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あれから――三ヶ月半。
すちとみことは、誰にも言わずに付き合っていた。
学校では今まで通り。
みんなと一緒にいるときも、できるだけ普通に。
でも、二人きりになると少しだけ違った。
みこと「すっちー」
すち「ん?」
みこと「今日、帰り一緒に帰ろ」
すち「……うん」
そんな小さな約束を重ねながら、二人は静かに付き合っていた。
一方、そのことを知らない四人は――
らん「なあ」
いるま「ん?」
らん「そろそろ、すちとみこと付き合っててもおかしくないと思わない?」
こさめ「思う!」
なつ「あれで付き合ってないとか難易度ハードじゃねぇの?」
いるま「まあ、二人とも鈍感だからな」
らん「じゃあ、まだ俺等が頑張らないと!」
こさめ「おー!」
なつ「また何すんだよ……」
いるま「お前も参加な」
なつ「……はいはい」
こうして四人は、三ヶ月半もの間、ずっと二人をくっつけようとしていた。
ある日は――
らん「今日、二人で帰ってきなよ!」
みこと「いいの?」
らん「もちろん!」
すち「……ありがとう」
また別の日。
こさめ「みこちゃん、すっちーの隣座りなよ」
みこと「いいの?」
こさめ「いいよぉ」
すち「……」
そしてまた別の日。
なつ「すち、みことと一緒に行ってこいよ」
すち「え?」
なつ「いいから」
みこと「じゃあ行こっか、すっちー」
すち「……うん」
そのたびに――
四人は陰で喜んでいた。
らん「今のいい感じだった!」
こさめ「二人とも距離近かったねぇ」
なつ「これ、もうそろそろじゃね?」
いるま「そろそろならいいな」
四人は知らなかった。
その作戦のほとんどが――
すでに付き合っている二人にとって、ただの「ありがたい援護」になっていたことを。
そして、三ヶ月半後。
その日は六人で出かけることになった。
らん「今日はどこ行く?」
こさめ「こさ、あっち行きたい!」
なつ「またそっちかよ」
いるま「お前ら、決めるの遅ぇ」
みこと「すっちー、どこ行きたい?」
すち「俺? ……どこでもいいよ」
みこと「じゃあ俺の行きたいところ行こ」
すち「うん」
そのやり取りを見て、らんが笑う。
らん「最近、みこととすち仲いいよなぁ」
こさめ「前からだけどねぇ」
いるま「まあ、最近特にじゃねぇか?」
なつ「確かに」
みことは、すちの近くを歩いている。
すちも、それを嫌がる様子はない。
むしろ――
みこと「すっちー、こっち」
すち「うん」
自然についていく。
こさめは二人を見ながら、にやっと笑った。
こさめ「なんかさぁ」
みこと「ん?」
こさめ「二人って、付き合ってるみたい」
一瞬。
すちの動きが止まった。
らん「こさめ、また言ってる」
なつ「絶対からかってんだろ」
いるま「まあ、似たようなもんだろ」
すると――
みこと「うん!」
四人「……え?」
みこと「付き合ってるよ!」
四人「えぇぇぇぇぇ!!??」
すち「……」
らん「え、待って」
いるま「は?」
なつ「ちょっと待て」
こさめ「え!?」
みこと「だから、俺とすっちー付き合ってる」
らん「いつから!?」
みこと「三ヶ月半くらい前」
四人「三ヶ月半!?」
なつ「お前ら、そんな前から!?」
みこと「うん」
いるま「……」
こさめ「……」
らん「……」
三人が固まる。
そして――
らん「俺等の努力〜!!!!」
こさめ「こさたち、ずっと頑張ってたのに!!」
なつ「帰り道一緒にさせたり!」
いるま「席までくっつけようとしたり!」
らん「二人きりにしたり!!」
こさめ「いっぱい作戦考えたのに!!」
みこと「え、そうだったの?」
いるま「お前らが付き合ってるって知らなかったからな!!」
みこと「そうなんだ……」
すち「……ごめん」
らん「すちは悪くない!」
こさめ「そうだよ!」
なつ「むしろ、なんで言わなかったんだよ……」
すち「……なんとなく」
いるま「なんとなくかよ」
みこと「でも、みんなのおかげでもあるよ」
四人「え?」
みこと「だって、みんなが二人きりにしてくれたり、話すきっかけ作ってくれたりしたじゃん」
すち「……うん」
すち「俺も、みんながいてくれたから、みこちゃんとちゃんと話せたと思う」
らん「……」
こさめ「……」
なつ「……」
いるま「……」
すち「だから――」
すち「みんなが頑張ってくれたことも、無駄じゃないよ」
四人は顔を見合わせる。
らん「……じゃあ」
こさめ「こさたちの努力……」
なつ「無駄じゃなかった?」
すち「うん」
みこと「俺もそう思う」
らん「……よし!!」
らんが拳を握る。
らん「じゃあ許す!」
いるま「お前、何様だよ」
こさめ「でも、ちょっと嬉しいかも」
なつ「まあ……確かに」
いるま「……ったく」
みこと「これからもよろしくね」
すち「……うん」
四人は呆れながらも笑った。
三ヶ月半。
誰にも言わずに続けてきた二人の関係は――
こうして、ようやく四人に知られることになった。
そして四人はまだ知らない。
これから、二人をからかう日々が始まることを。
コメント
1件
わあ、ついにバレた!三ヶ月半も隠し通した二人の関係が、まさかの「みんながくっつけようとしてた」っていう構図、めっちゃ面白かったです(笑)。四人の「俺等の努力〜!!」って叫びに笑いつつ、すちの「無駄じゃないよ」って優しいフォローにじんとしました。これから四人にからかわれる二人の日常、もっと読みたいです!