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只、晴れ間がさしている日曜日に、僕は今日もまた机と顔を合わせる。
最近はろくに外に出ていない。身体が重く、脚の骨は今にも崩れ落ちてしまう気がした。それでも、僕はいつも何時までも机にへばりつく。
「嗚呼、そうか、これが初恋か、」
独りで机に何を話しかけているの?初恋?気色の悪い、
「判らないよ、お前が僕に何故構うのか。気色悪いのは此方も同じだというのに」
末恐ろしい。きっと憑かれているのだわ。
「貴様らには分からないだろうな、」
と、自分の偏見を詰め込んだ、いかにも毒親のようなものを想像して、それに反抗する自分に酔う。
気色悪い自分も模造して、想像して、全てが偏見の世界を創り出す。
生きている価値なのかもしれないと思う。これこそ。僕の。
ああ、「楽しい」
一
今日も、相変わらず死んだ目をした友達?が見舞いに来た。
そして今日も、脚が死んでいる僕?が馬鹿みたいに気丈に振舞った。
「見舞いはもういい。」「綺麗ごとだ、」「分かっているだろう?」「無意味だ」
たった一言一言が言えない間抜けな僕だ。
もう、見舞い初日から何年経ったのか、僕も、病院の誰も、誰一人覚えていないだろう。僕自身も興味がない。ある訳がない。友達?との昔の記憶などとうに捨てた。
今はただ、看護婦にどうやって「死にたい」と伝えるか、それだけを考えている。
そしてその日、久しぶりに夢を見た。明るい夢だった。
脚が当たり前のようにそこにあって、動いていた。生きていた。
隣には誰だか分からないが、本能的に「親友だ」と思える人が笑顔で歩いていた。
日差しが眩しかった。だから、その人の顔は見れなかった。
…「だから?」日差しが眩しい、その言い訳で見ていない?何故僕はその人の顔を見れない?どうにか、どうにか一目みたい。彼を、彼を!
でも、それでも。見れなかった。
「夢まで意気地なしなんだな。さっさと死ね。」
夢から覚めて、すぐに出た言葉がそれだった。本音だった。
そしてそれから何日も何日も同じ夢を見た。嫌がらせ?倦怠感も、とうに度を過ぎていた。
相変わらず親友の顔は見れない。言い訳、言い訳、言い訳。吐き気がする。
そして夢からようやく抜け出せると、すぐに隣に置いてある桶に顔を突っ込む。
ただ一人の病室に嘔吐音が響く。それもまた吐き気を催して、ついには吐血した。喉が擦り切れているのが身に染みて分かる。
水なのか胃液なのか分からない液体が紅に染まっていく。それをずっと見ていた。
汚物と血液の対比がまるで綺麗で思わず見とれた。ああ、汚い、臭い、綺麗。
何分?何時間?しばらく見つめていて、ふと時計を見ると、針は深夜三時を指していた。
もうちっとも眠くなかった。