そろそろもうクリスマス
もう街はツリーや ライトアップでキラキラと光り輝いている
俺
...もうすぐクリスマスか
空気が冷たく氷のように肌に触れる
俺
...彼女にもなにかあげなきゃな
俺
でも、金が...なぁ
俺は路上ライブで稼いでおり 貧乏で金がなく、
プレゼントなど買えるかどうか。。
俺
あ、そうだ。
クリスマス当日
外は凍えるような寒さのはずなのに
なぜだか俺は気持ちも体も
ぽかぽかと温まっていた
彼女
...おじゃまします
ガチャリと音がし、 振り向くとそこには
マフラーに手袋ダッフルコートという
とても暖かそうな服装で
顔を少し紅潮させながら
リビングへと近づく
彼女
メリークリスマス...!
彼女は俺を見た瞬間に
先程まで凍りついたような表情が
一瞬にして全て溶けてしまったかのように
ぱぁっと輝く笑顔を見せる
俺
いらっしゃい
それに対し、俺も笑顔で応える
彼女
あら、プレゼントでもあるの?
ニヤリと悪戯っぽく笑う
俺
ご存知の通り
俺
俺には金がない......
俺
だがっ...!
俺
歌がある。
彼女
歌...?
俺
あぁ、
彼女とは路上ライブで出会った
他の俺の前を通る通行人は
冷たい視線をただ送るだけで
俺の声は虚しく 誰の耳にも届いてはいなかった
けれど彼女は俺の前に立ち止まり
最後には拍手をしてくれた。
彼女
素晴らしかったです
たった1人でも俺の声が届き 拍手してくれた事実が嬉しく
通行人の冷たい視線など気に留まらなかった
その日から彼女との 交際が始まった。
俺
俺は、みんなのように
俺
綺麗なネックレスも
俺
指輪も
俺
プレゼント出来ないけれど
俺
君のためだけに『歌』なら作れる
俺
聞いてくれ。
彼女
はい!
彼女は少し涙目になりながら
笑顔で頷いた
???
メリークリスマス
???
素敵な夜になりますように。
???
最高のプレゼントを