妄想詰め
短編 没案 色々あります
全てknhb
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1天使×人間
地𓏸少年花子くんの大好きな場面をイメージに作っています。
「ねーヒバ、そのにじさんじ?ってやつ、本当に行かないとダメなの?」
「仕事だからな。でも今日は打ち合わせだけだからすぐ帰れるはず」
「ふーん…」
玄関で別れを告げようとしたが奏斗は引っ付くことを辞めない。
頭をハテナにして戸惑いを見せれば奏斗も首を傾げていた。
「イヤ、え?着いてくんの?」
「当たり前でしょ、僕はお前の天使だよ?雲雀に何かったら僕世界滅ぼしちゃうよ〜」
「ハハハ…」
冗談に聞こえないしこいつならやるだろう。
出会って1週間も経たないがこの男”風楽奏斗”について理解が出来てきた。
まず出会いは突然で、急に現れたかと思えば「契約してくれ」と頼まれた。理由を聞けば俺が好きだかららしい。どこかで出会ったことがあるのかと聞けばはぐらかされる。生きてきてこの方21年、奏斗のような人間(天使?)に会ったことは無いし、奏斗のような整った顔の人間、一度出会ったら忘れないはずなんだけれど…
あれやこれやとことが進んで契約することになった。契約内容は”お前は僕の側にいて入ればいい。僕はお前を死なせないしお前を守る。お前を守れなかったら僕は世界を死ぬまで滅ぼそうとする。”だと。なて恐ろしいと思った。どこかの死に戻りアニメでもったなぁと現実逃避をしていると現実に引き戻されるかのように口付けされた。
綺麗な瞳に射抜かれてドクン、と心臓が高鳴って頬に添えられた奏斗の冷たい手がじわじわと俺の体に混ざっていく。
奏斗と酷く深く繋がった感覚に白黒していればふふ、と微笑む目の前の男。
言いたい文句は沢山あったのにその綺麗な顔に微笑まれれば何も言えなくなってしまった。
「雲雀、契約完了だよ、お疲れ様」
「…なんか疲れたぁ…」
「普通なら気絶しちゃうんだよ、天使と繋がるのは難しい事だから。僕たち相性がいいよ」
「…そう…」
肩で息をしていると癒すように顔中にキスされて、その心地の良さに瞼が落ちていく。
完全に意識が落ちる前に奏斗が俺の胸に手を当てて悲しい顔をして何かを呟いていたのを覚えている。
”ひば…僕が絶対に……”
奏斗は天然ーーというか世間知らずだった。まぁ天使に世間が通じるわけが無いのだが、包丁の使い方も、食材も、何もかも知らないらしい、曰く天使に食事は必要ないからと言っていたが、食を必要としないだけで食べれるらしい。最初躊躇っていた奏斗だが最近は一緒に食べることが楽しくなったらしい。用意した時の奏斗はご機嫌だ。
一度、奏斗が料理しようとしてキッチンが壊滅しかけたのは別の話。
奏斗は変な天使で、俺に刺激を与えてくれた。毎日配信して歌を歌って、寝て起きてバイトに行って、仕事して、な生活だった俺にーそれまでも楽しかったがー奏斗が登場してから毎日がより楽しくなった。
毎日のように過ごして、兄弟のようにくっついて寝て、俺の行動に嫌な顔をしないし、全部受け止めてくれる。呆れたり、バカにしたりもされるけどそれは全てノリのようなもので、居心地が良かった。
俺の事を見つめるとき、瞳が輝いて目を細める奏斗にはずっと慣れない気がする。
「…着いてくるのはいいけど、その天使の羽と輪は隠せよ…」
「え?僕が連れてってあげるよ、雲雀、空飛びたくない?」
「……………………飛びたいです!」
「ふふ、せっかく名前が雲雀なんだからさ、空を飛ぶ楽しさ知っといた方がいいよ」
「奏斗…お願い…行こう!!」
「了解っ!」
そう決まるや否や奏斗は俺の手を掴んで玄関から飛び出す。
マンションに住んでいる俺は結構な高層なのに奏斗は柵を悠々と超えて俺を引っ張り出す。
体が重力に沿って落ちていく、ヒュ、と喉が鳴った気がして、まとわりつく浮遊感にゾッとしながら奏斗に手を伸ばすとしっかりキャッチしてくれて後ろから抱きしめるかのように支えられた。
「しぬ、しぬぅ!!」
「っあはは!死なない死なない!死なせないから」
「っ…こわい…」
先程の浮遊感と地面を思い出すとカタカタと震える。俺は怪盗一家に生まれて高層ビルから落ちるなんて良くあることだが、それは良く愛用しているワイヤーがあるから。
自分の生と死を左右するのが自分じゃない恐怖はいつまでたっても怖い。
「…だいじょーぶだいじょーぶ、僕がいる。絶対に落とさないし死なせない。僕を信じて」
お腹に回された手がぎゅ、と強く俺を引き締める。するとふわりと暖かい光に包まれて力みすぎていた体がその安心感に力が抜けて完全に奏斗に体を預ける。
「ごめんちょっとだけからかおうと思ってたんだけど、怖かったよね、ごめんね、」
「…ううん、大丈夫、ほら遅刻しちゃう、進んでよ!」
「オーケー」
さっきの暖かい光のおかげなのか空気抵抗を感じないし三半規管が弱い俺でも酔わない。
風を感じながら青い空を飛び回る。
「っあはは!すげぇ!!」
「んはは、楽しそうだね」
「楽しい!
…あ、人に見られたらまずいから高く飛ぼ」
「大丈夫?」
「奏斗がいるから大丈夫!信じてる、俺の天使」
「…っ、……うん…」
またぎゅうと強く締められて少し苦しい。
「あ!奏斗!もうすぐ!あそこ!」
「ん、了解、路地裏に降りようか」
「はーい」
事務所を指させば人にバレないように直ぐに路地裏に降りるとポン、と音がなり奏斗を見ると天使の羽と輪っか、服装が変わっていた。
「早着替えにも程がありすぎる……」
「面白いこと言うね」
奏斗は髪型はラフでいつもと変わらず、眼帯もつけたままだが服が変わっていて、灰色のワイシャツで、片耳のピアス(イヤリング)がよく似合っている。
「雲雀〜おはよぉ」
「あ、せらお、おはよ!」
「……そっちの人は?」
「奏斗って言ってね、俺のボディーガード的な人!」
「…誰かに狙われてるの?」
「え?えっと、そういうんじゃなくて、奏斗も昔からの友人で、家の任務手伝ってもらってるんだよね」
苦し紛れすぎる嘘だが、我ながらスラスラと出てきたし、そんなに怪しくなかったと思う。
奏斗はきゅ、と俺の服を掴んで後ろでセラフを睨んでいる。
おい
「そうなんだ、もうすぐ打ち合わせ始まるから、荷物置いといで」
「ありがとな!」
手を振って別れを告げて荷物を置くとマネージャーさんが案内してくれた。奏斗のことは適当に誤魔化せば眉を顰めていが納得してくれたようだった。
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打ち合わせが終わって控え室でダラダラしているとゾロゾロと人が集まってきた。
理由を聞けば次の大型イベントに向けて練習をしていたらしい。控え室を間違えてしまったのかと思っていれば暇だったから遊びに来たと言われて少し嬉しかった。
女性の先輩達は初めて見る奏斗にテンションが上がっていて「新人さん?」「どうしてここに?」「雲雀とはどういう関係なの?」と質問攻めにされていてちょっと気の毒だった。
上手く躱しているのも流石だった。たまに煽って攻撃されていたけど。
そうして色んな先輩達とだべっているとピコン、ピコン、と色んな方面から通知音がする。
すると公式からのメールでバグが発生しているから気をつけてという内容だった
”緊急なため簡素な分ですみません
私𓏸𓏸のマネージャーなのですが、今この事務所内にいるライバーを中心に【自身の身体の成長が急速に促進する】バグが発生しています。皆様、バグに合ったライバーさんに出会いしだいこのメールアドレスに【名前】【場所】を教えて下さると幸いです。ご迷惑をおかけしますがご協力よろしくお願い致します。”
「………はえ…」
奏斗がなんだ?と覗いてくるので見せれば血相を変えたように俺の手を引っ張って控え室から出そうとしてくる
「ちょ、なに、痛いっ!」
「雲雀、早く行くよ、この事務所から出よう。」
「はい?な、なんでだよ、問題が解決してねぇんだから俺らだけ帰るのは違うだろ…!」
「い、いいから、はやく。お前が被害に遭う訳には行かない。」
「どういうことだよ」
「……それは言えないけど、ダメなの」
埒が明かない。何を言っているんだ。
先輩たちも奇怪な目を向けてくる。奏斗の意味不明な言葉にこのバグについての関係が分からない。
ドクン。
心臓が跳ねる。
カチカチ、と体内から音がするように感じる。
奏斗の顔が強ばって怒ったように歪められる。
おじいさんになるんかなぁ、それはそれでちょっと面白い。見てみたいかも。年取れない自分にとって、貴重な体験だ。
あれ。意識が遠のいていく。
ガチン。
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目の前で雲雀が倒れて、それを慌てて支える。
綺麗なトパーズの瞳はくすんで黒く濁って、目に光はなくて、体が硬直していて冷たい。
かき抱くように雲雀を抱きしめる。
雲雀以外の人間たちがゾロゾロと雲雀の無事を確認しようとするが近付かせないように羽を出して壁によりかかって雲雀を後ろから抱きしめる。
羽で包むようにしようとするが動揺していて上手く羽が動かせない。
すると連絡を送ってくれた人がいたのかマネージャーらしき人とセラフが入ってきた。
雲雀を見るとすぐに2人は顔を強ばらせる。
その部屋にいた人間全員が雲雀を見て顔が歪んだ思う。
「……っ、雲雀?どうして、」
「……まさか渡会さん、寿命が」
「………僕の雲雀から離れろ人間ども。」
雲雀は僕の腕の中で”絶命”している。
雲雀には寿命がもうない。それは天界で犯した罪のせい。雲雀がこの生を終わらせればもう転生することは無い。
僕と雲雀は同じ天界で過ごしていた。
ただ”天使”と”悪魔”だっただけで。
「ひばり、ひば、離れないで、僕から、僕をひとりにしないで、はやく、起きて」
雲雀の肩口に顔を擦り付けて縋るように雲雀の顔を撫でる。
「奏斗さん、バグは一時的なものと見られます。今迅速に対応をしていますが少し遅れるかもしれません。少々お待ちください。」
こいつの言っていることは事実だろう。契約が執行されない。まだ右眼の眼帯はついているし、きっと雲雀はまだ死んだことになっていない。
なら、待つしかない。雲雀をこれ以上危険に合わせないためにも羽を広げて今度こそ羽で包み込む。
「愛しい愛しい雲雀。大好きな雲雀。お前を愛してる。早く起きて。お前のその姿。心臓に悪いんだ」
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2 学パロ
付き合っていない
ちょっとグロい
話の流れが分からなくなってボツにしたやつ
モブが沢山喋る。
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「ひば!おはよ!」
「うわぁっ!!か、かなとかよ…おはよ、つかお前学校違うんだからさぁ…」
「雲雀に会いたくて」
「そう言って毎日来るのなおまえ…」
奏斗とは幼なじみだが1度幼少の頃に離れ離れになってしまい、中学で再開した。
どうして離れ離れになったかは覚えていないけど、寂しくて寂しくて仕方がなくて、ずっと探していたから中学で出会った時は泣いて喜んだ。
奏斗ならなにか知っているかもと思って聞いてみたがはぐらかされて終わって、言いたくないのかと思ってそれ以上は聞かなかった。
「ひぃばぁぁ〜〜」
「ちょっと重い、!ほら、俺もう学校だから、お前も遅刻しないようにしろよー!」
「あ!ひば!…もう」
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「渡会〜おはよ〜」
「ん、おは〜」
「今日英語の小テストだけど勉強した?」
「えっ?え?ええ?」
「あー渡会やってないな!!仲間!」
「っよし!!」
クラスメイトと手を組んで感動していると
ゾロゾロと人が集まって俺の机の周りは人でいっぱいだ。
嬉しいけど、何となく窮屈な感じがして不思議な感覚だ。
「渡会君課題はやった?写していいよ」
「え、まじ!?せんきゅー!」
「雲雀君、ここはね…」
「ふんふん…なる…ほど…?」
「おい渡会!放課後カラオケいかん?お前の歌聞きてぇ!」
「今日はパスだすまん〜!先約おる!」
朝だと言うのになんてドタバタなんだろうか、課題やって、勉強して、雑談もして。
(楽しいけど)
暫くすると先生が入ってきて全員が席に戻る。
雑談して、業務連絡をして、挨拶をして出ていく。
すると
「…ねえ、あの子、誰?」
「え?何何急に、怖いって」
「ちがうよ、校門の前、男の子!」
みんながえ?と言いながらなどに群がって外を見る。
俺も気になって見てみれば黒塗りの高級車にここじゃ見ない学校の制服、に見た事のありすぎる金髪、そして青い目。
「、奏斗…?」
「?渡会知り合いか?」
「ぇ、あぁ、でもなんで、?さっき学校行ってたはずなんだけど…」
すると先生が奏斗と話している。その姿も凛としていて女の子たちがきゃーきゃーと可愛らしく悲鳴をあげている。
すると放送で「渡会雲雀君、校門の前で風楽奏斗様がお待ちです。」
「え?な、なんでかなとのこと…」
「風楽ってあの?」
「え?な、なんか知ってんのか?」
「はぁ?お前知らないの?!風楽って言ったら高級ブランドの社長の苗字で、よくテレビに出てるだろ!息子さんじゃねぇの?!」
「はぇ…?」
ほら、さっさと行ってこい!と背中を押されて教室を出ていく。
廊下を歩いている時も他クラスから奇怪な視線を向けられていたたまれない。
(な、なんだよ…
もしかしておれ、かなとのこと 何も知らない…?)
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外に出ると先生から事情を聞く、どうやら大事な話があるらしい、でもどうして?と口に出すと、はなしてこいと言われてしまった。
なんだか怖いな。
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「まさかあの人の息子さんと渡会が友達だとはな。」
「……なぁ雲雀って昔、幼なじみの子と離れ離れになったって泣いてた時あったよな。」
「おー懐かしーな」
「その時ってちょうど風楽のあの事件の後だよな」
「…………たしかに…じゃあまさかあの時の子供って…」
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暫く歩くと奏斗がこちらの存在に気づいたのか鋭い眼光で見つめてきたと思えば俺だと気付いたら直ぐに顔を綻ばさせて走って抱き締めてくる。
「ちょ、ちょい、なんで奏斗がここに…」
「ん〜!雲雀…雲雀…」
「おい!」
「ひばぁ…」
「急になんだよ…」
「会いたくて…今日は僕と雲雀が離れ離れになっちゃった日じゃん」
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「ある男が風楽家に居た小さな男の子を攫おうとして
その子と遊んでた子供が、その男を殺害する事件」
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「、そうなの?俺、あんまりよく思い出せなくて…」
「思い出して。」
「ぇ?」
「思い出して。」
いつもは思い出さなくてもいいよ、と言ってくれるのが奏斗なのに、なんだが怖い。
後退ろうとするが腰をがっちりと掴まれているし頬を手のひらで固定されていて奏斗から目が離せない。
いつもはアクアマリンのような輝きを見せている瞳が、深海のように暗い。
頭が痛い。
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「その後が酷かったよな。その男は滅多刺しで、原型もなくて性別を確認するのがやっとだったらしい。
誘拐されそうになった男の子はショックのあまりに気絶して、男を殺害した男の子はその子にベッタリで近付こうとしたやつの大半が大怪我を負って、保護が遅くなったって話。」
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「ね、思い出して」
「な、なんで急に、やだ、かなと」
「お願い。僕らにとって大事な日。」
「は、ぁ…や、やだ、」
息が上がる。涙が込み上げて溢れて止まらない。
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「その誘拐されそうになった男の子は、どうなったんだっけ。」
「保護されたあともショックで何も手につかなかったらしい。意識が朦朧としてるのか話しかけても無反応で、植物状態だったとか。」
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「雲雀、」
ぐわんと視界が揺れる。
脳に直接響くような奏斗の声に頭がズキズキと痛んで膝を着く。
奏斗は俺の手を取って甲にキスをする。
なんだが、見たことある。
その時のかなとは、血塗れでーー
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『ひばー』
そう声を発した瞬間、雲雀が横からいなくなって、気付いたら男の腕の中だった。
その男は雲雀に刃を突き立てて僕に命令する
『こいつが殺されたくなかったら、金を持ってこい』
子供に言って何になるんだろう。漠然と俯瞰した僕が思う。
『雲雀を返して』
雲雀の白い肌に刃が少しだけ突き刺さって血が溢れる。
(雲雀の血)
『おい、聞いてるのか!こいつが死んでもいいのか!?』
(雲雀の涙)
『おい!!』
(雲雀の声)
(雲雀の肌)
(雲雀の首)
(雲雀の体)
(全部 僕のーーーーーー)
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「っはぁ、はぁ、はぁ…やだ、こわ、ぃや」
「怖くないよ、怖くない、全部僕と雲雀の思い出。雲雀が覚えてないの、寂しいな」
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「アレ、当時見た時子供ながらゾッとしたよ」
「俺も俺も、なんだか忘れらんないんだよな」
「狂気というかなんというか、それだけ気持ちが強かったのかなって思うけどさ…」
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『、かなと…?』
『あ、ひば、おはよ』
雲雀が目を覚まして僕を捕える。
(可愛い)
『その子供から離れなさい!!』
大人の怒号が劈く。
雲雀がビクリと肩を震わせるから優しく背中を撫でてあやす様に話しかける
『大丈夫、雲雀を襲う怖いのは全部僕が排除してあげるからね、雲雀、僕の、雲雀』
『かなと、?怪我してるの?血…』
『これ?これは僕のじゃないから大丈夫。』
雲雀の手を掬いちゅ、と甲に口付ける。
『かなと、かっこいい』
『んふ、そう?ありがとう、雲雀は可愛いね』
『ふわぁ……眠い』
『寝ていいよ、僕が見ててあげる』
『ん、暖かい…』
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「ぁ、かなと、」
「今の雲雀、あの時みたい。僕しか見えてなくて、僕のことで頭いっぱいになって…可愛い」
「ァ、」
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護身用に持っていたナイフに手をかけて近づく。
直ぐに雲雀に触る指を切ると男が悲鳴をあげて尻もちを着く。
雲雀をキャッチして、強く抱きしめる。
気を取り戻した男が僕に向かってくるから、イラってして飛び乗って顔に突き刺した。
さっさとくたばればいいのに、男は悲鳴を上げて半狂乱で僕の首を掴む。
苦しい。やだ。死にたくない。不快。
何度も。何度も。何度も。
どんどん男の力が抜けて自由な体になっても、こいつが雲雀にしたことがフラッシュバックして上がる息と共に手が早まる。
男は事切れているのに、止まらない。
顔、手のひら、胸、腹。
びちゃびちゃと音を立てて僕の顔に纏わりつく生暖かい液体。
(これが雲雀のだったらまだ気分は良かったのかな、きっとこの世の楽園のような気持ちだろうな、雲雀を纏う感覚は)
気付けば男は肉塊になっていて、原型を留めていなかった。
ふぅと一息ついて雲雀を見やるとカタカタと震えていてその瞳は焦点があっていない。
「ひば」
「ひ、」
体を震わせて怯えた声を出しても、雲雀の手は僕に向いている。
それに誘われるように近付けば雲雀の手が頬に触れる。その手は酷く冷たくて、温めるように手を重ねる。
じわ、と雲雀の手の温度が伝わって混じっていく。それが心地よくて雲雀を抱き締めて密着し合う。
雲雀の服が薄着だったから服の隙間から手を入れて抱きしめる。
「ひば、ひばり、ひば、だいすき、」
雲雀は泣いて、顔を青ざめながら僕の背中に手を回す。汗で脱水症状を起こしそうだから。キスして唾液を分けてあげた。上手いキスの仕方なんて知らないからただ雲雀に唾液をあげるイメージで。
ピタリとくっついて、雲雀の体温と僕の体温が混ざり合う。
まるで全裸で抱きしめあっているみたいだ。ひんやりしているのに、暖かい。
「ぁ、あ、ァ」
「ひばり…すきぃ…」
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「ぁ、はぁ、っはぁ…ァ…かなと、ぁ」
「雲雀、だいすき、」
「ぁ、」
「雲雀は?」
「は、ン、ぁ…?」
「雲雀は僕のこと好き?」
「は、ン……ぁ…?す、すき…」
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3ギャング
⚠︎シガーキス
下品
「っよ〜し!雲雀!はよ行くぞ」
「おぉう!りょーかい!」
いつものようにコンビニ強盗をして、雲雀の車に乗り込む。
雲雀は膝の上に大量のお金を乗せて上機嫌に歌いながら運転をしていた。
僕は少しヤニが不足してイライラしてきたので、雲雀に断りを入れて煙草を持ち出す
「ン〜!ちょっといらいらしてきた 」
「あいよ〜」
火をつけて煙草を吸っていると雲雀が「あ、やべ、ガソリンねぇ」と言うので「ガソスタならほらあそこ。」そう言うとこちらを少し見て片手で謝る素振りをみせながら 「すまん、行かせてもらうわ」と雲雀が言う。別に謝らんでもいいのに、そう思いながらまたタバコを一吸いし灰皿に灰をトントンっと落とす。
ちょうど煙草1本分を吸い終わった時、ガソリンスタンドに着くと手際よく入れていく。
ここ、ロスサントスは治安が馬鹿みたいに悪い。まぁ、ギャングの僕が言うのもあれなんだけど。ガソスタは無人だ。お金は払うけどね。
給油中に暇そうにしている雲雀を見越して僕は車を出てまた煙草を取り出し加え火をつけ、一吸いし、またもう一本を雲雀に咥えさせ、そのまま顔を近付け自分の咥えた煙草の先と雲雀が咥えた煙草の先をくっつけ、ジュゥ、と音を立てながら煙草に火をつけさせる。
「んわっ、てんきゅ」
「ン、あいよ」
「…奏斗ってサラッとそういうことするよなぁ」
「はぁ ?なにが?」
「ふぅ…シガーキスって言うんだろ?こういうの」
そう言うと奏斗がびっくりしたような顔で目をぱちぱちさせる。
雲雀はなんだなんだとこちらを煙草を吸いながら見てくる
「んや、雲雀がそういうの知ってんの意外だなって?」
「はぁ〜?ナメすぎじゃね?俺の事」
「当たり前だ。」
「アぁ〜???……」
奏斗が雲雀を煽るでもなく、当然のように言い放った言葉に雲雀はカチンときて、煙草を吸い、口の中に溜まった煙をふぅ、と奏斗の顔に吹きかける。
「んぶっ!?けほっ、ごほっ!けほっ!!な、ァにすんだ雲雀コノヤロっ!」
「この意味は知らないんだ?か、な、と?」
「…へ〜ぇ?誘ってんの?僕のこと」
「んひひっ!俺は今日夜暇だぜ」
「それにひばり、そういうの今では健康増進法で暴行罪ってされるんだよ」
「ギャングが何言ってんだ。」
「んはは、へぇ、雲雀が生意気にお誘いねぇ…んま、いいよ、のったげる。」
「はは、奏斗もヤりてぇの?俺と」
「何回も目の前の男に抱かれといてそれ言うの?」
ヤりたいに決まってんだろ。バカみてぇに可愛く啼くお前1回抱いたら、誰も抱く気になれねぇわ。
それに僕、人に触られるのも、人に触んのも実は嫌いなんだけどね。
雲雀だけだよ。僕を満足させられんの。
「…雲雀、おいで」
「ン? 」
腕を控えめに広げる奏斗に首を傾げながらも近づき腕の中に収まる。
「今日は酷く抱いてやるから、覚悟しといて。」
「っひ…、……上等だよ。俺も、激しい方が好き」
「ったく、誰のせいでこんなに気持ちいこと大好きになっちゃったんだか。」
「奏斗しかいねぇよ、俺には昔から奏斗しか居ないんだから。」
「僕も一緒だよ。
…ン。もうそろ警察が来るみたい。早く逃げよ。」
遠くから警察のサイレン音が聞こえる。
車に乗りこみ雲雀が直ぐに車を進める
「っひひ、ヤる前に、こいつら撒かねぇとな」
「だな!任せた雲雀!!」
「ボスに首持ってってもいい 」
「あの人警察の首欲しがるかな」
「ン〜?聞いてみる?」
「んや、いいよ、まず逃げよ。ヘリ来たらまずい」
「あ〜い」
「苦しくなったら撃ち殺そっか。」
「アリ。」
「ッく〜!やっぱロスサントスはこうじゃなくっちゃなぁ!雲雀!」
「だははっ!間違いねぇ!」
遠くからサイレンの音と警察の人の声が聞こえる。
クソみたいな世界でも、雲雀とだったら何にも辛くない。人を殺すのも、金を盗むのも、犯罪するのも!全部、全部楽しい。
愛してる。雲雀。
「捕まえてみろよ!!警察ゥ!!!」
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4幼児化
レイプ表現(行為はナシ)
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「…だれ……か…」
夜空に手を伸ばして、霞む視界に抗おうとするが、どんどん目の前は真っ暗に眩んでいく。
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今日はカフェによって仕入れの相談でもしに行こうかな。
アキラの所にもよって相談乗ってもらお。
んでその後は、どうしよっかな…会社寄るか、
「かヒュ…ヒュー…」
「えっ?」
微かに聞こえる誰かの呼吸音。
騒がしい大通りの路地裏から。
「…子供…?」
見てみればゴミ袋に埋もれている子供。
慌てて出してあげれば浅い呼吸。
押しつぶされてた訳では無いが、何かのショックだろうか…、それとも喘息かなにか持病を持っているのか、分からないが抱き上げ背中を叩いてやる。
「ひゅっ…はー…ふぅ…はぁ…」
「よしよし、落ち着いて…」
すると目を開いたのか身体を離そうと藻掻くのを落とさないように抱き直す。
お互い顔が見れる体制になったあと、思わずその子供に見惚れてしまう。
端正な顔立ちでめっぽう美人な子供。
綺麗な紫髪は洗ってケアすれば艶々な髪になるだろう。
「…!!」
身体をよく見ればボロボロだ。
擦り傷、痣、…そして太腿に滴る血。
……そうだよな。こんな綺麗な子供がこんな場所に捨てられてたら、そんな輩も出てくるだろう。
痛かっただろうな。優しくなんてしてくれなかっただろう。
「ッ…」
「……?」
拾おうなんて考えはなかったけど、こんな綺麗な子供を孤児院になんてっ送ってしまったら、また襲われるかもしれない。
「もう大丈夫だからね、」
「…………?」
小さな子供の身体はカタカタと震えている。
それを止めるかのようにまたぎゅう、と抱きしめた。
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「おかえりー、かな…と」
「あれセラフ、アキラは?」
「今はちょうどトイレ行ってる〜、それよりもその子何?」
ジッ、と猫のようにセラフを見つめる子供にセラフはおどおどとしていて思わず苦笑する。
「この子はさっきちょっと見つけて、拾ってきた」
「拾ってきたって……」
「あれ奏斗じゃないです……か……」
アキラがちょうど顔を出す
するとドドドド!!と大きく足音を立てて近寄ってくる。
「なになになに!?」
「なんですかこの綺麗な子供は!…まさか隠し子とかっ…」
「ちがっ!違うから!!」
その瞬間セラフは大爆笑。
なんともカオスな状況だ。
子供はずっとジッ、と2人を見つめているし。
「あっはは…!はぁ…違うよ凪ちゃん、拾ったんだって、」
「拾った…?奏斗が??貴方、子供なんて育てられるんですか?」
「んまぁ…やってみなきゃわかんないじゃん」
「んじゃ、俺らも手伝うよ。一緒に住んでるんだし」
「助かる」
学生で心を許しあった僕らは、シェアハウスをしている。
3人で支え合っているからか、お金には困っていない。
2人が手伝ってくれるなら、この子も何不自由なく暮らせてやることが出来ると思う。
「…それで、その子の名前は?」
「君、名前なんて言うの?」
「…?なまえ…」
すると素早く降り、こちらの顔を見つめる
「……」
「おれ…は、渡会雲雀…だよ」
「わらたいひばり…ひばりか!いい名前だね」
「そうだね、朝を告げる鳥。いいね。」
奏斗、セラフと名前を褒める。
「…… 」
本当に猫のように3人をジッと見つめる雲雀にアキラが察したかのように提案をする
「あ、私たちの名前が知りたいんじゃないんですか?」
「たしかに!僕は風楽奏斗、かなとって呼んでいいよ。」
「俺はセラフだよ、適当に呼んでね」
「私は四季凪アキラです。アキラとでも呼んでくださいね。」
「かなと、せらふ、あきら!」
ニコリともしない雲雀が、少しだけ頬が緩んだ気がしたのは気のせいだろうか。
「ふふ、そうですよ。」
「よろしくね、雲雀。」
「よろしく!雲雀!」
パチンっと手を叩いて雲雀の方を見てニコリと笑う奏斗
「…よしっ、お風呂、入ろうか!雲雀!」
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するりと布切れのような服を脱がし、それを見て絶句する。
「……」
やっぱり、痩せ方は異常で、身体のあちこちには痣。そして下半身、出血元を見るために確認をすれば案の定、肛門が裂けているところが見られて、あとで軟膏でも塗っておこう、とこの激情を抑える事にした。
「かなとも、おれとえっちするの?」
「…安心して、しないからね。」
「そうなの…?でも、お礼にって、この前言われたよ? 」
「お礼なんていらないよ、ありがとう、で僕達は満足だよ、」
「……そう、なんだ」
こんな純粋な子供に、なんてものを教え込んでいるんだ。お礼に身体を差し出すだと?ふざけるな。思わず奥歯をギリ、と鳴らして、拳をにぎりしめる。
捨てた親にも、レイプした奴らにも、ムカついて仕方ない。この子のためにも、動画とか取られてたら消してやらないと。
「その人たちとえっちしたとき、動画とか撮られたかな?…思い出したくないなら思い出さなくていいけど。無理しないで。」
「どうが………わかんない…途中から記憶がなくて」
ごめんなさい。と言った雲雀を強く抱き締める。
「いいんだよ、謝らないで。後は僕たちに任せてね 」
「うん…?わかった……?」
頭をマッサージしながら髪を洗えば眠くなったのかこくり、こくり、と頭が揺れている。
お湯を流せばビクッ!と反応し背筋がピーンっ!と伸び頭を振って水を落とそうとする様子に苦笑する。
猫かよ。
僕もびちゃびちゃになっちゃった。
ところで、怪我は痛くないだろうか…でも我慢してもらうしかない。
身体を洗っていけば至る所に切り傷があるのかところどころぴく、ぴく、と肩が跳ねるのが痛ましい。
それなのに声もあげず、反応を示さないのがまたなんとも複雑な気持ちになる。
「ん、よし、じゃあでよっか、」
モフモフなバスタオルを数枚用意して、髪の水分を優しく吸っていき、そしてぐしゃぐしゃと荒く拭いていく。
そしてもう1枚で身体を優しく拭いていけば完璧だ。
「はいただいまぁ」
「ん、長かったね、ご飯できてるよ」
「お、セラ!今日のご飯は!?」
「パスタだよん」
「うぇーい!やったぁ!」
また雲雀を軽々と持ち上げ、リビングの椅子に座る。膝の上で雲雀はまたジッと何かを見つめていて、落ち着いてない様子が伺える。
頭を撫でていれば気持ちよさそうに目を瞑るのが、猫を連想させて面白い。
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「「「ご馳走様でした!」」」
「おいし、かった…!」
ふにゃ、と顔を綻ばさせて笑う雲雀に、ここにいる全員が心奪われた。
「かわっ…!?」
「初めて見たねぇ」
「やっぱり美人さんですねぇ、雲雀は。」
「??」
何も分かってないようにこちらの方を見つめる雲雀をまた撫でてやれば、セラフとアキラが食器を片付けようと動き出す。
僕はそれをよろしく、と一言言えば帰ってくるのは肯定の声。
それを聞き、また雲雀を抱き上げ寝室へ向かう。
「あ。」
思い出したかのように軟膏を引き出しから取り出し、また寝室へと向かった。
よし、とベットに腰を下ろし、ちょっとごめんね、と一言断りを入れ、服を脱がす。
着せていたのは、僕のTシャツ1枚。それでも足を覆いワンピースのようになっていたので、脱がすと言うよりめくる様になっていた。
「……?なに?えっち?」
「しないって、怪我は治さなきゃでしょ」
裂けている患部に軟膏を塗り込む。
雲雀は流石に痛みに耐えられなかったのか、僕の肩をぎゅ、と握り、ぐっ、と声を上げている。
「我慢してね…もうちょっとだからね。」
「っ…ぅ……」
塗り終わり、ぱっ、と手を離せば、まだ少し痛みが残るのかはぁ…と息を荒らげている。
慣れたようにその後の切り傷なども消毒し包帯を巻いていく。
終わったら雲雀を抱きしめながら横に倒れるとボスン、と柔らかい布団に沈む。
「おやすみ、雲雀。」
「ん……」
抱き締めながら頭を撫でてやると直ぐに寝息が聞こえる
雲雀は撫でられるのが好きなんだな
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ビリリリ!!とけたたましく音がなり飛び起きる、
そういえば目覚まし切らずにねちゃったな、と思い出し、そこでハッとする、雲雀起こしちゃったか…!?と腕の中の温もりを確認するが空をきるだけ。
頭がサァァ、と冷え、部屋から飛び出した。
「雲雀っ…!?」
「んわっ、!かなと」
飛び出した先にはびっくりした顔をした雲雀。
大きな目をもっと大きく開かせ僕の動きをジッと見つめている。
か わ い い
「ちょ、どこ行ってたの…?トイレ…?」
「んや…えっと…外行ってた」
「な、なんで?変な人に話しかけられなかった…?これからはそんな格好で外なんて行っちゃダメだからね…!?」
「うん…えっと…外が明るいの、初めてで…いつも、あのゴミのところから顔出すなっていわれて…朝とかになっても出たこと無かったんだ、あそこ、冷たいし臭いし、…あと変な人には話しかけられなかったよ、人いなかった、!」
「そっかそっか、これからは一緒にお散歩行こっか。いつらでも空を見れるよ。」
「でも俺、夜の方がすき」
「じゃあ星見に行こう?」
「ほし…?」
「見たらわかるからね、今日行こっか。」
こくり、と大きく頷く雲雀。
「俺、大きい音とか振動とか、苦手なんだ、とくに、雨の日とかによくある、急に大きな音が鳴るの、こわくて、きらいなんだ、」
下を向きながらぽしょぽしょ話す雲雀が愛おしくてぎゅ、と抱きしめて抱き上げる。
「かなと、守ってくれる?」
ぎゅ、と服をにぎって上目遣いで見つめてくる雲雀が可愛くておでこにちゅ、と口付ける。
「うん、僕がずっと守ってあげるよ。」
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没が多い〜ここで没とかたまにお気に入りとかを出していきたいです〜!
途中とかも出すかもなので好きに続き書いてもらったりしても構いませんので!!
コメント
4件
やばい。全部良すぎるけど2つ目ブッ刺さりすぎて3つ目読む時集中できない!!ずっとニヤニヤしてます。 本当サイコーです。大好きです。
最高かよ