月オリ。　短編集

スイ様！ ご誕生おめでとうございます！

色とりどりに飾られた豪華な部屋に 沢山の祝いの声と拍手が響く

スイ様？

どうされました？

今日はスイ様のご誕生日で… …まさか、こちらのケーキご嫌いでしたかｯ…！？

スイ？何をしているの？

声がした方に顔を向けると ぼくと同じ瞳をした女性が居た。

…！ふふっ、笑 私の"息子"はこんな冗談を 吐く子だったかしら？笑

姉さん？ …貴方には姉などいないけれど、

…はぁ？

声が変わった。 脳に響くような低い声。 圧を感じる。

あんな出来損ないメイドが どうしたのよ あんな奴は地下で…

ちょっとスイ…！

やめろ…！！近付くんじゃねぇ！！

奥の方から拒絶するような 声が聞こえる

奥にいたのは姉さん…

と化物だった。

姉さんだけど…姉さんじゃない… じゃあ、本物の姉さんは？ いつもの優しくて 暖かい姉さんは…？

考え事をしていたら目の前には化物が 今にもぼくを襲おうとしていた。

バンッ！！

銃声と共に化物の苦しむような声が聞こえた。

言葉に気持ちが籠っていない。 だけど、

この撫でてくれる手には いつもの姉さんの暖かさを感じた

グラグラっ…

グラグラっ……！！

揺れが大きくなったと同時に 頭に衝撃が走った…