この作品はいかがでしたか?
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「〜」
まふゆの声が聞こえる。
何て言ってるの…、?
よく聞こえな……
「瑞希、起きて」
『はうっ、!?』
ガバッと起きるボクをまふゆは見つめている。
昨日の疲れからか奏と絵名はまだ寝ていた。
『え……まだモーニングビュッフェの時間じゃないよ、、?』
「…うん、知ってる……ちょっと顔洗ったら来て」
『う、うん…?』
昨日ベランダで話した事が頭をよぎり、急いで準備をして部屋の扉を開けた。
すると目の前にまふゆがスマホを見ながら待っていた為、『ごめん、待った?』と聞くと「ううん、大丈夫」と返答された為まふゆに付いていく。
暫く着いていくと、ホテル内にある誰でも弾けるピアノに着いた。
「…此処、今の時間帯だと誰も居ないんだ」
『へ、へぇ…?ってか、まふゆ此処来たことあるの!?』
「ううん、調べた 」
『あ、そ、そうなんだ…?』
ボクはピアノを聴く用にある近くのソファに腰掛ける。
するとまふゆはピアノイスに腰掛けた。
『えっ、!?まふゆ、、ピアノ弾けるの?』
「……少しなら、、、」
そう言いながらまふゆはドの音を鳴らす。
「……今日の為に、練習したんだ」
『え、え…………、?』
戸惑っているとまふゆはまた口を開く。
「……貴方の為に捧ぐ曲」
『……!!』
まふゆが演奏を始める。
凄く綺麗な音色で、思わず聞き入ってしまう
……アレ、?この曲って…。
『っ……!』
奏が、ボクの為に作ってくれた曲…。
綺麗で静かで、何処か絶望が差す__
そんな、儚い曲調。
「…………どうだった?」
『あっ』
聴き入りすぎて曲が終わるのはあっという間だった。
『凄い…良かった……!!』
自然と1粒の雫が頬を伝う。
「……なら、良かった」
まふゆはピアノを見つめながら、また口を開く。
「……瑞希 」
『……?』
「…将来、また…此処に来ようね」
『…!!』
「…それで、また、…ピアノ…弾こう?」
ニコリとまふゆは優しく微笑むと、ボクの方へ近寄り…頭を優しく撫でた。
『……ほぇ、!?/// 』
「……よしよし」
まふゆは優しい目でボクの事を撫でながら、また口を開く。
「瑞希……私は、瑞希のお陰でね…希望を持てたんだ」
『ボクのお陰で……希望、?』
「うん、、、」
優しい声で優しく頭を撫でて、優しく抱きしめた。
『っ……!?///』
「……瑞希、、私は瑞希を救ってみせるよ」
「…瑞希、ありがとう」
『……!!』
お互い顔は涙でぐしょぐしょだった。
…でも、それは何処か……暖かく、優しい空間で…まだ浸っていたかった。
『……ありがとう、まふゆ』
「わ~フレンチトースト美味しい!」
「ん…パンにラーメン挟んで食べると美味しいよ」
「…りんごのパイ、美味しい…気がする」
『ん〜!!ポテトパン最高~!』
あれからまふゆとボクは部屋に戻り、奏と絵名を起こしてモーニングビュッフェに来ていた。
『もうすぐこのホテルともお別れか~… 』
「寂しいわね……」
「……でも、また来よう」
「「『!?』」」
そう言ったのはまふゆだった。
「…約束、だよ」
目に光を宿し、優しくボク達を見る。
「アンタ…変な物でも食べた訳!?」
「まっ、まふゆ……!?」
『……ふふっ』
まふゆは変わったんだなぁ…としみじみ思いながらポテトパンを1口齧る。
そうしてまたまふゆはゆっくり口を開いた。
「…瑞希のお陰だよ、」
ボク達はチェックアウトを終えると、まだ帰るまで時間があるので何か食べてお土産を買って帰ろう、と決めていた。
「じゃあ……豆腐博物館行きたい!」
『いいね~!!あそこが豆腐花火も提供したらしいし!』
「そうなんだ…知らなかった 」
「豆腐博物館は…あっちだね」
『よーし!レッツゴー♪』
豆腐博物館に入ると、中は涼しかった。
ひんやりとした空気が体に纏う。
「じゃ、まずは豆腐の歴史からね!」
「そしたら次は豆腐の種類…… 」
「その次は豆腐工場見学…?」
『そしてそして次は豆腐が食べれるコーナーだね!!』
「へ〜、豆腐って結構可愛いね…? 」
「目がついてる豆腐 可愛い!! 」
『へぇ、絹、木綿ってこんなに違うんだ~』
「あ、あっちに試食あるよ」
「食べたい!!」
『は~っ、豆腐博物館…結構楽しかったね!』
「うん、初めて知ることも合ったし…楽しかったな 」
「豆腐美味しかった!」
「そしたら次は……何かお土産とか買って帰ろっか 」
『だね~』
「もう終盤か…早いね」
「ま、まだまだ楽しみましょ!!」
お土産屋さんに入ると各自好きなお土産を選ぶ。
「う~ん、彰人は豆腐パンケーキでいいかしら…顔も付いてて可愛いし!」
「私は……豆腐カップラーメンと豆腐クッキー…?」
「……リンゴ豆腐クッキーにしようかな、」
『ボクはポテト豆腐と~豆腐せんべいと豆腐カレーと…』
「何か豆腐の商品ばっかりね…… 」
「此処は豆腐が有名だからね」
『ね!皆顔ついてて可愛い〜』
「折角なら私は豆腐以外のも買っていこうかな…」
「は~っ、予算オーバー…… 」
『あはは、買いすぎちゃったね…』
「……お土産も買ったし、新幹線乗ろっか」
「だね」
『う~ん、写真も沢山撮ったし…思い出にはなったね!!楽しかったし!』
「そうね……」
「うぅ、筋肉痛で辛い…」
「奏、もうすぐ新幹線に着くから頑張って」
「ふ~、いい旅行になって良かった!!」
ボク達は旅行の思い出を語りながら新幹線に向かった。
皆新幹線に乗り、座ると疲れからかウトウトし始め寝てしまった。
(ボクは……まだ寝なくていいかな )
外ののどかな景色を眺めながら思い出を振り返る。
(ああ、楽しい思い出になったな…)
そこで、まふゆの言葉を思い出す。
(「また来よう」、か…)
(また……行けたら、いいな。)
なんて他人事に思いながら水を1口飲む。
(……ああ、ダメだなぁ、ボク…。)
『まだ、死にたくないよ…』
ボクの言葉は新幹線の音でかき消された。
ある人を覗いて。
「……死ななくていいんだよ」
その人は優しく問いかける。
『ダメだよ、死んだ方が良い人間なのに…』
「そんな事ない、!!」
『何で貴方が言えるの……?』
「私が……保証する」
いつの間にか寝てしまったボクの耳元で、その人は静かに問いかけた。
「瑞希……死ぬなら一緒に死のう?」
コメント
8件
まふゆがあんな発言をしたってことは、あと30日たった時はまふゆは希望を持ってるって事か、、? 考察捗るなぁ~🤔
まふゆ…? というか、豆腐博物館www
ニーゴの誰かかな、? 凄い良かったよぉ…… 神作だあ!! 死なないで……