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「皆さんこんばんは!いい夜をお過ごしでしょうか?」
配信中の文字が映ったモニターの前で、滑落という男が、ベラベラとしゃべり始めた。
「今回紹介するのはこちら!ででん」
No.2新-奴隷マスク
滑落は、ゴツい黒のマスクを、ゴーグルのように額に着けた。
「これも前回同様、旧型を改良に改良を重ね、完成させた優れものだ!旧型は効果が強すぎて意識が無くなってしまったけど、今回は多分大丈夫だ!」
奴隷マスクは、着けた者の判断力を劣らせる事で効果を発揮するというもの。
しかし、旧型はその性能があまりにも強かったため、試用した滑落は意識不明の重体となってしまった。
「さすがに誰かに着けてもらうのは危険すぎるから、今回も僕が着けることにするよ。じゃあ、行ってみよう!」
滑落は、マクスを口元まで下ろし、深く息を吸った。
そして効果が出始めるまで待った。
「んー、あれ?おかしいな」
着け始めてから十五分が経過した。
失敗したかと思った途端、効果が出始めた。
「何かすっごい暑い。体温測ってみるか」
ペン立てから体温計を取り出すと、シャツに手を突っ込み、脇に挟んだ。
音が鳴って、数字を見ると、三十八度を示していた。
「三十八度か。どうりで熱っぽいわけだ」
暑さに耐えられなくなった滑落は、白衣とグレーのインナーを脱いだ。
「なんか調子悪いから配信切る。またな」
翌日になっても熱が下がらず、病院へ行くと、インフルエンザと診断された。
「なんだよ、また失敗か。何か入れ忘れたか?」
続く