テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
僕のヒーローアカデミア 荼毘 様の夢小説
⚠自己満夢小説
⚠片思い
⚠バドエン
⚠タヒネタ
⚠夢主名前固定
⚠夢主イメージ画像あり
⚠解釈違い
⚠終始荼毘視点
上記が大丈夫な方だけお進みください𓂃💙
近所の女の子。俺より3つ年上の高校生で、ヒーロー志望。
明るくて優しくて面倒見が良くて、俺の初恋の人───
再会は突然やってくる。
「動くな!」
『!』
凛とした声が裏路地に響く。
癪に障った人間を焼き殺していたらヒーローに見つかっちまった。
振り向くとそこにいたのは昔よく遊んでいた彼女だった。
短かったグレーの髪は胸下まで伸び、顔つきもすっかり大人の女性だ。
彼女の手のひらから出された鎖が俺の体を素早く拘束する。
「こちらチェンナ。××市路地で敵を───」
鎖を強く引っ張ると体が俺の方に傾く。
倒れかけた彼女を腕の中に収めて、熱で通信機を破壊した。
「離しっ…!」
『久しぶりだね、鎖良ちゃん』
「なんで私の名前を…」
名前を呼ぶと抵抗する力が緩んだ隙に蒼炎で鎖を溶かす。
熱さで反射的に離れようとした鎖良の腕を強く掴む。
『俺の事覚えてないの?無理もないか、最後に会ったのは10年前だもんな』
「くっ!」
『おっと危ない。殴りかかられるなんて悲しいぜ』
彼女が振った拳を避け、自分の手で包み込む。
ずっと再会を願っていた彼女に会えて、俺は酷く気分が高揚していた。
警戒するように後退した鎖良。
逃げられないように周辺を炎の壁で覆った。
『簡単に逃がしてやるわけねぇだろ。ずっと会いたかったんだ。ずっと俺のものにしたかった。昔からずっと』
「アナタは…」
『誰かって?本当に思い出せねぇのか。なら教えてやる』
彼女に歩み寄り、左手をそっと手に取る。
ずっと昔にやったように俺はその手に口付けた。
『俺がヒーローになったら迎えに行くから!』
『絶対鎖良ちゃんより強くなってみせる!』
『左手は予約!だから約束だよ───』
『絶対、俺のものになってね』
銀色の瞳が揺らぐ。
その中に映る俺は歪んだ笑みを浮かべていた。
「と、燈矢くん……?」
『そう!思い出した?なぁ、俺こんなんなっちまったけど、約束守ってくれるよな?』
コクリと彼女が唾を飲む小さな音が鳴る。
答えは返ってこない。
『肌も火傷だらけだし顔も爛れてすっかり変わっちまって。髪も黒く染めてるけど、地毛は白いままなんだ。見た目は変わっても、中身は変わらない』
『ヒーローになるって約束は守れなかったけど、鎖良ちゃんのことどんな奴からも守るからさ』
早口でまくし立てる。
彼女は肩を震わせながら呟いた。
「……だよ」
『ん?もう1回言って』
「無理だよ…。私はヒーローで、燈矢くんは敵で…。第一あの約束も子供の頃の口約束だし…」
「一緒に警察署に行こう?燈矢くんがした事は簡単に許される事じゃないけど、償うのはいつでも間に合うよ…」
『……』
「ひっ…!」
彼女の喉からヒュッと音が鳴った。
恐怖からかガタガタと大きく震え、体中の血の気が引いてしまったように指先が冷えている。
それに対して俺は体中が内側から焼けるように熱くなっていた。
『そう…。そっか。俺はずっと好きだったけど、鎖良ちゃんは違うんだね』
友達を殴って先生に怒られた時も、お父さんと喧嘩して家出をした時も、彼女は俺を受け入れつつも咎めてくれた。
今回もそうだと思っていた。
でも今の君は俺を受け入れてはくれない。
『俺が人を脅したから?焼いたから?殺したから?』
『喉が焼けて声が掠れてるから?肌が爛れて醜いから?焦げくさい匂いがするから?』
『なあ、どうしたら俺を愛してくれる?なあ、鎖良ちゃん。鎖良。なあ、なあ!』
目の縁に涙を溜めた彼女が鎖を出して俺の首に巻き付ける。
俺はそれを炎で燃やし、そのまま彼女を抱き締めた。
「あ゙っ、」
『熱いよなぁ。ごめんな。でも鎖良を俺のものにするにはこうするしかないんだ。でもまだ間に合う。俺のこと好きになって。そしたら火も止めるからさ』
「っ、」
ジリジリと彼女諸共自分の体が焼けていく。
けどそれが今は心地よい。
腕の中の彼女が流した涙は熱さで蒸発して消えていって、俺は気付かなかった。
「好きじゃ……ない…。こんなの燈矢くんじゃ……!」
体温と怒りが連動するように炎が燃え盛る。
最後の彼女の叫び声は炎に呑まれて聞こえることはなかった。
いつだって俺が悪役で彼女がヒーローだ。
友達を殴って先生に怒られた時も、お父さんと喧嘩して家出をした時も、
俺が悪役で彼女がヒーロー。
でも俺にとって彼女はヒーローじゃなく好きな人。
そして彼女にとって俺はただの悪役だったみたいだ。
『それでも君はずっと俺の好きな人だよ』
腕の中に残った真っ黒な彼女の口元らしき場所に、俺はひとつキスを落とす。
薄暗い路地裏に小さくリップ音が響いた。
初めての君とのキスは酷く苦い味がした。
名前:鎖良(さら)
年齢:26歳
個性:鎖
ヒーロー名:チェンナ
轟家の近所に住んでいた女の子。
優しくて正義感が強い。ヒーロー科がある高校に通って、現在は現役でヒーローをしている。
燈矢のことは弟のように思っていて、子供の頃のプロポーズも本気にはしていなかった。
名前:燈矢(とうや)
年齢:23歳
個性:蒼炎
ヴィラン名:荼毘
近所に住んでいた鎖良が初恋で、今でも好き。いつでも自分を受け入れてくれる鎖良なら、今の自分も受け入れてもらえるかもしれないと思っていた。自分の事を好きじゃない鎖良と生きるくらいなら、殺してしまおうと思い立った。
コメント
1件
荼毘くん分からなすぎる😵💫🌀 低クオですが少しでも好きだなって思ってくれたらハートしてやってください🙏🏻