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お姉ちゃんが起きない。
冷たい、動かない。息もとまっ
雫「いや、冗談やめてよ、お姉ちゃん!
怒るよ!!」
起きない。
いつも怒ったら謝ってくるのに。
雫「やめてよ…やめて…起きてよ、ねぇ
ひとりにしないでよ……」
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部屋が広くなった。
骨壷がふたつになった。
毎日のようにそれらを眺めては、
この現実は幻想なんじゃないかと思ってる。
ひとりの暮しはほんとうに静かで、
寂しくて、辛くて……
でもガスメーターを見ては
「減ってないな」ってひとりを実感して、
ガス代も減ってるなとか考える自分がいて。
私は暮し続けている。
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お姉ちゃんのヘソクリを見に行った時、
それを見つけた。
写真。撮ろうよって言われたときの何枚か。
雫「ここに隠してたんだ…」
あぁ、お姉ちゃんが写真を撮りたがった理由がやっと分かった。
私が寂しくないようにか。でも、
雫「もっとさみしいよ…」
これは、お姉ちゃんがいない証拠だよ。
涙が出そうだった から
ベランダに出た
手に持った何枚かの写真を 空目がけて
ばら撒いた。
多分、私は地面に落ちた写真を取りに行く。
私の暮しは続いてゆくから。
『暮しは続いてゆく。』おわり