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世界線/ワンパンマンアニメ視聴のみ,
多分設定の抜けあります。
地雷になりうる設定↓
・オリキャラ二人
・主人公自我強い
・最強匂わせあり
・不穏
・血の表現あり
・主人公女
話(夢小説)のネタバレあり↓
・救いなし
「報いの話」
______
人は。生まれながらの環境を苦痛と思えど、
おかしいとは思わない。
序章- 沈黙の空を眺めた。 -
「Z市にレベル竜の怪人が発生!直ちにA級以上のヒーローを!」
「被害が加速しています!」
「近くにいるヒーローは?!」
「現在出動可能ヒーローは
S級ヒーロー、ジェノスです!」
「同行者。
B級ヒーロー、ハゲマント?も出動可能です!」
「早く向かわせるんだ!」
「……くっ、こんな時に!
何をしているのですか!アズさん!!」
___
一斉に視線が集まる。
そこには腕を組んだ高身長の女。
目は切長、黒い髪は緩くまとめられている。
「……。」
女は司令室を見下げる。
「アズさん!指示をください!
貴方はブレーンでしょう!」
「……。Z市は捨てる。」
「なっ、!仕事の激務で
頭でも可笑しくなりましたか?!」
男は乗り出す。
「ヒーロー協会は市民の人々を守るためにあるのですよ!」
女はため息をついた。
「……市民と土地を同じにするな。痴れ者が。」
「は……、」
女は鼻で笑った。
「Z市は既に二度も大きな被害が出ている。それだけでない、人間の変異から成る怪人発生数。レベル虎以下の発生率も異常だ。」
「ですが……!」
「市民を助ける手段だ。
それ以上でも、以下でもない。」
男は下を向いた。
「……。分かりました。
市民の避難を最前に、!Z市を包囲しろ!」
女は司令室を去る。
___
「…ッち、なにがブレーンだ。」
「やめとけ、聞かれたらどうする。」
「あ?ただの事務員だろ。」
「アホか。肩書きはヒーローだ。」
「はっ、肩書きはだ。戦えない命令主義者だ。」
「…いつか痛い目を見るぞ?
一応上部はあの人を気に入っているからな。」
「けっ、尻軽女が」
冷静な男が手に持つボードの紙に
目を落とした。
___
ヒーロー名簿非記載項目
名前 アズ
生年月日 1999年 不明 月 不明 日
初期登録 2006年 6月6日
最新健康状態
身長186cm
体重77kg
1500m走:4,06
反復横跳び:43
握力:28,26
上体起こし:20
長座体前屈:48
ヒーロー情報
ヒーローネーム アズ
階級 B
___
「あまり突っかからない事だな。」
「はいはい、分かったよ」
「……。」
第一章- 効率的な尻軽女。 -
人は。他人を信じなくなっても、
自分を信じない事ができない。
いつだって自分は可愛い子供だから。
煙草で口を甘やかす。
咥えたまま独り呟いた。
「平和にならんかねぇ、この世界。」
頬杖をつく。
「…。尻軽女…ねぇ。」
自身の名札を遊ばせる。
上部にしっぽを振ったこともない。
市民を見捨てたこともない。
ただ、効率を重視しすぎただけ。
ぶーぶーっぶー
携帯が揺れる。
「……。」
女は億劫そうに口を開いた。
「要件は。」
震えた女の声が聞こえる。
「さ、先程の災害は対処完了です。
今後のZ市について、午後に会議があります。そ、その、必ず出席するようにと…。」
「…分かった。」
___
会議までの時間、Z市に出向いた。
人の気配、今では怪人の気配すら無かった。
しゃがみこみ、
道に散乱する瓦礫に手を触れた。
「…。」
重いコートが地面に擦れる。
ありもしない、情景が再生される。
逃げ惑う人々、瓦礫につまずく子供。
血を流すヒーロー。
私に優れたところはないけれど。
人の悲観だけには酷く敏感だった。
他者は理解できないけれど。
理解しようとしないけど。
私は独り荒れ果てた地で頬を暖かくした。
顔を伏せて暗くする。
誰も見ない顔を。
___
後ろの刺客に気づきながら。
ドンっ_。
「やっと人間を追い出したのにまだ残っていたか。」
女は鈍器で頭を殴られた。
血が流れている。
地面に横たわっている。
「挨拶はなしだ。死んでくれ。」
怪人が手を振りかざす瞬間、
女は空に顔を向け、
手袋をはめようとしていた。
「あ?何をして_」
女は起き上がり怪人の目の前に立った。
ドンッ_
「っかハッ」
「初めまして下等生物。
私はヒーロー協会所属の尻軽女だ。」
黒い手袋をはめ、
トンカチを持った女
「っ_。尻軽女が!!」
怪人が襲いかかる。
「名前を呼んでくれてありがとう。
残念だが、会議に間に合いそうにない。
失礼するよ。」
ガンッ_。
「ぁ…ぅッ……」
女は手袋を外し、本部へと戻る。
___
第二章-時間の過小評価。-
人は。他人を正そうとする。
もちろん。自分の正義で。
「遅い!遅刻だ遅刻!」
「落ち着きたまえ、元々そういう女だ。」
一人の怒号が響く。
「失礼します!アズ様が到着されました!」
「ふん、やっとか、」
女が堂々と席に座る。
一番目立つ席。血はもうついていない。
「会議を進めろ。話は聞いておく。」
「な、!貴様がZ市を捨てると、!」
大柄な男が声を大にした。
「落ち着くんだ!」
ひれ伏し謝罪する男。
「…はい。」
一息。
「で、アズくん。君の意見も聞こうじゃないか。
Z市を捨てたのには理由があるのだろう?」
女が腕を組む。
「あぁ。あそこを怪人の巣穴にする。」
大柄な男がニヤリと笑う。
「ほぉう。市民はどうする。」
女が笑った。
「それは国の役割だろう?
ヒーローは人を助ける。
お国様は持続させる。
人々の生きやすい環境を作らせろ。」
大柄な男が大きく笑う。
「いいだろう。さすが協会随一のブレーン。
会議は終わりだ。国会に提出する資料を作れ、綺麗事で埋め尽くせ。」
___
会議が終わった。
「アズさん。少し…。」
冷静な男部下。
「なにか。」
「…今日。今まさに、
S級ヒーローが会議を開いておりまして…。」
「…。」
「ブレーンとして、…お願いしたく…。」
男部下はチラチラと女を見る。
「S級ヒーローは身勝手ですから…。」
「…コーヒーを買ってこい。缶じゃないやつ。」
「ぇ、あ、はい、!…、ぇ?」
「あぁ、後、シロップを三個入れといてくれ。
私は苦いのが嫌いだ。」
「か、会議は…!」
「でる。その対価だ。」
「わ、わかりました…。」
女が腕時計を見た。
「10分。」
「ぇ、?」
「いいや、君なら5分だ。」
「は、」
「5分は待つ。」
男部下が恐る恐る聞いた。
「過ぎたら…、?」
女がいたずらっぽく笑った。
「残業がお好きなようで。」
男部下の体は動いていた。
「!行ってまいります!」
___
会議室の扉を開けた。
所々空席があるが、
現S級ヒーローの性格を考えると申し分ない。
「?誰よ、この女。」
S級2位 タツマキ。
「…?って!この人ブレーンだよ!」
5位 童帝。
「ブレーン?聞いた事ねぇーな」
4位 アトミック侍。
童帝が目をキラキラと輝かせる。
まるで子供のよう。
「ヒーロー協会随一の天才ブレーン!
僕の憧れ!本物だ、!」
バンっ
「はぁ、はぁ_ぁずさん、買ってきました_。」
C級 _位 冷静な男部下。
「シロップも3杯、しっかり_。はぁ、はぁ_。」
「…すまないな。」
女は時計を見る。
「3分だ。
私は君を過小評価していたようだ。」
一息。
女は会議室を見渡す。
「続けろヒーロー。話は聞いておく。」
「はぁ?何よこのパワハラ女!
部外者は早く出ていきなさいよ!」
タツマキが悪態をつく。
「いやいや!
ブレーンの意見も取り入れなくちゃ、!」
童帝が前に出る。
「まぁまぁ、落ち着きなさいよ。ちびっ子達♡」
17位 ぷりぷりプリズナー。
「誰がちびっ子よ!」
タツマキが突っかかる。
「はぁ、会議にならんな。」
8位 ゾンビマン
「…ブレーンとやら、貴様も会議に参加してくれるとありがたいのだが…」
女は紙カップを手に持ち、腕を組む。
「…。知らんな。」
そっぽ向いてコーヒーを飲み出す。
「な、…。はぁ。」
「と、とりあえず!
予言が本当か見極める必要があるだろ?」
童帝が声をあげる。
だが、子供扱い故に多くは聞く耳を持たない。
「…。半年以内、…。早めに策を_」
ゾンビマンが口を開いたその時。
びーびーびーびーッ
「!」
一同、耳を澄ませた。
「緊急事態です!謎の飛行物体が接近!街が破壊されていきます!」
「あぁもう!言ったそばから!」
童帝が地団駄踏む。
「アズさん!司令室に!」
男部下が急かす。
「…あぁ。わかった。」
女は動かない。
「アズさん、?」
男部下から困惑の色が見えた。
「コーヒーをまだ飲み終わっていない。」
冷静な声色。
「は、はぁ!?」
「本当にこいつが随一のブレーンなのか、?」
11位 超合金クロビカリ。
「ほっほっほ、マイペースじゃな。
わしはもう行くぞ。」
3位 シルバーファング。
「あ、アズさん急ぎましょう、!
また苦情が入りますよ、!」
男部下がコートを軽く引っ張る。
「…。触るな、痴れ者。」
言葉は強い。でも軽口。
「気になることが一つ。」
「?」
「あの男は誰だ。」
女が指を指した。
「んぁ?俺?俺はサイタマ。よろしくな。」
軽く流された。
「…。」
紙カップを口に付けたまま、止まる。
「…。まぁいい、行くぞ。」
「!は、はい、!」
___
「現在の状況は」
「街の被害が拡大するばかりです!
敵の戦力はレベル竜、もしくはそれ以上です!」
「…。S級ヒーローがそちらに向かった。
ほぼ全員だ。ひとまず、我々は一般市民の避難誘導、難民の保護を。」
「了解!」
「…。」
___
女性部下が通信を繋ぐ。
「こちらヒーロー協会。
S級以下のヒーローは直ちに避難誘導を!
避難場所は_、B市の_…」
「代われ。」
「ぇ、あ、はい、!」
女は設置型マイクを手で寄せる。
「避難所はB市、Bアリーナ体育館。
効率よく命を守るんだ。」
___
「良くやりますね…。」
男部下が呟いた。
「…褒め言葉として受け取る。」
「も、もちろんです!」
女の眉が歪んだ。
「…。、?」
「?どうかされましたか?」
「…。モニターに映った。今。」
「え、?何が…」
男もまたモニターを見る。
「…。怪人か?ヒーローか?いいや。」
女が笑った。確かに笑った。
「ヒーローだ。」
「…あのモニターの映像を貰ってこい。」
「…今ですか?」
「あぁ。今だ。」
「了解です…。」
___
騒動が終わると同時に映像を入手した。
「随分遅かったな。」
「申し分ございません。」
「…。」
女は見向きもせずに映像をリピートする。
「…。、!これだ。貴様も見てみろ。」
軽く手招きする。
「?…、これ、!」
残像にも見える黄色い人の形をした物体。
「…会議にいた男だな。」
男部下が顎に手を当てた。
「えぇーと、名前は_」
「サイタマ。」
男部下はポンっと手をたたく。
「B級くらいのヒーローですね。」
「あぁ。スピードに特化したヒーロー。
もしくは人間以上の存在。」
「…また言われますよ。」
「何を。」
「激務で頭が可笑しくなったと。」
「はっ、どうだかな。」
「…。本気ですからね。」
「…。この男のデータを持ってこい。
できるだけ早くだ。」
「了解。」
男の去り際。
「あ、そういえばアズさん。
この後会議があるそうです。」
「なんの。」
「えぇと。街の復興作業の_」
「でない。伝えておけ。」
女の目線は合わない。
「…ここだけの話ですが。」
男の目線が泳ぐ。
「?」
「人間怪人について情報を得たようですよ。」
女と目が合った。
「少し撤回しよう。私が伝えに行く。」
男の顔が引きつった。
「会議には出ないんですね。」
「私には関係ない。」
___
会議室を開けた。
「?アズくん!
やっと参加する気になったのかい?」
女は無視して代表に迫る。
「人間怪人についての情報を渡せ。」
「な、どこでその情報を…。」
女の目は鋭くなる。
「教えろ。」
代表は一歩下がる。
「……。ここで話す気はない。場所を変えよう。」
「…。あぁ。」
___
代表の書斎室。
「では本題に入ろうか。
アズくん。第一に、ガロウは怪人だ。」
真剣な声色。
「…。はぁ。」
「奴は災害レベル竜に匹敵するだろう。」
「…。」
「奴は_」
女がつまらなそうに聞いた。
「居場所は知らんのか?」
「…。奴は神出鬼没、
大まかな行動範囲はZ市だ。」
女が腕を組む。
「ほう。ヒーロー協会は彼をどうする気だ。」
代表が笑った。
「殺すしかないだろう?処理だ。」
「…。」
「?異論でも?情でも湧いたか?」
「いいや。大した情報は無かった。」
「…。その情報力、頭脳。
この件に関しては邪魔だ。」
代表の雰囲気が変わる。
「…。」
女もまた勘ぐる。
「アズくん。
君には悪いが…今回は静かにしているんだ。
いやぁ、悪いとは思う。」
黒服がぞろぞろと顔を出す。
「、!」
女の腕を縛る。
代表は顔を歪めた。
「本当にね。」
女は抵抗しない。
ただ一言。
「触れるな、痴れ者が。」
酷く低い声。
黒服がびくついた。
それと共に
バンっ
扉が開いた。
「誰だ!誰もいれるなと言ったはずだ!」
男部下。一人。黒い手袋をつけて。
「アズさん。これパワハラですよね。
貴方がいつも私にやる。パワハラですよね。」
女がわらった。確信の笑い。
「あぁそうだ。パワハラ_と、セクハラだな。」
男部下の目が暗くなる。
「殺すなよ。脅すだけだ。」
「分かっていますよ。私は優秀な部下ですから。」
男部下はバールを片手に黒服を殴る。
金属音と鈍い音だけが響いた。
15分。かからなかった。
「流石は私の部下。」
「動かないでください。跡が残りますよ。」
代表の顔がみるみる赤くなる。
「タダではすまないぞ!!」
女は黒い手袋をはめながら冷静に言った。
「まだ分からないと。
理解に乏しいな。」
男部下からトンカチを受け取る。
「代表。」
派手にトンカチを振り下ろす_フリをした。
代表は見事に気絶。
男部下は眉を歪めた。
「これじゃあどっちがパワハラなのか分かりませんね。」
「…。正当防衛だ。」
男部下は諦めたように笑う。
「代表はどうしますか?」
「…。放っておけ、今回は代表が勝手に暴走した。私は情報が欲しいだけだ。」
「…。了解です。」
___
第三章- 煙草は雨に濡れて。 -
人は。自分の正義ひけらかす。
求められる人でありたいから。
「こちら、頼まれていた資料です。」
座る女に男部下が資料を差し出す。
「あぁ。ご苦労。」
女は資料に目を通す。
サイタマの体力テスト、筆記試験の回答。
「…。異常だな。」
「はい。調べた時点で異変を感じておりました。人間ではありません。」
女は足を組む。
「…。人間だ。彼も、ガロウも。」
「…。」
「正義の違いだ。自身と周りの正義。」
「…。彼と接触しますか?」
「しない。」
「…分かりました。」
女が男部下をじっと見つめる。
「…。」
「えぇと、なんでしょうか…。」
男部下は目を逸らした。
「…。」
女は頬杖を着いた。
「名前は?」
「へ、は。?はい?」
「名前だ。」
「わ、私のですか?」
男部下は自分を指す。
「あぁ。他に誰がいる。」
「…。」
男部下はため息を着いた。
「私たち、かれこれ10年以上の関係ですよ?」
女は白々しく答えた。
「そうだったかな。」
「…。覚えてくださいね。
私はアサラチです。」
女は眉を上げた。
「ほぉ〜、」
「興味無さそうですね。」
女は答えなかった。
___
「Z市に怪人協会の拠点があると、
報告がありました。」
「…。あぁ。そうか。」
「…?」
「なんだ」
「いや。深堀しないので…」
「…。では聞こうじゃないか。
私以上の情報力を持つのだろ?」
男部下のネクタイを掴み、
顔を強引に引き寄せる。
「い、いや、そんな、」
男部下の頬が赤くなる。
女はいたずらっぽく笑う。
「残念。」
ネクタイを離した。
「…、そ、そう言えば、
またS級会議があるようです。」
女は机に視線を落とした。
「…Z市か。」
「はい。囚われた子供の保護を目的とするようです。」
「…。」
「えぇと。出向かれた方が…。」
「…。誰かがどうしてもと言うのならば。」
「…。私ですか?」
「調子に乗るな。」
「…すみませんでした。」
バンっ
扉が開いた。
「…。」
「アズさん!僕を助けてください、!」
「彼は…童帝。」
男部下は呟いた。
童帝はつづけた。
「S級会議が進まないんです、!
みんなまともに取り合ってくれなくて_」
「無礼ですよ。童帝くん。礼儀を_」
女が頬杖を着いた。
「やめろ。社交の内は子供だ。」
「…。申し分ありません。」
「話を聞こうじゃないか。」
「!はい、!」
___
対面のソファーに腰を移した。
「怪人協会への突撃作戦ね。」
女は顎に手を添えた。
「やっぱり…無茶ですか、?」
童帝が恐る恐る聞く。
「…。理にかなっている。
が、相手の戦力が計り知れん。」
「…。」
「他にヒーローはいないのか?
地上担当を増やせ。内部は変更なしだ。」
「…それが…。」
「なんだ。」
「ヒーローの手配に制限があって…。」
「…。はぁ。ケチだな。ヒーロー協会は。」
「…。」
「私も行きましょう。」
男部下が名乗り出る。
「…。気が狂ったか?」
「まさか…。私だってヒーローですから。」
「…。」
女はため息を着いた。
「ならば、私も同行する。」
童帝が目を見開く。
「そんな、!お二人の手を煩わせるのは…」
「はっ、お子ちゃまがどんなに大人びた言葉を使おうと、大人には戯言にしか聞こえない。」
童帝の眉がぴくりと動いた。
「…そんなの分かってますよ。
僕なりの心配です…。」
女が立ちあがる。
「さ、会議室に移ろう。正義でたたき曲げる。」
___
会議室の扉を開けた。
S級ヒーロー達は何やら言い争っている。
「フブキは呼ばないで!」
「_で、ですが_」
童帝が女に目配せした。
「…。」
女はしゃがみ童帝に耳を貸す。
「今、おそらくですが、メンバー調整中です。
作戦を話したかったんですが、何も聞いてくれなかったので作戦がどうなっているかは分かりません…。」
「あぁ。分かった。感謝する。」
女が立ち上がり、柏手を鳴らす。
視線が一点に集まった。
「今から私が仕切る。
反論は受け取るが反対は受け取らない。」
「!またこの女?」
タツマキが眉間に皺を寄せた。
「…!童帝。この女を呼びに行ったのか。」
ゾンビマン。
「…。では。」
女が一息。
「作戦役の童帝くんから説明がありまーす。」
気だるそうな声。
視線は童帝に集まった。
「え?ぁ、アズさん!?」
「私は知らん。保護のみだ。
言葉で君を正当化する。」
童帝が震えた拳で前に出た。
___
「アズさん。意外ですね。」
男部下が囁く。
「…。」
「てっきり強引に進めるのかと。」
「貴様は私をなんだと思っている。」
男部下は迷いなく答えた。
「パワハラ上司です。」
女は固まる。
「…。褒め言葉だな。」
「褒めた覚えはありませんね。」
___
童帝の作戦説明が終わり、
意外にも団結したS級達。
「ところで、メンバーはどうするんだ?」
クロビカリが筋肉を見せながら聞く。
「あぁ。それなら…」
童帝がホワイトボードに名前を書いていく。
「はぁ!?なんであの女の名前があんのよ!」
タツマキが前のめりに怒号する。
「あぁ、えっと、ヒーローの出動には制限があって…。」
「邪魔よ!足手まとい!」
「だが、そうだな。
戦力になるのか?ブレーンだろ?」
アトミック侍が口を出す。
「うーん。僕は知らない。本人に聞いてみなよ。」
アトミック侍が女を見据える。
「で、どうなんだ?
貴様と、隣の男。」
「…。邪魔になるのなら指揮でもするさ。
従う気は無いようだが。」
男部下は姿勢を正した。
「私は_」
「C級風情が。後ろに下がっていろ。」
A級 1位アマイマスク。被せるように脅す。
女が笑った。嘲笑含めた笑い。
「C級。いじられてんね。」
「貴様もだ。B級だろう?それも肩書きのみ。 この作戦に足手まといはいらないんだ。」
女が足を組んだ。
「足手まといは殺せ。貴様ならできるだろ?
アマイマスク。こちらの情報を舐めるな。」
一同。固まる。
「威勢だけはいいな。だが、それも今のうち。 本当に殺す。脅しじゃないぞ。これは。」
アマイマスクが部屋をでる。
「…。ま、まぁ、みんな当日もよろしくね、!」
童帝が仕切り直す。が失敗の模様。
___
当日。雨が降りしきりそうな曇り。
どうしても太陽の出を許さなかった。
「荒れてますね。」
「あぁ。」
「?どうかしましたか?」
「…。嫌な予感だ。」
「死亡フラグ立てようとしてますか?」
「バカ言うな。」
女がコートのポケットを漁る。
「?」
「煙草だ。」
箱から一本。
口に咥えた。
「、火。つけますね。」
「…。」
吸って。吐いた。
「ライター貸せ。」
「ぇ、?、はい、」
女がライターを受け取ると共に
箱ごと差し出した。
「ぇ、あ、」
男部下が煙草を反射的に咥えた。
女が火をつける。
「…ふぅ。_?」
男部下のぎこちなさに気がついた。
「初めてなんですよ。煙草。」
「…は、子供だな。」
「冗談やめてくださいよ。」
「冗談に聞こえるか?」
「え”、」
目線は合わない。
「美味しくないなら返せ。
私が吸ってやる。」
「意外とケチなんですね。」
真剣。
「金に執着はないがな。
勿体ないは人間と怪人の共通点だ。」
「怪人だ!怪人が出たぞ!」
同時に反応した。
「行きましょ_」
「焦るな。」
女が男部下の肩を叩いた。
「S級もいる。
緊急事態は想定外だ。」
___
「と言ったそばからですよ!アズさん!」
「はは…竜ぐらいか?」
乾いた笑いだった。
「何笑ってるんですか!死にますよ!」
「他にヒーローはいないのか。」
「、退散か、負傷しましたよ。」
「…。そうだな。貴様は負傷者を運べ。」
「アズさんは、!」
「怪人の相手に決まっているだろう。」
「…。」
「心配か?」
「当たり前じゃないですか。
だって。貴方、
死亡フラグ立てまくりでしたから!」
女がピクっと止まった。
「…。早く動け死ぬぞ。」
___
女は黒い手袋をはめた。
「ここからは仕事の時間だ。」
重いコートを脱ぎ捨てた。
大柄な怪人が反応する。
「人間ごときが怪人の俺様に逆らうなんて、
実に愚かだ!殺して楽にしてやるよ!」
怪人が拳を振りかざす。
「それが貴様の。愚かな正義か?」
ガンッ
女を潰した_
カラカラんっ_。
ひび割れたトンカチが、
音を立ててコンクリートを叩く。
_はずだった。
「正義は叩けば、
真っ直ぐにはならない。曲がって錆びていく。」
怪人の”音”が破裂していく。
怪人の叫びは聞くに絶えない。
女は耳を塞いだ。
___
「…。なんだ、これ。」
声の主はアトミック侍。
この惨状を見て固まった。
女は落ちたトンカチを拾う。
「ヒビがはいってしまったな。」
男部下が手を振る。
「あ、アズさーん!負傷者は軽い怪我でした。 どうやら巻き込まれた様ですね。攻撃に当たったヒーローはおそらく…跡形もなく…です。」
「…。ご苦労。」
「、!」
男部下がコートを拾い、汚れを軽く払う。
「どうぞ。」
「あぁ。」
女がコートを受けとり、羽織る。
「おいおい、待て。」
低い男の声。
「その女。何者だ?
ブレーンじゃ済まないだろ。」
アトミック侍。
「…。貴様に教えるつもりはない。
失せろ。」
女の目は鋭かった。
「は、!
よせ。別に対立したい訳じゃないんだ。
人間の好奇心ってやつだ。」
軽くあしらった。
「…。好奇心で人は死ぬ。
覚えておくんだな。」
女はアトミック侍を避け、定位置に戻る。
第四章- 少女は黒かった。 -
人は。感情を殺すことができても。
消すことはできない。
希望という本能がまだ生きているから。
アズさんとの出会いは約11年前。
酷く蒸し暑い雨の夏だった。
「仕事だ。子供の子守りをしろ。」
当時、
私の年齢も成人とは言えない子供でした。
”子供が子供の子守りをする。”
という言葉に、違和感があったのを
よく覚えています。
彼女は当時17歳。
頭には包帯、頬は痛く染められていました。
黒いジャケットを肩に羽織っていた。
表情は掠れるほど薄いのに、
目だけ異様に黒く塗りつぶされたようでした。
「今後。よろしくお願いします、!」
拾われて初めての任務、
緊張した私に貴方がかけた言葉は
「…。何ができる。」
仕事の話だとすぐにわかった。
「ぁ、私は、!情報に優れています、!
ですから_」
「…。」
話が終わる前に彼女は歩き出した。
「ぇ、ぁ。」
私は追いかけるように後を追った。
彼女の評判は、
意識せずとも耳に入ってきていた。
「暴君。彼女は我々の手に負えない。
歳が近ければ心も開くだろう。」
なんて言う浅はかな考えを良作とでも言いたげな顔で語る上司が鼻についた。
午後。アズさんは路地裏に佇む一軒のカウンターカフェでコーヒーを嗜んでいた。
私はと言うと彼女の護衛のように隣に立っている。
客は二人程度。
レトロな雰囲気で視界が古くなる。
かちゃっ_からんッ_。
彼女は貸出の小説を片手に、
スプーンをカップの中で遊ばせていた。
一人の客が店を出た時だった。
彼女の手が止まった。
無意識に震えていた手も、
スプーンを持つ手も。
私は小説の文字を追った。
そこに原因があると思ったから。
”大人とは、裏切られた青年の姿である。”
太宰治作「津軽」
文豪的な美しい一文。
彼女は本を閉じ、コーヒーを飲み干す。
会計を済ませ、
荒々しく店を出る。
その荒々しさは店を出ても変わらなかった。
到着したのは小さな花屋。
彼女はそこで小さな花束を買った。
一体何のための花束なのか、
その時は知る由もなかった。
彼女は花屋を出たあと、
格段にスピードが落ちた。
花束を丁寧に抱える。
が、表情は変わらない。
一度。突風で彼女の髪が乱れた瞬間。
止まった。
酷く細い声だった。
「人に対する報いを忘れていた時、
君ならどう謝る。」
軽く返した。返してしまった。
「誠心誠意謝ります。気持ちを込めて!」
「…。」
返答はなし。
彼女は歩きだした。
予報にはない雨が降り始めた頃。
目的地に着いた。
墓地が並んでいた。
彼女の足取りは更に重くなる。
ふと、思い出した。
”人に対する報いを忘れていた”
彼女の言葉。
彼女が静かに足を止める。
ぶつかりそうな体を一歩下げる。
彼女はしゃがみこみ、花束をそっと添えた。
そして、彼女自身、一歩下がった。
雨が大粒の本降りになる。
彼女は黒いズボンを地につけて、頭を下げた。
”報い”これが彼女の報いなのだ。
墓に掘られた名は知らない。
彼女の報いの内容も知らない。
知るべきではない。
彼女は小さく口を動かしていた。が。
雨音で何も聞こえない。
あぁ。アズさん。貴方の手が止まったのは、
文豪を見たからじゃない。
”_あなたの家の夢を見るんです。戦地でも見ました。鶏に餌をやる事を忘れた、しまつた!と思つて、はつと夢から醒める事があります。”
(太宰治作「津軽」から引用。)
”忘れ物”を思い出したから。
数十分。雨に打たれ、彼女は立ち上がった。
彼女の顔は暗くて見えない。
彼女は逃げるように歩き出した。
が、足は止んだ。
「Z市に案内してくれ。」
彼女は今更気がついた。
彼女の目はぼやけて機能しないことを。
「かしこまりました。」
言葉を選んだつもりだった。
___
「…。到着しました。」
彼女はゆっくりと顔を上げた。
疲れているのがひと目で分かった。
「…。あぁ。」
「…。つかぬ事をお聞きしますが_」
彼女は歩き出す。
私は二度目の無視に意地になった。
「つかぬ事をお聞きしますが…。」
小さく言った。
そして、深く息を吸った。
「 寒 く は あ り ま せ ん か ! 」
彼女は足を止めた。
彼女は自らの頬を手震えたで触れ、
呟いた。
「ここが…痛かった。」
酷く幼く真っ黒な声だった。
「ぇ、?痛かっ_!。」
困惑の瞬間に体が動いた。
気づけば彼女の手を引っ張り、
商売店に入っていた。
薬を買い、傘を買った。
外にでて、傘をさした。
「お金はないよ。」
感情の含まれない声だった。
「いりません。」
彼女は足速に歩き出す。
まるで傘から出ようとしている様。
彼女が向かったのはZ市の端。
誰もいない無法地帯。
私を止め、一人で出ていく。
彼女は道路中央にしゃがみ、
汚れた白線に手を当てる。
彼女には何が見えたのだろう。
彼女は人に涙を見せるほど、
浅はかではないだろう。
彼女は自分から危険に乗り込むほど、
無計画ではないだろう。
ただ、この瞬間を除いては。
私は傘を差し出すことができなかった。
彼女の報いを勝手に許してしまいそうで。
___
後日。
「貴様の持っている情報を渡せ。」
彼女は腕を机に置いて言った。
「具体的には_」
「全部だ。」
被せられた。
真剣な顔だった。
「…。組織の秘密…だとか…ですかね?」
顔を下げ、自信なさげに聞いた。
「…。内容。」
「えぇと。コネのS級の話…とか _」
話している内に自信がなくなる。
「…。その話は誰から聞いた。」
「ぇ、あ、情報屋から_」
彼女は腕を組んだ。
「…。」
彼女。内容じゃない。
ルートを知りたかったんだ。
「第一印象。最悪だ。」
呆れた声だった。
「ふぇ、?」
酷く腑抜けた声だった。
「情報は自分で得る。常識だ。
情報屋は参照に使え、基本は信じないがな。」
「自分で、って、リスクが大きいんじゃ…」
「信用のない相手より信用が大きい。
貴様は情報屋がライオンはネズミに負けた、
と言われれば信じるのか?」
「い、いえ。」
「それが答えだ。」
「…。」
彼女はニヤリと笑う。
「今日から情報を集めろ。自分でだ。」
「そ、そんな無茶な、」
「情報を売り出したのは貴様だろう。」
「…。」
何も言えなかった。
彼女はほくそ笑んだ。
___
情報を集めろ。と言っても、
具体的には分からない。
と、扉越しに声が聞こえた。
耳を澄ませた。
「アズ、?あやつは怪人だ。」
呼吸が止まった。
「怪人?しっくり来ませんね。」
「詳しく言うなら、実験体だがな。」
「実験体…?」
「”進化の家”の被験者。」
「!進化の家ですか!?」
「静かにしろ。
やつは逃げてきたんだ。
ヒーロー協会なら助けてくれると踏んだのだろうな。」
「…。コメントしずらいですね。」
「はっ、この仕事をやっていればいつか壊れるんだ。気にするな。」
「…。彼女はどんな実験を?」
「…。さぁな、報告書に書いてあったが…。
…忘れたよ。」
手が震えた。力が入りすぎて。
行動は自分でも驚く程に早かった。
夜遅く。誰もいない書庫で何千万の報告書の中から一枚を探していた。
見つけたのは朝焼けが近い頃。
写真を撮り、素早く出ていった。
喫煙所で写真を読み取る。
初期登録2006年。
進化の家にて保護。
健康状態
脈:正常
瞳孔:正常
体温:正常
反応,反射:鈍い
体力:平均を上まわる
呂律:正常
筋肉:表情に衰えあり
判断力:早い
傷:背中に古傷あり。
持病:なし
知力:非常に高い
総合戦闘力:非常に高い
総合結果: 良 個 体 で あ る 。
道具のような扱い。
携帯をグッと握った。
がちゃっ_。
扉が開いた。
肩がビクつき咄嗟に携帯を隠す。
「…。情報収集は上手くいっているな。」
アズさんだった。
「え?は、い_?」
彼女の目が笑った。
「まさか…仕向けて…、」
「バカ言うな。偶然だ。」
嘘か本当か分からない声色。
私は何も言えなかった。
ただ。煙草が握られているのを見て。
咄嗟に取り上げた。
「…。善意か。偽善か。」
「…。どちらもです。未成年ですよね。」
彼女はため息を着いた。
「…。法が決めた。
が、私は決められた場面を見たことがない。」
冗談のように聞こえた。
「…。犯罪です。」
彼女は半開きの目で笑いながら私に言った。
「…。忠実な奴が好きだ。
だから、犬が好きだ。
それと同時に、
自分で尻を拭けない犬が、
いささか不愉快だ。」
私は彼女の態度に眉をひそめた。
「…。冗談じゃないです。犯罪なんです。」
「…。貴様が犯した罪は二つ。」
目が変わった。
「個人情報保護法違反,不法侵入。」
何も言えない。
「…。煙草を正当化するつもりはないがな。」
笑いながら去っていった。
彼女の背中は哀愁が漂っていた。
第五章- 黒手袋は赤かった。 -
私は。愚かだ。
「…。」
男部下の足は止まっている。
「何をしている。」
男部下がはっとし、
足早に追いつく。
「考えていたんです。
アズさんは何者か。」
女は少し間を開けて答えた。
「馬鹿だな。」
男部下が笑った。
「えぇはい。馬鹿ですね。」
___
かちっカチっチヂッ_
蛍光灯は点滅して鳴り止まない。
暗い地下には曇った雨音が響いていた。
彼は仰向けに目を瞑り。
私はただ一人しゃがみんで、
彼に刺さった包丁を握っていた。
腹部から、血が染みる。
力が増すほどに血が増えた。
血が増えるほどに力が増した。
___
走馬灯のように思えた。長い長い。走馬灯。
車が高速を走ると、
蛍光灯が線のように見えると同じように。
あぁ。彼の名を呼べばよかった。
彼に素直さを見せればよかった。
彼に”ありがとう”って。伝えればよかった。
どうして私はこんなにも疑い深いのだろう。
乾いた笑いが沈黙に響いた。
知ってしまった
私が殺したんだ。
彼の思惑を知っていたから。
私は君の心の希望が見え透いてならなかった。
善意と偽善の狭間で揺れている君は
誰よりも人間だと思った。
END-報いの話-
______
おまけ_アサラチの最後。
私は彼女を断罪する。
怪人支援組織からの任務
” 暴 君 の 排 除 ,
ヒ ー ロ ー 未 来 へ の 反 逆 ”
彼女を消せば未来はもっと壊しやすくなる。
人間を差し出し人間を生かせ。
拾われた私に生きる術など知る由もない。
___
地下に入り足元がふらつく頃。
ぴちゃっ_ぴちゃッ_
「…。雨音ですかね。」
「…。さぁな。下水じゃないといいが…。」
「嫌な想像しちゃいました。」
「…。、あっちだ。」
彼女はある方向に指を指す。
「?」
「あっちに怪人、もしくはヒーローが居る。」
「…。急ぎましょう、!」
「…。あぁ。」
彼女を先頭に歩き出した。
私の手には包丁が握られていました。
彼女の背を目掛け鋭利を突き出す。
私は躊躇したでしょうか。
いいえ。現実は酷く冷たいものです。
何も考えませんでした。
彼女の背に刃が食い込む瞬間。
手が止まりました。
「殺さなくてもいいのか。」
彼女が一言。
諦めを含んだ言葉でした。
動かない耳が、
獣のように動いた気がしました。
咄嗟に彼女の肩を掴み、
こちらにむけました。
彼女は驚いた顔をして、目を細めました。
「…。アズさん。」
「…。」
彼女の手を取り、
包丁を握らせました。
彼女は顔を歪めていました。
「…。アズさん。」
彼女は余った手で、
トンカチを振りかざそうとしました。
「貴方はトンカチじゃあ人を殺せませんよ。」
止まった。
空気の揺れすら感じなかった。
一沈黙。
彼女の手はぶらんと下がる。
その手を掴み包丁の先端を自身に向けた。
「”僕”のために報いてください。」
どんな顔だったかは分からない。
ただ。
彼女があの時と同じように
”僕”をふと思い出して、
花束を持ち、
”僕”の為に報いてくれるのならば嬉しい。
ただ。
それだけでいっぱいだった。
気づいた時には天井が目の前にあった。
彼女は”僕”を無心に見つめていた。
ただ。本当に。
_終わり。