どうしよう。どうしよう。どうしよう…!
「大丈夫や。安心せぇ」
さっきの男性たちに向けたような殺気が籠った声ではなく、暖かい、優しい声色でそう発した
「ぁ…」
あまりの温かさに今まで我慢して来たのが一気に込み上げてくる
涙目で、助けを求める目で彼を見つめた
それに応えてくれるかのような、目で追えない動きで私達の前から消えた
「は――」
男が何かをしようとする。
その瞬間、私を使って脅そうとした男が宙に舞った
早くて何も見えなかった
ただ分かったこととしては、彼があの大柄な男性をぶん投げたという事。
「ふん。口程にもない奴らやったな。とっとと失せろや、ゴミカス共。」
殺気を放ちながらそう言葉を発すると
先程絡んできた男性2人は情けない声を出しながら逃げて行った
その様子を見届ける。
はっ!と我に返る
そういえばまだお礼が言えてない事を思い出す
「あ、あの!助けて頂きありがとうございました!」
「ん。なんにもなくて安心したわ。」
ふわり、と笑った顔は先程の顔とギップを感じた。
「それで…ぜ、ぜひ!お詫びをさせて下さい!」
「お詫び…?あーいらんいらん。別に必要ないで?」
そう言われて少しショック
だけど、助けて貰ったのに何もしないのはおかしい!…と思う!
勇気を少し踏み出し彼に話す
「いえ!私がしたいのでさせて下さい!」
気が済むんなら…と返事を貰った
良かった〜このまま「いや、ほんま要らん」とか言われたらどうしようかと…
「あ〜…なぁ自分、名前なんていうん?」
安堵の喜びを胸に感じていると、名前を聞かれた
「私は、涼風真由美と言います」
「あ、自分は一条織って言うや。よろしゅう」
「は、はい。よろしくお願いします」
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