8時30分に学校に着くように家をでる。いつもと変わらない空。いつもと分からないバス。
色の見えない俺の世界はなんとも言えない、まるで漫画の中に居るような生活をしている。この世の中では色がないのは別に珍しくない。いや珍しいのか。昔は1万人に1人とかなんとかだったらしいが今は明確にされていない。そうゆう病気の人の特徴としては目の色が少し薄い、普通なら茶色か黒なところグレーらしい。
「なーくん!おはよ!!」
声からして分かる高い男の子の声。少ししっぽが見えそうな顔をしている彼の名前は莉犬くん。莉犬くんにはオッドアイという病気を持っているらしく俺もこの病気の事を話している
「そういえばなーくんそろそろ中間だけど大丈夫?俺全然勉強してなくてさぁ?」
「莉犬くんいつもじゃんw苦手な教科教えてあげるよ」
「やっぱ持つべきものはななもりなんだよなぁ~!!」
「持つべきものは俺なんだよなぁ~!www」
そんなたわいの無い会話をしていたらいつの間にかホームルームが始まっていたらしく先生に怒られてしまった。俺にとってこんな些細な会話をできる人はなかなか居ないからこの会話がひとつの幸せでもある
赤視点
ある日事件は起きた。またまたなーくんと街を歩いていたら、ううん俺がなーくんを1人にしたからなーくんが変なやつに絡まれてしまった。結局俺は何も出来ず声をかけることしか出来なかった。
「やっぱり色がないって変なのかな、、、、目の色がおかしいと変なのかな、。これだってひとつの個性じゃん、、、、俺だって、俺だってッ、」
なーくんがここまで愚痴を吐くのは珍しい。よっぽど辛いことを言われたのか、それとも今までのが崩壊してしまったどっちも有り得そうなのでなんとも言えないところだ。
「なーくんの目の色は綺麗だよ。紫色で、目の奥が光ってるの。今は病気で少しくすんでるかもしれないけど、それでも十分綺麗なんだよ?俺のね目の色と同じなの。でもなーくんのが綺麗なんだ。だからきっと”運命”の人と出会えたらもっと素敵な色になるよ。だからお願いこれ以上自分を嫌わないで。俺は今のなーくんが大好きだよ。」
「ごめん、ごめん俺また、、、、」
「いいんだよ。俺なんかよりなーくんのが辛いんだから」
何が悪いってなーくんの場合目の病気の他に周りの人と色が違う。紫色で綺麗だけどやっぱり浮いてしまう。
「なーくんアイス食べよっかアイス食べて俺の家で一緒に寝よ。」
「ありがと、莉犬くん、、、、」
このあとアイスを食べて少し歩いて俺の家で寝た。正確にはなーくんだけ寝た。毎日思う。なんで俺がなーくんの運命の人じゃないんだって。こんないい子がなんで苦しまないといけないのか、俺には分からない。
ごめんね。俺にはこれ以上どうすることも出来ないんだ。運命の人じゃないから。運命の人だったらもっと早く救ってあげれたのかな。少しでもなーくんが幸せになる道を進んで欲しいな。だからそれまで一緒に頑張ろ。
そう思いながらなーくんの頬に軽くキスをする。