テラーノベル
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バシャっと音がして、頭に冷たい液体が降りかかる。驚いて目を見開くと、俺の大事な姫が目を吊り上げて何か叫んでいて。床に無惨な姿になって散らばったガラスの破片を見て、姫にお酒をかけられたのだと遅れて気づく。
「私だけって言ったのに!!」
そうやって何度も甲高い声で喚く姫を一瞬冷めた目で見て、すぐにいつもの笑顔を作る。危ない、まだ仕事中だった。
「ごめんなぁ」
それが何に対しての謝罪なのかなんて分からないけど、ここは一度謝った方が良いと判断した。そして思惑通り姫は少し落ち着いて、それから肩を震わせて俯いた。床にぽたりと落ちた水滴を見て泣いているんだなと他人事みたいに思った。
しばらくして、黒服さん達が慌ただしくこちらに来た。そして零れたお酒やら割れたグラスやらを片付けた。最後にはお酒でベトベトの俺にもう今日は帰っても良いと伝えて、お店の裏の方へ消えていった。
まあ、それもそうだ。俺の服や髪はベトベトでこのままじゃ仕事なんて出来ない。だからお言葉に甘えて今日は帰ることにした。
♢ ♢ ♢
「ただいまぁ」
「湊! おかえり、早かったじゃん」
「ん、色々あってね」
家に帰ると俺の大好きな恋人のローレンが笑顔で出迎えてくれた。ローレンは俺の顔をしばらくの間、凝視して目を見開いた。
「え、酒まみれマ!?」
「そーなんよ。ちょっとやらかしたんすわ」
「風邪ひく前にシャワー浴びておいで」
「まあ、一旦シャワーか」
ローレンの言う通りにまずはシャワーを浴びるかと、浴室に向かう。お酒のせいで服が肌に引っ付いて脱ぎづらいが、まあ仕方ないか。
ローレンは俺のパジャマ的なものを探しに寝室のクローゼットの方に行っている。おそらく俺がシャワーを浴びている間に置いといてくれるのだろう。
浴室に入り、蛇口を捻るとシャワーの水が絶え間なく俺を濡らす。まだ少し冷たいシャワーの水で身体にかかったお酒を丁寧に流していく。
そういえば、どうしてお酒をかけられたんだっけ。しばらく考えて、ふと思い出した。
確か、今日の姫は独占欲が強めの子だったんだ。でもシャンパンいっぱい入れてくれるから今まで見逃してたんだけど、今日のは流石に出禁かもしれない。
こうならないようにいつも最初に、俺にはたくさんの姫がいるから誰か一人を特別にはできないよって言ってたのに。俺の話ちゃんと聞いてくれなかったんだ。
少し悲しいけど、まあ仕方ない。色々考えている間にシャンプーやトリートメントを終わらせて、浴室を後にする。
予想通りローレンは俺のパジャマを用意してくれていて、俺は後でありがとうって言わないとな、と思いながらパジャマに袖を通した。
寝室に向かうと、既にローレンが横になっていて、俺は小さく呼びかけた。
「ろれ、シャワー浴びてきた」
「おー。⋯湊、こっちおいで」
ローレンは自分が寝ている横の辺りを軽く叩いて、ここだと知らせる。ローレンの言う通りにローレンの横に寝そべると、ローレンは俺をぎゅうっと抱きしめた。
「湊、お疲れ様。疲れたっしょ?」
「んー、そやね。疲れたぁ」
ローレンは俺を労わるように優しく頭を撫でた。そして、ローレンはとびきり優しい声で俺に聞いた、
「なんかして欲しいことある?湊のためならどんな事でもやるよ?」
なんでも。そう言われると意外と難しい。だから、俺はローレンにお願いした。
「ん〜、じゃあ俺の身体、全部ローレン専用にしてくれる?」
「それって、どういう」
「だから、顔を見なくてもローレンだって形で分かるように躾て欲しいの♡」
「っ、それはエロすぎるでしょ。普通に」
NEXT♡1000以上
多分そんなに♡付かないと思うけど、一回こういうのやってみたかった。まあ、続きを書くとしたらそりゃあどエロいやつになるよ。今回は流石に短いうえに適当すぎたから、まあ次は3000文字から5000文字くらいを期待しといて欲しい。
コメントとかいっぱい貰えたら嬉しいです。というかください。それじゃあまたいつか。
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