私は園田ひなき

動物病院で働いている

１週間には何日か ｢夜勤｣ というのがあって

よるの病院を見回り

動物たちがちゃんと寝ているか

チェックをするんです

電気はつけないので

懐中電灯の光だけ これ怖いんです でも…

これがもっと怖いことになるなんて 夢にも思いませんでした

ｶﾞｻｶﾞｻ

ｺｿｺｿ

耳をすましてみた

ｺｿｺｿ

ｺﾞｿｯ

カタン！！

あまりに夢中で

ボードを落としてしまいました！！

タッタッタッ

行き止まりだった

みんなケージに戻っていった

私の夜勤中におきた不思議な出来事

私は犬の言った通り

このことを誰にも言わずに

ずっと隠していた。

それから30年がたち

私はお婆ちゃんになった

私はあのことを1日も忘れたことはなかった

いつもあのことを考えていた

私はおもいきって孫に話してみることにした

30年も経っているんだし

もう平気だと思ったから

あのことの最初から最後まで

詳しく教えた

へやには私一人になった

そこに…

あのときの犬が

宙に浮いていた

とても怖い顔で

強く願った

次の瞬間，私の体が熱くなった

………

………

しばらくして。

私は……気づいたら…

私の顔は地面から30センチ位のとことにあり

からだはふさふさして

手には肉球がついていた

私は

犬になっていたのです

ワン！！

言わなければ良かった…

後悔してもしきれません

もう最悪……

でも自分のやったことだ

自分のせい 自分の…

時間は戻せない

ただただ時間が過ぎていく

そんな毎日

もう何も出来ない

誰か……

誰か 助けて