目が覚めると見知らぬ天井だった
体を起こす
とても豪華なベットに横たわっていた僕
「起きたか」
後ろから誰かの声が聞こえる
びっくりして振り向くと
そこには
ヒロト ワカイ様がイスに腰掛けていた
驚いて固まっていると
ワカイ様がこちらに近づいてきた
と思うと急に僕の頬に触ってきたのだ
「えっ!?」
驚いてワカイ様の手をすぐに突き放した
こちらを真っ直ぐに見つめてくる
少し青色がかかった綺麗な瞳に囚われて動けなくなってしまうかもしれない
だからすぐに目を逸らす
次にワカイ様から出た言葉
「お前は今日から俺の婚約者だ」
え…?
え…!?
今、なんて…
僕が
ワカイ様の
婚約者!?
いやいやいやいやいやいや!
聞き間違いだろう
「あ、あの、ワカイ様と誰が婚約者に…」
分かりきった質問をしたからか
「お前以外誰がいる」
と呆れている様に返してくる
え?え?
でも…
「なんで、凡人の僕を…」
あ…
声に出てしまった
するとワカイ様の方からさっきとは別人の様な低い声が聞こえた
「は…?」
っ…やばっ
怒らせてしまった?
でも本当のことだ
僕はどこにでもいる一般人
釣り合うわけが無い
「期限は1週間だ、それまでに決めておけ」
そう言いワカイ様はこの部屋を出て行ってしまった
まずいことを言ってしまったのか?
すごく不機嫌そうだった
1週間後までに決めておけ?
正直家にも帰りたい
でも帰っても誰もいない
両親もスズカもいない
でもずっといた思い出のある家だ
でも家に帰っても何になる?
また仕事をして、街を眺めて、それを続けるだけだ
どうしよう
そんなことを考えていた時
コンコン
ドアをノックする音が聞こえた
「リョウカ様、お食事の時間です。」
へ?食事?
うーん
お腹空いてない…
でもなぁ
一応見に行こう
もしもの時の脱走ルートを確認しなきゃだし
そう思い
部屋のドアを開ける
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続きが楽しみ!