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「 俺はこの人生を全力で楽しみたいんだ。 」
見透かす様な青く美しい瞳が、花垣と俺を映し出していた。気付いたときにはもう遅い。俺はその魅力的な目の虜になっていた。
「 ホントに来た… 」
ダメ元だった。きっと、サンズは俺の事をよく思っていないのだろう。そう思っていたので、カフェにアイツが顔を出したときは本当に驚いた。
'梵天'の時だってそうだ。飲みに誘われるどころか、あいつから誘ってくる事なんて一度も無かったし、これからもないだろうと思っていた。いや、一度だけあったか。
あの時はサンズとの合同任務だった。
商談での取引だったが、トップが不在の会社(といえるような組織ではないが)とは組むことができない、とあっけなく終わってしまった。
「 っま、普通こうなるわなぁ 」
「 時間余っちまったな 」
「 今帰ったら九井にドヤされそ~ 」
首領が居なくなってからだろうか。サンズは少し丸くなったというか、落ち着いている。案外取り乱すことはなかった。
「 飲み、行くか?時間つぶしによ 」
「 … おお 、! 」
1軒だけ飲んで、真っ直ぐ本部へ帰った。
サンズは仕事があるらしく、オフィスへ戻っていった。俺はすることも無く(サボり)、屋上へ煙草を吸いに行った。
「 サボっても殴られねェとは、さてはネジ外れたかサンズ … 。」
聞きなれた音が鳴り響く。
「 スクラップか? サンズ…がこんな目立つことしねーし、下っ端のミスかな 」
と、同時に九井から電話が来た。
「 おい蘭ッ!!!!サンズが■■■■■…!! 」
「 は…? 」
その電話を最後に俺はもう、あの世界には居なかった。
目が覚めたとき、何故か泣いてたっけ。
「 じゃ、そろそろ帰るか。 」
サンズの声にハッとする。暫くボーッとしていたらしい。
「 おい灰谷?なんか思い出したか? 」
「 んや、ちょっとした昔話かな 」
あーやべ、後半の話全く聞いてなかった。
灰谷 蘭
梵天軸のみ記憶あり。急に転生して最初は焦ったものの学生ライフ満喫中。
サンズのことをどー思っているのか謎。
「 この身体焼肉無限に食えるんだけど 。」
主の話
九井から来た電話の内容はもちろんサンズの死についてです。
蘭はきっと疑ったでしょうね。No.2が周りの目に触れるようなスクラップはしない、ヘマする訳ないと。まさか本人の訃報とは思わなかったはずです。
コメント
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このお話めっちゃ大好きです!応援しています!