の鍵だ。

警察庁は、非科学的な事象が絡む前代未聞のサイバーテロに対し、これまでの常識を捨て、新たな捜査方針を立てることを決意した。そして、彼らの次の行動は、サンセットの記憶の断片を、一つ一つ集めることだった。

EAS緊急警報シナリオ (警察庁広報)

(テレビやラジオの音声が自動的に切り替わり、厳格な緊急警報の電子音が鳴り響く。画面には「緊急警報」のテロップと共に、警察庁のロゴが表示される。)

警察庁 広報担当官: 「こちらは、警察庁です。国民の皆様へ緊急のお知らせです。 本日、友情の魔法を悪用したサイバーテロの犯人から、新たなメッセージが送られてきました。 犯人は、『友情の欠片』と称する、いくつかの電子データを、国内の複数の地点に分散させています。このデータは、特定の条件下で『スパーク』現象を発生させ、広範囲の電子機器に影響を及ぼす可能性があります。 この事態を受け、警察庁は以下の対応を要請します。 本日午後3時より、蒲郡市内の全ての学校、公共施設、および交通機関における無線通信(Wi-Fi、Bluetooth等)を一時的に遮断します。 国民の皆様には、この『友情の欠片』と呼ばれるデータに接触しないよう、不審な電子機器やデータに近づかないでください。 このテロは、個人の記憶と友情を人質に取った、前例のないものです。しかし、我々は友情の魔法が、この危機を乗り越えるための鍵であると信じています。 私たちは、被害者のサンセット・シマーさんと連携し、この事件の解決に全力を尽くします。 冷静な行動と、今後の情報に注意を払うよう、心からお願い申し上げます。 この放送は、これにて終了します。」

Jアラート(全国瞬時警報システム)発表 周辺安全保護

(けたたましいサイレンが鳴り響く。スマートフォンの緊急速報が、耳をつんざくような音で鳴り続ける。テレビ、ラジオ、そして街中のスピーカーから、厳格な音声ガイダンスが流れる。)

音声ガイダンス: 「緊急警報、緊急警報。これは、ミサイル、テロ、その他国民保護に関する情報ではありません。 先ほど発令された、蒲郡市を標的とした特殊なサイバーテロに関連する、追加情報をお知らせします。 現在、犯人から送られた**『友情の欠片』**と呼ばれる電子データが、蒲郡市内の複数の公共施設、交通機関、および学校周辺に分散して存在していることが確認されました。 このデータは、特定の条件下で**『スパーク』現象**を引き起こし、周辺の電子機器を破壊するだけでなく、人体に未知の影響を及ぼす可能性があります。 つきましては、蒲郡市および近隣にお住まいの方、ならびに通勤・通学中の方は、以下の行動を直ちに実行してください。 1. 直ちに、安全な屋内へ避難し、窓から離れてください。 2. 公共のWi-FiやBluetoothなど、無線通信の利用を直ちに停止してください。 3. 不審な電子機器や、見慣れないQRコード、USBメモリなどには絶対に触れないでください。 4. 警察官および消防隊員の指示に速やかに従ってください。 皆様の安全確保が最優先です。混乱を避け、冷静に行動してください。 今後の情報に注意し、政府および警察庁からの指示に従ってください。 この放送は、これにて終了します。」

(蒲郡市立図書館)

Jアラートの警報が鳴り響く中、蒲郡市立図書館の職員が、慌ただしく利用者を避難させていた。その混乱の片隅で、ナカムラ・タロウとアオキ・ソラは、犯人からの新たなメッセージの解析結果を話し合っていた。

アオキ・ソラ

タロウ、犯人が仕掛けた『友情の欠片』はどこにあるんだ?

ソラの問いに、タロウはタブレット端末の画面を指差した。そこには、蒲郡市内の地図上に、いくつかの赤い点が点滅していた。

ナカムラ・タロウ

犯人からのメッセージに隠されていた情報を解析した結果、**『友情の欠片』**は、蒲郡市内の特定の場所に分散して配置されていることがわかった。だが…

アオキ・ソラ

だが、なんだ?

ナカムラ・タロウ

これらの場所は、どれもランダムじゃない。全て...

サンセット・シマーが記憶を失う前、友人たちと特別な時間を過ごした場所だ。

ナカムラ・タロウ

ここ、図書館もそうだ。

ソラは、タロウの言葉に驚き、周囲を見回した。図書館の書架、読書スペース、そして窓から見える中庭…。サンセットたちが、友情を育んだ思い出の場所だった。

ナカムラ・タロウ

犯人は、サンセットの記憶とリンクする場所を選んだ。そして、それぞれの場所に、彼女の記憶を揺さぶるための『友情の欠片』を仕掛けたんだ。図書館にいるのは、**『知識』と『学び』**の欠片。そして…

タロウは、タブレットの画面をスクロールした。そこには、次の場所が表示されていた。

蒲郡高校の屋上: そこには、友情の力で魔法を使い、過去の過ちを乗り越えた、サンセットにとって最も大切な場所だ。ここには、**『再生』と『変化』**の欠片がある。 竹島水族館: サンセットとフラッターシャイが、動物たちと心を通わせ、友情を深めた場所。ここには、**『優しさ』と『共感』**の欠片がある。 竹島橋: 友情の魔法が、二つの世界を結びつけた、象徴的な場所。ここには、**『繋がり』と『希望』**の欠片がある。

ナカムラ・タロウ

犯人は、サンセットの記憶を一つ一つ破壊することで、友情の魔法を完全に無効化しようとしている。そして、『友情の欠片』を全て集めると、何かが起こる。それが、このゲームの目的だ。

ソラは、事態の深刻さを改めて痛感した。彼らは、犯人の狙いを阻止するために、サンセットの記憶を頼りに、『友情の欠片』を一つずつ回収していく必要があった。この戦いは、時間との戦いであり、そしてサンセットの心との戦いだった。

(蒲郡高校の屋上)

警察庁からの緊急警報が鳴り響く中、トワイライトたちはサンセットを連れて、蒲郡高校の屋上へと急いでいた。アオキ・ソラからの情報で、犯人が仕掛けた最初の**『友情の欠片』**がここにあると知ったからだ。屋上へと続く扉を開けると、そこは誰もいない静寂に包まれていた。

Twilight Sparkle

ここよ、サンセット。君が友情の魔法に目覚めた、大切な場所。

サンセットは、屋上のフェンスに手を置き、遠くに見える三河湾の景色を眺めた。その時、彼女の頭の中に、再び過去の記憶がフラッシュバックする。それは、昔の傲慢だった自分が、友情の力で改心し、虹色の光を放ちながら空に浮かび上がる映像だった。

【フラッシュバック】

Sunset Shimmer

私が、友情を…信じるだなんて…!

サンセットは、自分の過ちを認め、トワイライトたちに心から謝罪する。その時、彼女の額から光が放たれ、友情の魔法のシンボルが浮かび上がる。

(フラッシュバック終わり)

その記憶が鮮明になった瞬間、屋上の隅に隠されていた小型の電子デバイスが、突然まばゆい光を放ち始めた。それが、犯人が仕掛けた『再生』と『変化』の欠片だった。

アオキ・ソラ

見つけたぞ!あれが『友情の欠片』だ!

ソラが叫ぶと、トワイライトは急いで駆け寄り、そのデバイスを手に取った。すると、デバイスは光を放ち、その光はサンセットへと吸い込まれていった。サンセットの瞳が、虹色に輝き始める。

Sunset Shimmer

…私…思い出したわ!あの時、私は…本当に生まれ変わったんだ!

彼女の顔に、希望の光が戻ってきた。しかし、まだ完全に記憶が戻ったわけではない。彼女は、まだ他の『友情の欠片』を探す必要がある。

Twilight Sparkle

次よ!次は、竹島水族館!行こう、サンセット!

Sunset Shimmer

ええ!

トワイライトたちは、サンセットの記憶の光を頼りに、次の目的地へと向かう。

(竹島水族館)

水槽の前で、サンセットはフラッターシャイと対峙していた。目の前には、楽しそうに泳ぐタツノオトシゴの群れがいる。

Fluttershy

サンセットはね、この子たちに、優しく話しかけてあげたの。そしたら、みんな…サンセットの周りに集まってきて…

フラッターシャイの優しい声に、サンセットは再びフラッシュバックを経験する。それは、自分とフラッターシャイが、動物たちと心を通わせる、温かい記憶だった。

【フラッシュバック】

Sunset Shimmer

君たち、本当に可愛いね…。

サンセットは、水槽に手を当て、タツノオトシゴに優しく語りかける。すると、小さなタツノオトシゴが、彼女の指先にまとわりつき、まるで彼女の心に応えるかのように泳ぎ始める。その光景を、フラッターシャイは感動の涙を流しながら見ていた。

(フラッシュバック終わり)

その記憶が戻った瞬間、水槽の裏に隠されていたデバイスが光を放った。それは、『優しさ』と『共感』の欠片だった。その光もまた、サンセットに吸い込まれていく。

(竹島橋)

夕暮れの竹島橋に、トワイライトたちは立っていた。サンセットの記憶は、ほとんどの部分が戻っていた。

Twilight Sparkle

ここは、私たちが初めて、友情の魔法の力で、二つの世界を繋げた場所よ。

トワイライトの言葉に、サンセットは最後のフラッシュバックを経験する。それは、友情の魔法が、ポニーの世界と人間界を結びつけ、そして、二つの世界に平和をもたらした記憶だった。

【フラッシュバック】

サンセット、そしてイエスタ・ガールズの友情の魔法の光が、竹島橋を包み込む。その光は、空へと昇り、二つの世界を結ぶ虹の架け橋となった。

(フラッシュバック終わり)

Sunset Shimmer

…全部…全部思い出したわ…!

サンセットは、すべての記憶を取り戻した。過去の傲慢な自分も、友情の魔法を理解した新しい自分も、そして友人たちとの楽しかった日々も。彼女の顔には、希望と、強い決意の光が満ち溢れていた。

アオキ・ソラ

全ての『友情の欠片』が集まった…。これで、犯人の目的が…

その時、ソラのスマートフォンの画面が突然、赤く点滅し始めた。

ナカムラ・タロウ

ソラ!まずい!蒲郡市内の全ての交通システムが…暴走を始めた!

犯人は、サンセットの記憶を取り戻すためのゲームに、最初から勝つ気がなかった。彼らの真の目的は、サンセットが『友情の欠片』を集めた瞬間に、その魔法のエネルギーを悪用し、全てのシステムを破壊することだったのだ。 物語は、最終決戦へと突入する。

Equestria Girls: 私達を忘れられない交通事故 -記憶喪失-

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