俺はその後家に帰って母と一緒に夕飯を食べた。
(不思議な一日だったな。彼は何をしとるんじゃろうか…寂しく、ないんかな…)
俺はどうしても彼の顔を忘れられなかった。
奏「そういえば、あの人名前なんて言うんじゃろ…」
(また今度原爆ドームに行ってみようおらんじゃろうか…。…おったら、一緒に、また…)
──俺はそのまま眠りについた。
敬「いや〜!昨日はホンマにありがとうな!おかげで助かったわ!何を奢ろうか?」
朝から学校で敬也が感謝を伝えに来た。
奏「良いよ、別に特にほしいもんとか無いし。」
敬「どうしたん?元気ないじゃん」
奏「そうか?普通じゃない?」
そう言っても敬也は俺の顔を覗いてくる。
敬「分かった!奏斗、お前俺に彼女できてはぶてとるんやろ?可愛いやつやなぁ〜♡」
(…………は?)
奏「違うわボケ。なんでおれがお前に彼女ができて、はぶてんといけんのんじゃ!」
敬「違うん?じゃあ何でそんな暗いんよ。」
奏「…じゃけぇ、何でもないわ言っとるじゃろ…」
敬「…ふぅん」
(敬也は妙なところで鋭いからな…バレたら面倒いなぁ…)
先生「お前ら席につけ〜ホームルームの時間だぞ〜」
先生がそう言うと周りで立って話しとったやつや、俺の前にいた敬也が席についた。
先生「今日はな、大事なお知らせがあるんよ。しばらく副担任の三波先生が休みになるけぇ、代わりに新しく入った先生を紹介する。先生、どうぞ。」
和「新しくこのクラスの副担任になりました。真藤 和樹です。よろしくおねがいします。(^^)」
奏「……え?」
新しく入った副担任は昨日あった彼だった。
(………いや少女漫画かよ。)
真藤先生も僕に気づいて、ニッコリ笑ってこう言った。
和「昨日ぶりですね。涙少年くん。」
(な、涙少年…?何じゃ、それはもしかして昨日泣いたから?いや、確かに相手からしたら印象的じゃったと思うけど、涙少年は…流石にキツイ。)
敬「涙少年?何じゃそれ?奏斗のことか?」
敬也も不思議そうにこちらを見ている。
(皆からの視線が痛い。)