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日曜日、午前10時。今日は待ちに待った休日。
外は晴れ。けど、俺はまだ布団の中。
『……起きろ、会長』
「ん〜〜……かなたぁ……寒い〜……あと5分だけ……」
『もう10時すぎてる。起きて』
「やだ……かなたが一緒にいてくれるなら起きる……」
『……何それ』
小さくため息をつきながらも、かなたは布団の上に座って、俺の髪をくしゃっと撫でた。
『起きたらパンケーキ作ってやる』
「え、まじ?!かなたのパンケーキ好き!!」
『……子供かよ』
ぱっと布団から飛び起きると、かなたがくすっと笑った。
その笑顔が、最近たまらなく愛しい。
朝食後
「ごちそうさまでしたっ。かなたのパンケーキ、やっぱ世界一うまい!」
『……ありがと。でも、シロップかけすぎ』
「だってかなた甘くないから、せめてパンケーキくらい甘くしておかないと」
『は?俺のこと甘くする必要ある?』
「ある!かなたが甘えてくれないから、俺が過剰摂取してるんだよ!」
『うっ……そ、そんなこと言われても……』
「じゃあ今日は一日、俺にだけ甘くしてください!」
『……努力はする』
昼過ぎ・ショッピングモールにて
「かなた!これ似合うと思うんだけど!」
『……女子向けの髪留めに何で俺が?』
「いや、かなた髪ちょっと伸びてきてるし、前髪止めてると可愛いと思うんだけど……」
『可愛いって言うな。……まぁ、実用性はあるか』
「買っちゃおう!俺が買ってあげる!おそろいにしようよ!俺は黒、かなたは青!」
『……子供かよ。でも、まぁ……嫌じゃない』
夜・帰宅後
「疲れた〜!ベッド直行〜!」
『買い物しすぎ。俺、荷物持ちすぎて手が痛い』
「じゃあ手マッサージしてあげる!」
『お前、絶対悪化させるタイプだろ……』
「かなたぁ……恋人の特権だよ?させて?」
『……わかったよ』
ベッドの上で、かなたの手を取り、丁寧に指を揉んでいく。
「……かなたの手、ほんと綺麗だなぁ……細くて、白くて、柔らかくて……」
『急にどうした』
「俺が触ってるんだから照れてくれてもよくない?」
『……してない』
でも、かなたの耳は真っ赤だった。
就寝前
「ねぇ、かなた」
『ん』
「今日、楽しかった?」
『……うん。楽しかった』
「ならよかった。俺、こういう普通の休日を、かなたとずっと過ごしていきたい」
『……俺も。会長といると、落ち着くし』
「ほんと?やった!」
『……でも、あんまり甘やかされると……俺、ダメになる』
「ダメになっていいよ。俺がずっと甘やかすから」
『……バカ』
かなたが俺の胸元に顔を寄せる。
そっと、その髪を撫でながら、俺は小さくささやいた。
「好きだよ、かなた」
『……俺も』
END