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杏 「はぁー!美味しかった!」

そのあと私達は一緒に昼食を作り、今食べ終わったところだ。もちろんご飯食べている時も、冬弥は私のことをずっと見つめてきたから、「どうしたの?」って言ったら、「頬張る姿が可愛くて見惚れていた」なんて言ってきたりして大変だったんだから…!

なんとなく、ご飯を食べた後は眠くなる。それに追い討ちするように窓から温かな光が差し込んでいた。そして、いつのまにか私は眠ってしまっていたらしい。

(冬弥目線)

白石が眠そうな顔をしている。そんな姿でさえ愛しい。しばらく白石を眺めていると、床にコテっと横たわって寝てしまった。ふふっと笑いを堪えながら、白石に近づく。

寝顔は、普段の白石とはまた違う可愛さが溢れていた。無理に起こすのも癪だから、ベットに移動させる事にした。そぉっと、これは…お姫様抱っこっと言っていただろうか。きっとこのことを後で本人に伝えたら顔を真っ赤にするだろう。

ベットにゆっくりと下ろし、毛布をかけてやる。

俺は気づいてはいけないものに気づいてしまったのだろうか。今日の白石の服装はやけに肌が出ていると思ったが、Tシャツの裾が短すぎたのか、俺が抱っこしたのが原因でお腹が丸見えではないか…。

このままでは白石が風邪を引いてしまう。しかし触っていいのだろうか?いや、白石の体調が先だ。後で本人に伝えるとしよう。そっとTシャツの裾を下ろし、最後におでこにキスをする。

幸せそうな寝顔を見ていると、こっちまで眠くなってしまったので、白石と向かい合うかたちで俺は寝る事にした。横たわると、俺のベットはシングルだから、距離がいっそう近くなる。

このままでは俺の体がいうことを聞かなくなる。急いで目を閉じて眠りについた。

(杏目線)

……ハッ!!私、いつの間に寝ちゃってた!?窓の外を見るとオレンジ色の光が差し込んでいた。そして、居るはずの冬弥がいない。どこいったんだろうと立ちあがろうとすると、後ろから誰かが私の腕を引っ張った。その誰かというのは、今探そうとしていた、冬弥だった。

引っ張られた衝撃でもう一回ベットに横になると、センチ単位で冬弥の顔が目の前に現れた。

え…冬弥も一緒に寝てたってこと…!!??

冬弥「起きたか、白石。」

杏 「とと、冬弥!?」

そんな至近距離で微笑まれたら私……もう……。心臓もたないって…。

冬弥「寝顔可愛かったぞ。まあ、その寝顔につられて俺も寝てしまったが…」

杏 「う、見られてた泣」

さすがにいつまでもこの距離で話すなんて無理だから、私は徐々に距離を冬弥と距離をとった。

しかしここはシングルベット。私が思ったよりも横幅は狭かった。そして、私はベットから落ちそうになった。

杏 「うわっ」

冬弥「…!白石!」

その瞬間私は反射的に冬弥の腕を掴んでしまっていたのだろう。私が床に落ちた後、冬弥が上から降ってきた。まあ…冬弥はそのまま私を潰すわけにもいかないですからね。床ドンの形になったんです。

杏 「え、ちょっ……//」

冬弥「白石、すまない。怪我はないか!?」

恥ずかしい私と対照的に、冬弥は私の心配をする。

杏 「全然大丈夫!!っ…だけどっ…この体制恥ずかしい…かも」

冬弥は首を傾げ、何か閃いたような顔をした。

冬弥「これは…床ドンと言っただろうか?白石はこういうのが好きなんだな」

杏 「ち、違う!!冬弥どいてぇ泣」

冬弥「いやだ。どかない。」

杏 「お願い!」

冬弥「無理だ」

杏 「お願い、」

冬弥「わかった。」

冬弥ったら急にS発動してくるし…まあ、そういうところも好きだけど。やっと心臓が正常な脈打ちになる…そう安心した私がバカだった。

冬弥がどいて、私が床に座る体制になると、急に冬弥に頭を引き寄せられ、…。

キスするかたちになった。少しずつ目を開くと、今度はミリ単位で近くなる冬弥の顔。

恥ずかしくて、でもこの時間が好きで、10秒くらい重ねあった。

杏 「ちょ、と、冬弥…」

冬弥「すまない、白石。そろそろお別れの時間だと思うと、なんだか寂しくなってな。」

夕日は沈むのが早い、外は暗くなっていた。

杏 「そんな…私と永遠のお別れってわけじゃないんだしw」

強がったけど、私だって寂しい。出来ることなら、冬弥とこのまま夜を過ごしたい。一緒に朝を迎えたい。

冬弥「また、遊びに来てくれると嬉しい」

杏 「その前に、私の部屋に遊びにくるって約束したでしょ?」

冬弥「あぁ、そうだったな」

杏 「じゃあそろそろ私、帰るね」

冬弥「家まで送ろう」

なんか1日一緒にいただけで、ものすごく疲れちゃった…wもちろん、いい意味で…。

また、一緒に遊ぼうね!冬弥!

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