途中途中不穏な気がしますが、kgmの感情が突っ走ってしまっているだけで誰も悪くないしハッピーエンドです fwが溺愛な気がします。
[今日遅くなる!]
年は明けたがまだ寒い頃。メッセージアプリで{不破湊}から送信された文章。
別に今日珍しく遅くなった訳でもないし、むしろ遅れる日の方が多いので普通に返そうとしたが、なんだか自分も出かけたくなったので追加の文章を付け加える。
[了解致しました。私も少し出かけて参ります]
少し時間が経った後 ポコ、と軽快な音を鳴らして現れたかわいらしいスタンプ。
彼はそういうところがあるんだよなあ…と微笑みながらもスマホの電源を切る。
準備をし、外の冷気を受ける。もっと防寒具はつけた方がよかったかなと思いつつも、引き返しはせずに歩いていた。
「え」
先程やりとりをしていた男。不破湊が見知らぬ女性と腕を組んで、
仲良さげに歩いているのが見えた。脳は勝手にくだらない思考を繰り広げたみたいで、
過呼吸気味になってしまう。
「すー、はあ…」
深呼吸しても目の前の状況は変わらない。なんでですか。嘘だったんですかあの言葉。
『ハヤトが一番』って言ってくれたじゃないですか。さっきまでの会話はあの女とデートする為だったんです?
「出かけなきゃよかった」
グダグダ考えているうちに2人は遠くへ行ってしまったみたいだった
なんだか私だけが取り残されている感じがして気持ちが悪かった。
わたくし、外であなたと腕を組んで互いに微笑み合った経験すらないんですよ。 なんでぽっと出の女に超えられる筋合いがあるんですか。 わたくしたちそこそこ一緒にいますよね。
「…帰、るか」
自分の涙で染まったアスファルトは汚らわしくて見てられなかった。
既にほぼ動かない足で自室に入る。あなたが見繕ってくれた家具も捨てなきゃですね。
前にあなたとしたゲームのゾンビいましたよね。わたくし今それみたい。2人して怖さには強かったのでびっくりはあまりしませんでしたが、あなたとだったからすごく楽しかったです。
二度目はできないでしょうが。
不破さんが乗り換えたとしか考えられない。わたくしって都合がいいから付き合えているだけだったんですかね。年が離れていて身長が無駄に高くて力の強い男より、
同年代で背が小さくてかわいくてきれいなスカートが似合う女性かどちらか選べと言われたら後者に決まってますもんね。わたくしは誰を差し出されて銃を突きつけられて何をされようともあなたを選ぶんです。不破湊を選ぶんです。選ばせてください。お願いします。
「…っ。ひく…」
いくら泣いてもわたくしの世界一美しい王子様は来ませんし、何か重大な病気にかかったとしても真実の愛は向けられないのでしょうが、あの方は一滴涙をこぼすだけで不破さんがやってきて、優しく目元を拭いてくださるんでしょうか。どうせ来ないのだったらいくら泣いても同じでしょう。
「っ、は、ふわさん、みなとさん…」
むかえにきて。という言葉はただの空気にしかならずに散っていった。上を向いた影響で水の匂いが入り込んで気持ち悪い。わたくしの作ったご飯を喜んで食べて感想を嬉しそうに伝えてくれた。わたくしあの笑顔が大好きだったんです。頑張ろうって思わせてくださるんです。
[そろそろ帰る!思ったより遅くなっちゃった]
あ どうしよ、わたくし今こんなに醜いのに。あなたに汚いわたくし見せたくないです。
[もうちょっと遅くなってもいいですよ。]
すみません 別れましょうって言えませんでした
わがままな客の対応をしていたら思ったより遅くなってしまった。ハヤト寂しがっとらんかなあ。ああ見えて寂しがりやな気いするしな。
「ただいまあ。」
いつもはただいまって出迎えてくれるんだけど…そんなことを考えている内に、ハヤトの部屋から啜り泣く声が聞こえてきた。
「ハヤト!?」
どうしよどうしよ。病気とかかかっとったりしんよな?そんな時になんで俺いないんだよ。
コンコンとノックしても出てくる様子はなかったので、とりあえずスマホなら伝わるだろう、と思い、メッセージを送信する
[大丈夫?なんかあった?]
[さっき送ったのも返信なかったから心配で]
[話したくないならええよ]
どうしようこの跡。絶対バレるとは思っていたが、泣く声が聞こえていたのかもしれない。
メッセージが届いた。
なんですか。話したくないならって。あなたが言ったらわたくし正直になる以外選択肢ないんですよ。そういうところ嫌いです。うそですごめんなさい全部好きなんですだいすきですあなた以外見れないんですわたくしをこんな体にさせたのあなたのせいでしょう。あなたのことあの人より愛してあげれますよきっと。不破さんすきです自分よりも誰よりも愛してます。責任ぐらい取って欲しかったです。夢見させて私の想いを結局は踏みにじらないで欲しかったです。
[入ってええ?]
あなたに見せたくなかったのに。汚いベットもシワがついた服も。 わたくしも
ボヤけた視界に映るあなたの写真は綺麗でした
返信が来ないので苦渋の策で無言で部屋に入る。
「…」
ベットは荒れてそこにうずくまるハヤトは擦ったのか、目元が赤く腫れていた。
「おーい、ハヤト。勝手に入ってごめんなあ、それ誰のせい?」
「…わたくしかと」
小さいかもしれない声で返事が来る。聞き取りにくくても返事をしてくれたことが進歩だからね。…ハヤトのせいなことなんかあったっけ?大概俺のせいな気がするんだけど…
「加賀美さあん?多分それ俺が悪いから言ってみて」
まじで俺なんかしたかな。ノンデリかもな…顔見せてくんないなあ。 俺ハヤトがどんな姿しててもかわいいのに。
「あ」
そういえば伝えてないことあった。かわいい恋人に隠し事すんの悪くないからね。
え、ホストやってることそんなショックだった?そんななら先に伝えておくべきだったなあ…
「俺ホストやってるんよね。もしかして知って悲しんじゃってる?」
隠し事しててごめん〜と頭を下げて考える。俺が言わなかった理由はただ単にダサいかなって。ハヤトが実は夜職嫌いで絶縁を切り出されたら俺生きていけんし。
「…え??」
あ、困惑してる。
「………ちょっと待ってください」
あれ?顔が赤くなってきた
「悩み、解消されたかもしれない。」
手で顔を覆い言う。恥ずかしがっとんのもかわいいけど、悩み解消されてよかった。めでたちめでたちやん!
「それならよかったけど…すぐに駆けつけたかったのに客に追われてて。まじでごめんな〜」
「あっ…絶対解消されたこれ」
解決祝いにちゅーした。さらに顔真っ赤になってかわいかったで。
コメント
2件
も〜マジで可愛いしか出てこない(>^o^)>ウオオオオオアアアーーーー