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お久しぶりです。
🦑🎮
124×125
この胸の高鳴りは
マッチゲームの時、僕のファーストキスが奪われてしまった。
どんどん人数が減っていく中、僕はなんとか耐えていた。
ゲームが終わりに近づき、最後は2人ペアを組むことになり
サノスはセミの手を引き、先に行ってしまった
「ミンス!」
僕が突っ立っていると、ナムギュに引っ張られる。
扉を探し、空いているところを見つける
「ナムギュ、こっち!」
扉の前でナムギュに呼びかけると、周りにいた人たちが反応してこっちに向かってくる。
「、ナムギュ!」
時間がない、5、4、…
「やー、危なかったー!」
ギリギリのところでナムギュが駆け込んで来て、なんとかなった。
「はぁ……」
ナムギュと同時に扉の前に立つと、目の前でたくさん人が倒れていく。
何度見ても慣れない光景に頭痛がする。
ふと隣に顔を向けると、思ってた以上に距離が近かったのか、ナムギュの頬に僕の唇が触れる。
僕は殺されると思って、急いで謝った。
「あ、あ、ごめんなさい、!」
謝ったところで、殴られるのは確定だろうか。
そう思い、ぎゅっと目を瞑り、1歩後ろに下がる
すると、次は僕の唇にやわらかいものが触れる。
肩を掴まれ、目をゆっくりと開けると目の前には満面の笑みを浮かべたナムギュが居た。
「ミンスこの野郎!」
「やるじゃねえか!」
「え、あ…」
彼はきっと、クスリがキマっているだろうから。
だからと言って、男相手にキスなんてしないだろう。
僕はこの状況下で、相手はナムギュだって言うのに顔に熱が集まるのを感じた。
無事ゲームを終えたが、僕の頭の中ははずっとナムギュのことばかりだ。
投票の時も、食事の時も、消灯時間の10分前だって。
あぁもう、どうしてくれるんだ。
キスなんて初めてのこと。しかも相手は男。
自分の唇にゆっくり触れる。
あの感触が忘れられなくて、そして、なぜ僕にキスをしたのかがどうしても気になって。
「あ、…あのさ」
「さっきのゲームのとき…」
正直、言うか迷った。
けど、このままじゃこの後のゲームに集中できないだろうから。
「ん?俺なんかしたか?」
…やっぱり、覚えてないのかな
はぁ、とため息が出そうになるのを我慢しで再度確認する。
「ほんとに覚えてないの?」
「あの、その…」
「顔真っ赤じゃん」
そう言いながら笑ってくる。
ナムギュのせいでこうなってるのに、覚えてないとか…
視線を背け、俯いていると
顎を持ち上げられ、熱い舌が口の中で絡み合う。
突然のことに頭が真っ白になり、壁にもたれかかる。
「俺はクスリやっても記憶飛ばねえよ」
そう言って口角を上げるナムギュを見て、僕は不覚にもドキドキしてしまった。
たとえクスリのせいであっても、クスリのせいでなくても
この胸の高鳴りは治まることを知らない。
end