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※主が書きたいと思ったものを書いてるものです。

※少し命物語のネタバレあるかもです。


______悪夢を見た。

怖い悪夢だった。

目の前が真っ暗だった。

だが、すぐにぼんやりと明るくなる。

目の前には、仲間達が居た。

だが、直ぐに『消えてしまった』……。

「待ってくれ……!」

オレはすぐそうやって言ったが、本当に消えてしまった。

また真っ黒な中でオレは突っ立っていた。

また、目の前が少し明るくなった。

そこには、『親友』が居た。

幼少期からの親友だった。

此方を見ていたが、やがてオレに背中を見せて歩き出した。

「……!待って……!」

オレはそれを言って走るが、追いつけなかった。

と言うよりは、届かなかった。

走っても走っても、歩いている親友には近づけなかった。

「なぁ、待ってくれよ!」

だが、彼は足を止めることはなかった。

どんどん離れていく。

追いつけないことに、寂しさを覚えた。

気がつけば、ぽろぽろと泣き出す。

「待ってくれ、ウラヌス______!」

やがて、ウラヌスは、ゆっくりと消えていった。

オレは絶望と悲哀の感情がごちゃごちゃになったような気持ちになった。

「……どうして……」

涙が自分の服に落ちて染みる。

親友に捨てられた

そんな気持ちになってしまった。

オレは何か悪い事でもしたのだろうか。

オレが何か気に触る事でもしたのだろうか。

オレは……。


「_______す……」

誰かの声がする。

いつも聞くような声だった。

「______レグルス」

ようやく名前が呼ばれて、オレは目を覚ました。

それと同時に涙もぽろりと流れる。

横を見ると、ウラヌスがいつもと変わらない無表情でオレの方を見ていた。

「……レグルス。唸ってたけど……」

ウラヌスはオレの方を向きながら、小さく呟いた。

______あぁ、『』だったんだ。

その時、あれが『』だと認識出来た。

だが、嫌われてないか不安だった。

夢の中で待ってと告げても、足を止めなかったのだから、嫌われてないか、避けてないか、その気持ちが大きくなった。

「……?レグルス?」

ウラヌスはきょとんとしたような目を向けていた。

「ん?どうしたんだ?」

「……泣いてる、けど……」

「え?」

オレはすぐに自分の目を擦ってみた。

手に水みたいなのがついた。

(あ……泣いてたのか……)

言われるまで分からなかった。

「……大丈夫?」

ウラヌスは小首を傾げながらオレを見る。

その態度から、嫌われてないということが分かった。

ウラヌスは、他人に興味を持たない。

興味がないから話しかけず、話も聞かない。

だが今は、オレの話を聞いてくれて、自分から話しかけてくれた。

一気に安心感が体を襲った。

ぽろぽろとまた泣き出すオレに、ウラヌスは静かに見守っていた。

そして、ウラヌスはオレの頭に手を置き、優しく撫でた。

オレはその行動に驚いたが、すぐに受け止め、涙ぐみながらも笑みを漏らした。

「おう、お前のおかげで、大丈夫だぜ。……ありがとな、ウラヌス」

ウラヌスは撫でる手をやめてゆっくりとオレの頭から離す。

オレの方を見て、こくっと頷くのみだった。

(……良かった。)

ただこの気持ちが、この日の一番の幸せだった。


終わり。

(次回に全く続きません。注意。)


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