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完結、ありがとうございます💕 最後の想いが通じ合って、💙がちょっと耐えきれない感じになってるところが、良すぎました🤝💕 もし良いのなら、続きも読んでみたいです❣️ いつも素敵なお話、ありがとうございます✨
コメント失礼致します。 完結おめでとうございます。そして素敵な💙💛ありがとうございます❣️ 💙様の気持ちを💛様から聞きたい、でもこれ以上苦しめたくないの部分が特に暖かい愛を感じられて大好きです♡💙様は皆に平等に優しいけど、💛様には1番優しいスパダリ彼氏なんだろうなぁ…😊と思います♡ 日々癒されてました❣️完結がちょっぴり寂しいくらいです🥹何回でも読み直したいと思います♡
完結お疲れ様です❣️生誕祭にバッチリ間に合いましたね、凄い❣️🥰💕 保護者付きのお付き合いは大変そうですが、また甘々な💙💛も読める事を期待しておきます🤭✨(カツアゲじゃないですよ😘笑)
引っ越しが終わってからしばらく、まずは家の片付けをしなね、と元貴からお達しがあり何の予定も無い日が続いた。
ダンス漬けの毎日から怒涛の引越し、それに次ぐ突然の無の時間。 退屈に慣れない体はすぐに何か動きたくなり、引越しの段ボールなんてすぐに片付いた。
事務所に預けていたギター達をようやく引き取れたから、今は学生の頃のように毎日ギターに触れている。1年近く触っていなかったのに、不思議と技術の衰えは感じなかった。
ちゃんと弾けるかな、と呟いた涼ちゃんの姿を思い出す。彼も今ごろキーボードに触れているだろうか。それより引っ越しの荷解きちゃんとできてるかな?片付け苦手だからな…とすぐに思考が彼に向かってしまう。
スマホでメッセージアプリを開いて『新居どう?』と打ち込んだ。でもなんだか送信ボタンを押すのを躊躇してしまう。
あの家に住んでいる時はメッセージなんて送る必要がないくらいそばに居て、涼ちゃんの状況なんかぜんぶ把握していたのに。今はたかが5文字を送っていいか迷うくらい遠い。彼との距離感を掴みかねて、そっとアプリを閉じた。
フェーズ2の予告ティザーができたから見に来て、と元貴から事務所に呼び出された。俺がミーティングルームに入ると元貴が座っていた。
「おはよ元貴」
挨拶しながら涼ちゃんを探してしまう。
「はよ、りょうちゃんはまだだよ。寝坊したって連絡来てた」
思わずスマホを見るけど、3人のトークルームにはメッセージが来ていなかった。元貴だけに送ったメッセージのようだ。
なんとなくつまらない気持ちになりながらスマホをポケットに戻して椅子に座ると、元貴がニヤニヤとこちらを見ていた。
「どう、りょうちゃんが居ない生活は」
「…………めっちゃ寂しい」
俺がそんなに素直に話すと思っていなかったのか、揶揄いモードだった元貴が意外そうな顔をする。
「りょうちゃんと連絡とってないの?新居見に行ったりは?」
「してない…引っ越してから会うの今日が初めて」
「へぇ……お前そんなヘタレだっけ」
イラッとして口角を下げて元貴を見る。自覚してること言うのやめてもらっていいかな?
「今までは一緒に住んでたから予定とか色々聞くの普通だったけど、もう今そんなの聞く必要ないじゃん。涼ちゃんだって俺には教えたくないかもだし。… 寝坊したことも教えて貰えないくらいだし。俺も今日いるのに。」
最後は恨み言みたいになった俺に、元貴が吹き出しそうに顔を歪めている。笑うなら笑えよ。
「お前がそんな自信ないの初めて見たわ…おもろ」
「うるせーわ」
机に肘をついて顎を乗せ、溜息をつく。
涼ちゃんに会えないまま何事もなく1日が終わっていくたびに、2人で暮らしていた時に俺に向けられていたあの親しい笑顔が幻覚だったように感じてしまう。
俺達の間に確かにあると思った絆は、物理的に離れることで簡単に見えなくなってしまった。涼ちゃんは同居生活を円満に過ごす為に俺に優しくしてくれていただけなのかもしれない、とすら思う。 今の俺と涼ちゃんはただのメンバーでしかなく、仕事以外では付き合う必要もない関係なんだから。
「寂しいけど……同居解消して良かったのかも。あのままずっと一緒に住んでたらなんか俺、勘違いしちゃってたかもしんないわ」
「でも楽しかったんでしょ?どうする、また俺急に一緒に住めって言うかもよ?」
「いやもう無理よ、涼ちゃんと一緒には住めない…」
俺が返事をしたのと、ガチャッと扉が開いて涼ちゃんが部屋に入って来たのは同時だった。
あれ、変なとこ聞かれた?と俺が気づくより早く、涼ちゃんの顔から血の気が引いて行くのが見えた。俺は反射的に立ちあがる。
「あ、ごめ………おれ、……」
ドアノブに手をかけたままの涼ちゃんは狼狽えた様子で呟くと、しばし視線を彷徨わせ、踵を返そうとする。早足で彼に歩み寄った俺は彼の腕を取った。
「待って涼ちゃん、違う……」
「ごめん若井、やっぱりおれ気持ち悪かったよね……!」
ギュッと眉を寄せ、俺から顔を背ける彼の言い分がよく分からず困惑する。え、なんの話?
「ほんとごめん、ついエスカレートしちゃって……あの日もあんなことするつもりなくて、酔ってたせいって言ったらだめだけど…」
まずは声が外に漏れないように扉を閉め、パニックになっている様子の涼ちゃんの手を引いて椅子に座らせる。元貴も涼ちゃんのそばにやってきて、落ち着かせるようにその肩に手を置いた。
「りょうちゃん、大丈夫だよ、ゆっくり息吸って。あんなことって、何があったの?」
元貴の手に縋るように両手を重ね、ほろりと涙を流した涼ちゃんが言いづらそうに口を開く。
「………若井に、キスしちゃった…。めちゃくちゃ反省してます、ごめんなさい……」
震える小さな声に、雷に打たれたような衝撃が俺を貫く。
キス………え?何?いつ???
元貴も目を見開いて俺を見る。全く心当たりがない俺は首を横に振り、俯いた涼ちゃんのつむじに目をやった。
「りょうちゃん、たぶん若井怒ってないと思うよ。2人でちゃんとお話ししてみな?」
元貴の言葉に、涼ちゃんは伏せた顔を僅かに上向けて俺を見る。目には涙が浮かび、唇がぎゅっと結ばれている。
訳は分からないけど、少なくともそれが本当だったら喜びしかない俺はコクコクと何度も頷いた。
「若井と2人で話できるね?思ってることちゃんと伝えな。ね?」
元貴が手のひらで涼ちゃんの頰を掬い上げ、眉を下げた彼の顔を優しく見つめる。
しばらくの時間をおいて頷いた涼ちゃんに微笑み、髪を撫でた元貴が俺を見る。
「若井、ちゃんと加減しなよ」
加減?よく分からんけど涼ちゃんを傷つけるつもりは毛頭ないので頷いておく。
「一応鍵かけといて」
部屋を出て行く元貴に言われるまま鍵をかけ、涼ちゃんの座る椅子の隣に座った。
俯いている涼ちゃんの肩が跳ねて、申し訳なくなる。
「涼ちゃん、俺全然怒ってないんだけどさ。俺の聞き間違いじゃなかったらえーっと、…キスしたって言った?」
「…………ごめんなさいぃ…」
膝に頭をつける勢いで謝る涼ちゃんには申し訳ないけど、俺は喜びで完全に顔が緩んでいた。
いや、でも涼ちゃんだしな。転んだ拍子で…とか言うかも。もう少し話を聞こうと気を引き締める。
「怒ってないから大丈夫だって。俺全然覚えないけど、いつ?」
「うぅ………若井が引っ越す前の夜…若井が寝ちゃった時………」
だからあの時涼ちゃんの様子がおかしかったのか、と思い返して納得する。
もしかして涼ちゃんも俺のこと…と期待しているのに、彼から確実な言葉が欲しいとも思ってしまう臆病な自分が嫌だ。今なら何を聞いても正直に答えてくれそうだけど、これ以上涼ちゃんに苦しい思いをさせたくなかった。
「涼ちゃん、俺も涼ちゃんが寝てる間にキスしようとしたことあるよ。…できなかったけど」
「えっ」
目を見開いた涼ちゃんが顔を上げる。やっと俺を見てくれて嬉しくて、笑いかける。
「涼ちゃんが俺にキスしてくれた理由は分かんないけど、俺は涼ちゃんのことがめっちゃ好きだからしたかった。だから今は俺達キスしたことあるんだーって思って嬉しい」
伝えることに恐怖心がない訳ではないし恥ずかしくもあったけど、今こんなに不思議な状況になっているんだからもう良いかという気分だった。 涼ちゃんの気持ちが俺とは全然違うものだったらどうしようかなーなんて、頭の片隅で妙に冷静に考える。
しばらく涼ちゃんの様子を伺うも、何の反応も返ってはこなかった。 固まってしまった彼の手をそっと握る。
「俺のこと気持ち悪いと思う?ずっと隠しててごめん」
涼ちゃんが勢いよく首を振り、苦しそうな顔で俺を見る。
「おれも…おれも若井が好き。若井は優しいだけだから勘違いしちゃいけないってずっと思ってたけど、我慢できなかった……」
言葉が耳から体全体にじわじわと行き渡り、胸がかっと熱くなった。湧き上がる衝動を抑えきれずに 涼ちゃんを抱きしめた。
「涼ちゃんにしかあんな優しくしないよ」
「うぅ………」
うめき声をあげて両手で顔をおおう涼ちゃんが面白くて笑ってしまう。
「ねぇ、こっち見てよ。顔見せて」
「いやだ………」
手の隙間から見える額も頬も耳も、すべてが赤くて可愛くて仕方がなかった。
「だめだ、我慢できない。キスしよ?俺にもさせて?」
「…………おれもしたい…」
真っ赤な顔から手が離れて、恥ずかしそうにしかめっ面をした涼ちゃんが現れる。
どういう気持ちの顔なの?って笑いそうになる。あ、恥ずかしいけどキスしたいっていう顔か。 あまりの愛しさに眩暈を感じながら、熱い頰をそっと両手で包み唇を重ねた。
「ま、…って、若井…!」
涼ちゃんの声に我に返って唇を離すと、涼ちゃんの力の抜けた体が俺にくたりともたれかかった。俺の肩に頭を預けてこちらを見る目には涙が浮かび、唇はぽってりと赤く熱を持っている。その色香に誘われ、ゴクリと喉がなる。
「ねぇ、もっとしよ」
「だめ…もう腰抜けそう。しんどい」
「…やば」
我慢できずに再び顔を寄せる俺を両手で制して身を離し、涼ちゃんが声を上げる。
「お話!お話しなって言われた、元貴にも!」
ここで元貴のことを思い出されるのはいい気がしない。少し意地悪な気分になってしまう。
「じゃあ、涼ちゃんが話してよ。いつから俺のこと好きでいてくれたの」
「う………ッ、……いや、最初からずっと優しいなって思ってたのと…時々可愛いとか言ってくるからドキドキしちゃって。…あとやっぱり元貴のソロの話聞いた頃かなぁ…。メンタル弱ってたからずるい気持ちっていうか、もう甘えちゃえと思って。若井優しいから許してくれるだろって…図々しくしてごめん」
「え、ほんと?全然気にならなかったけど」
「…子守唄とか。膝枕とか。手つないでもらったりとか。…ジョギングデート誘ったりとか。普通の友達だったらおかしいこと結構してない?おれ…」
そう言われれば、確かに距離は近かった。ジョギングは、あれはデートのお誘いだったのかと思うとだらしなく頰が緩んでしまう。
「ごめん、全部ただのご褒美だったわ」
「そうなの……なんだ、じゃあもっと早く勇気出して言ったら良かった」
安心したようにへらりと笑う涼ちゃんに、俺は真剣な顔を向ける。
「いや、同居中に言われなくて良かったわ。言われてたら俺…色々我慢できてたか自信ない………」
「えっ」
色々って何、と聞いてくれるのを少し期待して彼の赤く染まっていく顔を見つめる。
『ドンドンドン!!!』
ドアをノックする音に顔を顰める。絶対元貴。
『若井ー!開けろお前。りょうちゃん大丈夫?!』
「あーあ、保護者が来ちゃったわ」
仕方なく椅子から立ち上がる。ドアに向かう前に腰を屈めて涼ちゃんの手を取り、手の甲に唇を落とす。
「ねぇ、もう涼ちゃんは俺のだって元貴に言っていい?」
「…………うん。おれも言う」
幸せそうに笑う涼ちゃんに微笑み返し、ドアを開けに行った。
同居からのりょつぱ馴れ初め話、これにて完結とさせていただきますm(_ _)m
だらだらと長かった割にパンチの弱い終わり方ですみません🥹
初めてのりょつぱでかなり手探りでしたが、想いを確かめた若様は強そうなのでそのうちイチャイチャも書きたいです💙💛
最後までご覧いただき本当にありがとうございました🥰